仮面ライダーの生誕50周年記念作品「仮面ライダーリバイス」(テレビ朝日系、午前9時)で、主人公・五十嵐一輝/仮面ライダーリバイを演じている前田拳太郎さん。“一人で二人”の仮面ライダーへの変身や、主人公ら3兄妹(きょうだい)が全員変身を果たすなど、多くの話題で注目を集めている。そんなテレビシリーズ放送後の反響やスタートから4カ月を迎えての心境、また「仮面ライダーセイバー」で主役を務めた内藤秀一郎さんからの“先輩1号ライダー”としてのメッセージを受け取っての思い、ライダーや俳優として目指す“場所”について聞いた。
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今年9月5日に第1話が放送されてから、1年間放送されるテレビシリーズも3分の1ほどを迎えたことになるが、前田さんは現在の心境を「あっという間ですね。始まる前はすごく長いなと思っていましたが、放送が始まってから4カ月目、撮影が始まってからはもう6カ月ぐらいたっていて、あと3分の2もないのかと思うと、やっぱり早いなと思います」と明かす。
「撮影には慣れてきましたが、ほかのテレビ番組への出演とか取材も増えてきて、撮影以外のことがいっぱい出てきたので、撮影以外はまだ慣れないです」と初々しい笑顔を浮かべる。
放送後の反響について聞くと、「友だちから『仮面ライダー見ているよ』とか『今週はこうだったね』と連絡がきたり、『こういうふうになるんじゃないか』みたいな予想も。考察に関しては何も言えないのですけど」とにっこり。「たくさんの人が自分のことを応援してくれていることがものすごく伝わってくるので、自分も応援してくれる人のためにも頑張らないとなって思います」と撮影に励みになっているという。
公開中の映画「仮面ライダー ビヨンド・ジェネレーションズ」(柴崎貴行監督)は、「仮面ライダーリバイス」を中心に、「半世紀に及ぶ仮面ライダー史を揺るがす、今までのすべてを超越(BEYOND)した予測不能な物語」がくり広げられる。
劇場版では先輩ライダーと共演しているが、「僕も『仮面ライダーリバイス』として『仮面ライダーセイバー』の皆さんからバトンを受け取ったので、共演したいというのが素直な気持ち。共演できたのはすごくうれしかった」と喜ぶ。
仮面ライダーセイバーチームとの共演では、「自分たちよりもプラス1年やっている皆さんの背中はすごく大きく見えました。どのシーンでも自分たちとは違うところがあり、撮影現場を秀君(内藤さん)が引っ張っていっているところなど、自分も追いつけるようにやっていかないといけないと、仮面ライダーセイバーの皆さんたちを見て思いました」と刺激を受けたという。
“先輩1号ライダー”である神山飛羽真/仮面ライダーセイバー役の内藤さんの印象を聞くと、「優しいし面倒見がよく、“お兄ちゃん”ですね。本当にすてきです」と敬意と親しみを込めて表現した前田さん。さらに内藤さんからは初対面時、「1年間、長いようで短いから絶対後悔しないように、1日1日を大事にしてほしい」と言葉をかけたられていたことを明かし、「僕の中で大事にしてきたことでもありますし、本当にその通りだなと思う。劇場版をやって仮面ライダーセイバーの方々が“卒業”していく姿を見て、本当に『1日1日を大事にしないといけない』という秀君の言葉が改めて大事だなと再確認できました」と先輩たちの“完走”に気持ちを新たにしたと語る。
◇“1号ライダー”としての受け継がれてきた“思い”と“つながり”に飛躍誓う
これまで先輩・後輩が共演する劇場版のインタビューでは、「仮面ライダーの先輩として“継承”したいこと」を先輩1号ライダーから後輩1号ライダーに伝えてもらっているが、今回は内藤さんから預かった先輩1号ライダーとしてのメッセージを動画で前田さんに見てもらった。
メッセージで内藤さんは、途中で加わる新キャラクターが目立つと不安になる“1号ライダー”ならではの気持ちについて触れ、「後から出てくる仮面ライダーや登場人物を際立たせることができるのは、“座長”であり、“1号ライダー”である前田君だけだと思います。そこをしっかりやって『仮面ライダーリバイス』を最高なものにしてほしいです!」と呼びかけていた。
一言も発さずリアクションもせず、真剣に動画を見ていた前田さんは、「自分がやっていかないといけないことがしっかり見えてきた」と前置きし、「(テレビ放送で)新しい仮面ライダーが出てくると『いいな』と思ったり、『自分がフォーカスされなくなってしまうのでは』という不安もあったりするけど、秀君が言っていた通り、みんなを引き立たせるのも作品が良くなるのかも、1号ライダーの影響が大きいと思う」と神妙な表情で語る。
続けて、「今はまだ自分のことで手いっぱいになってしまっていますが、『仮面ライダーリバイス』という作品を自分が背負っている気持ちをもっと強く持って、秀君に言われたことを自分の気持ちとして大事に持って、作品を良くするために自分がどうしていかないといけないのかを、改めてもう一度考えてやっていかないといけない」と飛躍を誓い、「ほかのキャラクターの人気は気になっちゃうけど(苦笑い)。自分が作品の“顔”と思ってやっていくことが大事なのかなと思いました」と言ってうなずく。
いずれ後輩に思いを伝える立場になっていくことについて、「つながっている感じがする。秀君からの言葉を聞いて、今までつないできたものを自分にもつないでもらった。ライダーの歴史のつながりをすごく感じた」と言い、「そのつながりを僕も次のライダーに受け継いでいかないといけない。1年間かけて学んでいることを伝えて、さらに仮面ライダーという作品が素晴らしいものになれば」と力強い口調で語っていた。
◇自身の原点は仮面ライダー 『仮面ライダーリバイス』を誇りに思える作品に
今回の劇場版をへて、これからテレビシリーズもますます盛り上がりを見せていく中、最終回を迎えるころにはどんな仮面ライダーになっていたいのだろうか。
前田さんは、「『仮面ライダーリバイス』だったことを、これから先もずっと誇りに思っていけるような作品に、僕自身もそうですし仮面ライダーという大きな作品の中でも『仮面ライダーリバイス』というのがすごかったとか良かったと言ってもらえるように、自分の中でも誇りになるような作品にしていきたい」と声を弾ませる。
その目標を実現するために、「(1号ライダーとして)自分が引っ張っていかないといけない。もちろん助け合いも大事だと思うし、僕自身1人でできないことも多いので助けてもらうことはありますが、これからはもっと自分が引っ張っていくことに自覚を持ち、みんなと一緒に良い方向に行ければいいと思います」と決意を口にする。
これから俳優としてさらなるブレークも期待されるが「僕の中では原点が仮面ライダー。自分が仮面ライダーだということ、仮面ライダー俳優であることを、これから先もずっと誇りに思ってやっていける俳優になりたい」と生き生きとした表情で語っていた。 (取材・文・撮影:遠藤政樹)
※柴崎貴行監督の崎はたつさき
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