三木眞一郎:「リーマンズクラブ」 “バディー”榎木淳弥との共演に喜び 新人時代の思い出、仕事観も

「リーマンズクラブ」で宮澄建を演じる三木眞一郎さん
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「リーマンズクラブ」で宮澄建を演じる三木眞一郎さん

 バドミントンの実業団を題材にしたオリジナルテレビアニメ「リーマンズクラブ」が、1月29日にテレビ朝日の深夜アニメ枠「NUMAnimation(ヌマニメーション)」でスタートする。実業団選手のサラリーマンとしての生活、スポーツ選手としての生活の両面を描く異色のアニメで、元・天才バドミントン選手の主人公・白鳥尊のバディーとなる宮澄建を演じるのが、声優の三木眞一郎さんだ。収録では、白鳥を演じる榎木淳弥さんとの掛け合いが多いといい、「現場の掛け合いの中でしか生まれないものがあって、榎木君とは『そうくる?』『そこまでくる?』というやり取りがある。そういうアプローチをしてくれるのはうれしくなりますね」と語る。新人社員として奮闘する白鳥を見て、自身の新人時代と「似ている」と感じることもあったという。作品の魅力、収録について聞いた。

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 ◇榎木淳弥は「人の人生を歩もうとしている役者」 掛け合いで感じたもの

 「リーマンズクラブ」は、バドミントンの実業団を舞台に、選手たちの成長や葛藤を描く。あるトラウマを抱える天才選手・白鳥尊が、強豪社会人チームをクビになり、飲料会社の弱小バドミントン部へ移籍。営業成績もトップで選手としての能力も高い宮澄建とバディーを組むことになる。

 三木さんは作品の印象を「面白い、新しい」と語る。

 「自分のやりたいスポーツだけに時間を使っていられないのが、実業団ならではですよね。会社に属しているので、営業、商品開発と、配属されている部署の仕事を全うしないとクラブ活動へ参加できない。そういう意味で、学生さんや普通のプロスポーツものとは違う部分がある。すごくリアルで、実業団ってこうなんだなと思いました」

 三木さんが演じる宮澄は、営業部に配属された白鳥の先輩で、どこか冷めている白鳥とは正反対の豪快な“おっさんバドリーマン”だ。

 「宮澄は、ざっくりといいヤツだなと。いい意味で空気が読めるから、逆に空気を壊していくこともできるような人ですし、本当に目端が利く。心の距離感の置き方がすごく繊細で、相手を慮(おもんぱか)った上で、周囲とうまくバランスが取れる。僕にとっては、こういう人が弟であったり、親戚の中にいてくれたらいいのになと思える人です」

 収録では、白鳥役の榎木さんとの掛け合いが多いといい、三木さんは共演の印象を「ちゃんとやり取りをしている」と語る。

 「掛け合いでは、事前に自分が台本を読んで作ってきた距離感と、相手が違う距離感でやってきた場合、どちらがどちらに合わせるかは、本能的にやっていかなければいけない。相手のせりふを聴いて、お互い瞬間瞬間で修正していく。それはちゃんと役を理解していないとできないことなんです。榎木君との掛け合いでは『そうくる?』『そこまでくる?』と思うやり取りがある。そういうアプローチをしてくれるのはうれしくなりますね。キャラクターを外から作る人が多い中で、榎木君はちゃんと内側から理解しようとしているんじゃないのかな。絵に合わせるだけじゃなく、ちゃんと人の人生を歩もうとしている役者さんなんじゃないかなと。それはすてきだなと思います」

 ◇「仲間と芝居の話しかしてなかった」新人時代 チームで仕事をするということ

 「リーマンズクラブ」では、白鳥が新人社員として仲間と関わりながら、社会人として成長していく姿も描かれる。バドミントン一筋で生きてきた白鳥は、弱小実業団ゆえに通常の業務が終わった後の限られた時間しか練習に割けないことに憤り、宮澄ら先輩部員に反発することもある。三木さんは、白鳥を見て、自身の新人時代を思い出したという。

 「僕はあんなに厄介ではなかったと思うけど、スタジオで騒いでいる人がいたらイラッとしていたりしましたね(笑い)。白鳥と似ているところもあるかもしれない。仲間がいて、ずっと芝居の話しかしてなかった。みんな厄介なんだけど、それぞれが仕事に対してちゃんとしようと思っていた。みんな最初は、白鳥みたいな感じだったんじゃないかな」

 白鳥については「うぬぼれているところがある」とも感じているという。

 「自分のやりたいことにどっぷりつかりたいのは分かるんだけど、彼の場合はうぬぼれていたところがある。『なんで俺にその時間が用意されないんだ』と。そのことに周りが気付かせてくれるから育っていく。気付かないで反発ばかりしていたら干されちゃいますからね。この作品では、いろいろな側面で成長していくドラマが見られるのではないかなと思います」

 三木さんは、作品の魅力を「キャラクター一人一人が、年齢も会社内の立場もバラバラで背負っているものも違う。社員として一つの会社で働きながら一つのクラブにいる面白さは伝わるんじゃないか」と語る。作品を通して、立場が違う人間がチームとして一つのことに向き合う姿にも、感じ入るものがあったという。

 「チームである以上、メンバーにある程度きちんと興味を持たなくてはダメなんだよね。100%理解することは当然不可能なんだけど、ちゃんと相手のことを慮れるか?というのは、すごく大事なんじゃないかと改めて感じました。それは数値として評価されることではないけど、なんとなく居心地いいなと思ったら、きっと誰かがどこかで先回りしてくれているのかもしれない。自分の居心地のいいことを自分のおかげだと勘違いしちゃうと、そこにはいられなくなる。空気感として相手を理解していかなきゃいけないなと感じました」

 社会人として、実業団選手としてさまざまな経験を経てきた宮澄にも共感する部分があったという三木さん。「それは詳しく言うとネタバレになってしまうので、放送を見てください(笑い)。スポーツものとして皆さんが見たことがない展開があると思います。社会人として生活していく上で何かが達成される。そのドラマを見守ってほしいですね」と見どころを語る。実業団のリアルなドラマに注目だ。

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