本郷奏多:豊富なアクション経験も殺陣は「難しい」 「カムカムエヴリバディ」で若き大部屋俳優

NHK連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」で五十嵐文四郎を演じる本郷奏多さん (C)NHK
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NHK連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」で五十嵐文四郎を演じる本郷奏多さん (C)NHK

 女優の上白石萌音さん、深津絵里さん、川栄李奈さん主演のNHKの連続テレビ小説(朝ドラ)「カムカムエヴリバディ」(総合、月~土曜午前8時ほか)で、若き大部屋俳優・五十嵐文四郎を演じている本郷奏多さん。殺陣も見どころの一つだが、アクション経験が豊富な本郷さんをもってしても、「時代劇の『ザ・立ち回り』っていうものをやったことがない」といい、「殺陣というのは万が一にも刀が相手の役者さんに当たってはいけないんです。お互いが気持ちよく安全にできることが最優先。(アクションと)同じ刀を振るということでも、やっているスポーツが違う感覚で、難しいです」と苦労を明かす。

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 本郷さんが演じる五十嵐は、若き大部屋俳優。時代劇に憧れて東京から京都にやってきたが、上下関係が厳しい撮影所の男社会になじめずにいる。染まらず、こびず、けれど努力は怠らず。自分はスターになれると思い込む生意気で無愛想で、ちょっと頭でっかちな男。ひなた(川栄さん)を、大いにかき乱し続ける……という役どころ。

 今作で朝ドラデビューを果たした本郷さんは「母に『今度、朝ドラ出るよ』と報告したらすごく喜んでくれていました。『毎回見ているからすごくうれしい』と言ってくれたのが、印象的でしたね。朝はなかなか起きられないので、僕自身は“朝ドラ”ってこれまであまり見られなかったんですが、もちろん今回は見ています」という。

 出演発表時は反響も大きかったといい、「特に年配の方や大人の方から『朝ドラ出るんだ、すごいね』と言っていただけたので、やはり一つ朝ドラっていう立ち位置がある、歴史ある作品なんだなと改めて思いました」としみじみ語る。

 演じる大部屋俳優について、「聞いたことはあるけれどそんなに詳しく知らなかった」といい、「いろいろな資料や、実際の大部屋俳優の方のインタビューなどをまとめたものをいただいて参考にしました。独特な文化だなと思いますね。我々のやっている『俳優』とはまた全く違う、いろんな常識、しきたりがあって独特な世界だったんだなと思っています」と感じている。

 共演者に対しては、「ひなた役の川栄さんはすごく元気で、もちろんお芝居もすてきです。『朝ドラのヒロイン!』という感じで、みんなが愛すべきキャラクターを演じられるのがすごく上手だなと感じました。きっとひなたは、放っておけないというか、ちょっとどこか抜けているところがあるんだけど、そこがまた可愛らしいようなキャラクターになっていくんじゃないかと思います」と分析する。

 また、「他にも、虚無蔵さん(松重豊さん)や轟監督(土平ドンペイさん)などキャラクターが立った登場人物が多いので、皆さんがどう楽しんでお芝居されるかっていうのが、僕としてもすごく楽しみですね」といい、「虚無蔵役の松重さんとはお芝居を一緒にさせていただくのが初めて。たくさん作品を拝見していて、すごく好きな俳優さんのお一人なので共演が楽しみでした。撮影でご一緒すると結構ラフに話しかけてくださいます。これから一緒のシーンが多くなるので、松重さんともしっかりコミュニケーションをとって師弟関係を築いていけたらいいなと思っています」と語る。

 ひなたと五十嵐の仲も今後気になるところだが、「夢に向かって生きる若者には若いからこそうまくいかないこともあるのですが、そういう中でたくさん頑張っていくキャラクターがひなたと五十嵐だと思っています。視聴者の皆様にはそんな2人を見て、自分の若い頃を思い出したり、我が子のことを思ったりしながら応援していただけたらうれしいなと思っています」 とアピールする。

 最後に、視聴者に向けて「ヒロインが3世代にわたっていて100年を描くというのがすごく斬新。連続ドラマは最初から最後まで見ないと基本的には分からないような作品が多いと思うんですけど、今回はそれぞれのパートだけでもオムニバスのように楽しめる構成になっているので、『最初から追えてない!』『途中まで見てなかった!』という方でも、ぜひ見ていただきたいですね」とメッセージを送っている。

 「カムカムエヴリバディ」は、朝ドラ史上初の3人のヒロインが織りなす100年のファミリーストーリーで、昭和、平成、令和の時代に、ラジオ英語講座と共に歩んだ祖母、母、娘の3世代親子を描く。上白石さんは祖母の安子役、深津さんは母のるい役、川栄さんは娘のひなた役として、バトンをつなぐ。

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