青木崇高:「分析班」シリーズ初主演も「関われる喜びが大きかった」 「邪神の天秤 公安分析班」

 スタイリスト:小泉美智子/ヘアメーク:NANA
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 スタイリスト:小泉美智子/ヘアメーク:NANA

 俳優の青木崇高さん主演の「連続ドラマW 邪神の天秤 公安分析班」(日曜午後10時)がWOWOWプライム・WOWOW 4K・WOWOWオンデマンドで放送・配信中だ。女性刑事・如月塔子と、鷹野秀昭ら警視庁捜査一課十一係の活躍を描いた大ヒットクライムサスペンスドラマ「分析班」シリーズのユニバース作品となる新作で、青木さん演じる人気キャラクターの鷹野が捜査1課から公安部へ異動し、新たな猟奇殺人事件と陰謀に挑む。シリーズ初主演となった青木さんが、シリーズ初主演の思いや鷹野というキャラクターについて語った。

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  「殺人分析班」は、麻見和史さんの「警視庁殺人分析班」シリーズ(講談社文庫)が原作のクライムサスペンスドラマ。木村文乃さん演じる女性刑事・如月塔子が、鷹野秀昭をはじめとする個性豊かな仲間とともに猟奇殺人という難事件に挑む人気シリーズで、2015年の「石の繭」、2016年の「水晶の鼓動」、2019年の「蝶の力学」が放送され話題を呼んだ。

 今回の「公安分析班」では、シリーズ当初は新米刑事だった塔子の成長を見届け、公安部へ異動となった鷹野が、公安警察を舞台に新たな猟奇殺人事件の解決に向けて奔走する。

 --4作目にしてシリーズ初主演となりますが、決まったときのお気持ちはいかがでしたか。

 3作続いた深く没頭できるこのシリーズをまたやれるということ、関われる喜びが大きかったです。主演ということも、役作りの変化や気負うものは特にありませんでした。というのも、フェーズは変わってきますが、同じスタッフさんたち、信頼を置く演出家の方々だったから。これまでも同シリーズに出演させてもらいながら、今回も相棒と呼べる仲間ができて新しいフェーズを楽しみました。

 --公安部に所属することの変化は?

 警察の中でも全く違いました。いわゆる刑事部は事件が起きてから通報を受けて動くものですが、公安は事件が起こる“前”なんです。事件を未然に防ぐために動いているので、始動のタイミング、事件に対するアプローチが全然違う。真実を暴く、悪者を取り締まるというベクトルは一緒だけど、こうもアプローチが違うものかと。そこに鷹野自身も混乱する部分があるけれど、公安で確立されているシステムのその華麗なこと、俊敏なこと、無駄な動きのなさもエンタメとして面白い。公安がメインに描かれることは今までほとんどなかったと思いますし、描かれたとしてもどこか謎な故に、あまりイメージが湧かなかった。もちろん本当のところはわからない部分もありますが、ここまでど真ん中に据えたドラマってないと思うので、新鮮でした。

 --公安部の鷹野として演じるうえで意識していたことなどありますか。

 鷹野というキャラクターは、表面上は冷静で抑えていますが、つねにアンテナを張り巡らせています。気をつけたのは目の動かし方。(五感の中で)聴覚に集中しているときは目線を外したり、考えて想像している時は目が動いていたり。あとは、ひとつひとつの動作や呼吸などの間の取り方ですかね。いかに緊張と緩和を繰り返し伝えられるかを意識しました。

 --鷹野というキャラクターを演じ続ける中で感じたことは?

 (全10話と)撮影が長くなり、主観的に見ることも増えたので、監督に細かく確認するようになりました。自分の心と近くなりすぎて怖いというか、鷹野だったらこうだろうというのがぱっと出てくるけれども、これが合っているかどうか、不安になったりすることがありました。ただ今までのシリーズの鷹野から“変化していい”と思ったんです。自分の中の“鷹野”にきれいにフレーミングする必要はない、芯を捉えていれば彼自身が気付いていない“彼らしくない”部分が出ても面白いのではないか、それが人間らしさでもあるかもしれない。このシリーズの糧にさらになっていくんじゃないかと感じたことを大切にしました。少し挑戦した部分もあったような気がしています。

 --松雪泰子さんとの共演について

 本当にうれしかったですね。現場の柱になって公安の人間としていてくださって安心感もあり感謝しかありません。松雪さんはじめ、公安チームみなさんが雰囲気を作ってくださっていたから、自分も気持ちよく戸惑うことができた。自分が“異物”になれたんじゃないかと思います。公安チームそれぞれが過去にいろいろ背負っていたりするので、どこまで心をオープンにして話せるか、気を許す相手との距離感は考えました。特に松雪さん演じる氷室さんも鷹野がどういう存在か、最初は知らない。公安という独特な部署柄もあり、すべてオープンにはできないので話数を重ねていく中で、どこまでさらけ出せるかという心情の駆け引きは見せ場でもあるので、その加減は話し合いました。

 --最後にこの作品の手ごたえを。

 大ありです(笑い)。(このシリーズに)どっぷりつかれると信じていますし、そういう作品を作ろうという気持ちでやりました。10話分、まったく中だるみしない構成になっていると思います。「わかりやすい警察ドラマ」では決してなく、テーマも舞台もいまだかつてここまで掘り下げたものはないんじゃないかと思います。時間を忘れて没頭してほしいです、ご期待ください。

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