特撮ドラマ「仮面ライダーオーズ/OOO」の完全新作「仮面ライダーオーズ 10th 復活のコアメダル」(田崎竜太監督)が3月12日に公開される。今回の「復活のコアメダル」はテレビシリーズ最終話の10年後を舞台にした新たな物語で、およそ10年ぶりに再び主人公のオーズ/火野映司役を演じた渡部秀さんと、その“相棒”アンク役の三浦涼介さんに、当時の印象や再会して変化を感じたか、互いの役をどう思っているかなどについて聞いた。
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テレビシリーズ放送当時のお互いの印象を聞くと、渡部さんが「初期、中期、後期でまた変わるよね」と口にし、三浦さんは「そうだね。結構いろいろあって、インタビューでも気を使わせたこともあったチームだと思います」と冗談交じりに応じて笑いを誘う。
10年前の三浦さんとの出会いを振り返った渡部さん。「三浦涼介という一人の人間、役者と出会い、役者人生はもちろん自分の人生においても多大なる影響を与えてくださった方で、“お手本” 。日々学ぶことが多かった」と話し、「最初はなかなか口をきいてくれなかったのですが、今思うとすごく可愛らしいというか、いろんな思いが混ざった、あの時しかなかった“ヒリヒリ感”みたいなものだったのかな。特に初期にはありましたね」と当時の複雑な心境を明かす。
うなずきながら聞いていた三浦さんは、「とにかく気を張っていました。僕も秀君に入ってこられそうになったら“拒絶”していた瞬間もあったと思います」と切り出し、「当時はズカズカと入ってこられちゃうと身を任せすぎて、今のような形にはなっていなかったかもしれない。気を張っていった部分がプラスに働いていたこともあったのでは。なんとなく“若さ故”という感じだったと思います」と語る。
そんな2人が10年ぶりに「オーズ」で“再会”した。渡部さんは「お互いのことを良きライバルであり理解者でもあるというかたちでゴールテープを切れたので、放送終了後からの10年間、良い意味で“りょん君”は変わらない」と話す。
一方、三浦さんは今回の再会で泉比奈役の高田里穂さんから「謙虚になった」と言われたことが印象的と明かし、「謙虚になったみたいです」と言って笑う。
聞いていた渡部さんも「一番笑いが起きた瞬間だった(笑い)」と楽しそうにうなずき、さらに「謙虚というのは語弊があるけど、それは多分みんな一緒だと思う。10年あるといろんなことを経験するし、なかなか10年前と変わらない人はいないと思う。里穂ちゃんは当時(三浦さんのことを)“とがっていた人”と思っていたのかな」とちゃめっ気たっぷりに話す。
良好な関係性であることが伝わってくる2人に、お互いの役を見て憧れるポイントがあるか質問すると、渡部さんからは「いっぱいあります。当時から“嫉妬心”みたいなものはありましたし、アンクというキャラクターは絶大な人気がある」、三浦さんからは「僕もありますね」と期せずして意見が一致した。
渡部さんはアンクについて、「カリスマ性もあるし、アニメやマンガでもそういうキャラクターはだいたい一番人気なことが多い」と表現し、「それが当時くやしくて。『なんでだよ』という思いはありつつ、『“りょん君”がやったらカッコいいしな』とか『このスタイルでこの演技でこの(アンクの)ビジュアルだから成立しているもの』なんだなって」と当時の心境を告白。
さらに、「一回変わりたいと思ったこともある」と続けるも、「もちろんどの役でもそうでしょうが、多分俺がアンク役をやったら全然違うことになる。当時から憧れていましたよね。細かいことを言うといっぱいありますから」とうらやましそうに話す。
渡部さんからの“熱い思い”を聞いていた三浦さんは、「アンクという役は“型から外れられない”というか、そういう表現でしかない面もある。映司は可能性があるし、どういう形にでも展開を持っていける」と役の違いを説明し、「素直に芝居をされている秀君のナチュラル感も魅力的で、僕にはできないと思っていた。僕も同じ気持ちですね。うらやましいというかすてきだなと思う瞬間はありました」と敬意を口にする。
ここで渡部さんが「お互い逆のキャラクターだったら、どうなっていたんだろうね」と水を向けると、三浦さんは「天下獲(と)れていたかもね(笑い)」とちゃめっ気たっぷりに応じ、チームワークの良さをうかがわせていた。
新作は、テレビシリーズ最終話の10年後を描く続編。消滅してしまった怪人アンクの復活と、新たな敵との戦いを描く。映画館で期間限定で上映され、8月24日にブルーレイディスク、DVDが発売される。(取材・文・撮影:遠藤政樹)
※田崎竜太監督の崎はたつさき
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