ティーン向けメディア「Seventeen(セブンティーン)」(集英社)専属モデルで女優の田鍋梨々花さん。連続ドラマ「卒業式に、神谷詩子がいない」(日本テレビ、日曜午後1時45分)では、メインキャストとなる高校生男女6人のうちの1人、安藤しず香を演じている。現在18歳で、16歳のときに25歳に見られたこともあるという大人っぽいルックスも魅力。間もなく、「Seventeen」のテーマソングとダンスから生まれた青春小説が原作の「舞台 Bling Bling by Seventeen」で、初舞台を踏む田鍋さんに話を聞いた。
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田鍋さんは2003年12月24日生まれの18歳。芸能界入りのきっかけは、2016年8月開催の「Seventeen」専属モデルオーディション「ミスセブンティーン2016」で、当時12歳でグランプリに選ばれた。
今でも活動のベースとなっている「Seventeen」は、田鍋さんにとって「アットホームな雰囲気で、本当に落ち着く場所」。理由は「編集部の方たちが、自分たちの好きなものや個性をすごく尊重してくれるから」で、「自分は食べることがすごく好きなので、“食べ物コーデ”という企画も何回かやらせていただいて、そのとき以外でも、撮影で大好きなおにぎりを持たせてくれたりとか(笑い)。そういうささいなところまで見てくださっている印象があります」とスタッフに感謝する。
ちなみに“食べ物コーデ”とは、洋服の色や質感などで食べ物をイメージしたコーディネートのこと。「おにぎりだったら色は白と黒、梅のおにぎりだったらそこに赤が入るんです」と楽しそうに説明する。
一方、女優としては、2017年に連続ドラマ「コード・ブルー~ドクターヘリ緊急救命~THE THIRD SEASON」(フジテレビ系)でが話題になり、その後も、2019年の連続ドラマ「パーフェクトワールド」(カンテレ・フジテレビ系)などを経て、2020年のABEMAのオリジナルドラマ「17.3 about a sex」では、主人公の一人を演じた。
昨年は、島根を舞台にした5分間の連続ミニドラマ「しまねがドラマになるなんて!」(さんいん中央テレビ)で主演を務めた田鍋さんは、女優業について「今までは、自分と違う人間になれることが楽しいと思っていたのですが、最近は役がどうとか関係なく、ただただお芝居をしている時間が楽しくて、その瞬間瞬間が好きだなって感じています」と明かす。続けて「最初はモデルになりたいと、この業界に入ってきたのですが、今はお芝居もすごく楽しいので、モデルと女優、どちらか一つを選ばず、両方続けていきたいです」と思いを語った。
放送中のドラマ「卒業式に、神谷詩子がいない」には、同じSeventeenモデルの茅島みずきさん扮(ふん)する主人公・神谷詩子の同級生・安藤しず香役で出演。同作は、高校生の男女6人による青春群像劇で、茅島さん、奥平大兼さん、中川大輔さん、杢代(もくだい)和人さん、莉子さんとの共演が実現した。
撮影現場の雰囲気は、「同世代が集まってワイワイと、たわいもない冗談を言い合ったり、本当に学校生活みたい」で、「6人一緒のシーンが多かったので、もう分け隔てなく、女子も男子も関係なく、お互いがガーって(笑い)、ずっとおしゃべりしています」と仲の良さをのぞかせる。
ドラマは、夢も希望も目標もなく、明るい未来を思い描けずにいた詩子(茅島さん)が、高校入学時に寺島史也(奥平さん)と出会い、転機を迎える。詩子はダンスをきっかけに史也ら5人の仲間たちと意気投合し、自分たちを「ファンファーレ」と名付けて、ともに時間を過ごす。そして迎えた卒業式。高校最後の大切な日に詩子はいなかった……というストーリーが展開する。
1990年代中盤から2010年ごろまでに生まれた、デジタルネーティブな「Z世代」に向けた作品だが、田鍋さんは「『Z世代』って意識したことはなくて、私たちの世代がそう呼ばれているんだってことも最近、知ったくらい」と自覚はまったくないという。
さらには「自分が今18歳だっていう意識もあまりなくて、年齢はただ付いているもの、数字でしかないのかなって。もちろん、18歳のときにしかできないことってあるとは思うのですが、純粋に“今”を楽しむことができたらなって思っています」と達観していた。
3月24、25日に新宿文化センター(東京都新宿区)で全4公演が開催される「舞台 Bling Bling by Seventeen」では、高校でダンスに打ち込む星(あかり)としてステージに立つ。
田鍋さんにとって初舞台となるが、「もともとあまり緊張しないタイプ」といい、「普段通りにやれたらなって思っています」と気負いは感じられない。
舞台には、現役のSeventeenモデルが多数出演。星(あかり、田鍋さん)と詩(うた、秋田汐梨さん)が中心となって大会での優勝を目指すダンス部に突然、訪れる分断の危機、ライバル校の部長、薫子(かおるこ、永瀬莉子さん)との因縁、星の恋の行方などが描かれる。
田鍋さんは「『Seventeen』で舞台って、今までなかったもので、新鮮ですし、すごく楽しみです。同世代で作る舞台って感じで、ダンスや恋愛、友情など、いろいろな要素が詰まっている舞台なので、もちろん、同世代のたくさんの方々に見ていただきたいし、大人の世代の方々にも懐かしい気持ちで見ていただけると思います」とアピールすると、「舞台は一発勝負。始まってしまえば自分次第なので、とにかく頑張りたい」と本番に向けて気を引き締めていた。