伊藤潤二:傑作集2作品がアイズナー賞ノミネート 5タイトルをアニメ化 声優に櫻井孝宏、朴ロ美、日笠陽子、金元寿子、高森奈津美

「伊藤潤二『マニアック』」の「怪奇ひきずり兄弟 降霊会」の一場面(C)ジェイアイ/朝日新聞出版・伊藤潤二『マニアック』製作委員会
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「伊藤潤二『マニアック』」の「怪奇ひきずり兄弟 降霊会」の一場面(C)ジェイアイ/朝日新聞出版・伊藤潤二『マニアック』製作委員会

 “コミック界のアカデミー賞”とも呼ばれる「第34回ウィル・アイズナー コミック・インダストリー・アワード(アイズナー賞)」のノミネート作品が発表され、伊藤潤二さんの「伊藤潤二傑作集4 死びとの恋わずらい」「伊藤潤二傑作集5 脱走兵のいる家」(ともに朝日新聞出版)の2作品が選ばれた。伊藤さんは、2021年のアイズナー賞で「地獄星レミナ」(小学館)が最優秀アジア作品賞、「伊藤潤二短編集 BEST OF BEST」(同)と「地獄星レミナ」がベストライター、アーティスト部門に選ばれ、日本人作家として初めて2部門同時受賞の快挙を達成したことも話題になった。

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 ノミネートされた傑作集2作品の中から「怪奇ひきずり兄弟 降霊会」「屋根裏の長い髪」「耐えがたい迷路」「いじめっ娘」「睡魔の部屋」の5タイトルがアニメ化されることも発表された。伊藤さんのマンガ20タイトルをアニメ化するプロジェクト「伊藤潤二『マニアック』」でアニメ化される。同プロジェクトは、今年6月に発表されていたが、アニメ化される全てのタイトルは明かされていなかった。Netflixで2023年に配信される。

 アニメ化される5タイトルに声優として櫻井孝宏さん、朴ロ美さん、日笠陽子さん、金元寿子さん、高森奈津美さんが出演することも発表された。「怪奇ひきずり兄弟 降霊会」では櫻井さんが長男・引摺一也役、朴さんが長女・黄子役として出演。「屋根裏の長い髪」では日笠さんがチエミ役を担当する。「耐えがたい迷路」では金元さんが小夜子役、「いじめっ娘」では高森さんが栗子役として出演する。

 櫻井さんは「伊藤潤二作品に出演できてとてもうれしく思っております。エピソードも役柄も奇天烈(きてれつ)で最高。絵の魅力を損なわないよう取り組みたいと思いました」とコメント。演じる引摺一也について「キャラクターの魅力はそのまま絵の魅力だと思っています。怖いのにどこか滑稽(こっけい)なのは唯一無二の世界観。引摺家の不気味さの中にある謎の愛くるしさを表現できたらと思い収録に臨みました」と話している。

 朴さんは「初告白ですが、実は私、伊藤潤二さんのファンなもので、今回オファーをいただいて、またもや震えました(ヒグチユウコさんとのコラボのサメTシャツ持ってます!)。しかも引摺黄子という、これまた厄介な役所で、完全に震えました」とコメント。「とにかく、今回も参加させていただいて思うのは『あぁ、伊藤潤二さん、好きです……』の心です。マンガがそのまま浮き出てアニメになっているような、監督も音響監督もかなりエグ味があります(←私の主観)。なので、皆さま、どうぞどうぞ、お楽しみにしていてくださいませ。ふふふ」と話している。

 日笠さんは「夏ですね! 夏と言えば、伊藤潤二作品! ファンの皆さんお待たせいたしました。伊藤さんから見える世界や、人間。それが具現化された原作。そこに込められた思いをアニメーションとお芝居と音楽で立体的に表現していくことで、また別ジャンルの寒気を生み出せたら良いなと思います。お楽しみに!」とコメントを寄せている。

 金元さんは「どこか不気味な空気をまとったお話やキャラクターの中に、自分も重なってしまうなとふと感じた時、よりゾクッとした恐さと好奇心が芽生えました。皆さまは作品の中で何を感じるのか、ぜひじっくりとご覧いただけたら幸いです」と話している。

 高森さんは「伊藤潤二先生の作品のファンの方も、初めてこの作品に触れる方も、どちらもグッとひき込まれるアニメに仕上がっていると思います。この作品特有の飲み込んだ後もずっと何かじわじわと残る後味を楽しんでいただけたら何よりです」とメッセージを送った。

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