名探偵コナン
#1146「汽笛の聞こえる古書店4」
12月21日(土)放送分
許斐剛(このみ・たけし)さんの人気テニスマンガが原作のアニメ「新テニスの王子様」の約10年ぶりとなるテレビシリーズ「新テニスの王子様 U-17 WORLD CUP(アンダーセブンティーンワールドカップ)」。7月に放送がスタートし、主人公・越前リョーマ役の皆川純子さんらオリジナルキャスト、各国代表選手を演じる新たなキャストの熱演が話題になっている。U-17 W杯準々決勝の日本対フランス戦では、同作の“王子”リョーマとフランス代表の高貴な血筋に生まれた正真正銘の王子、プランス・ルドヴィック・シャルダールが激突する。リョーマ役の皆川さん、プランス役の花江夏樹さんに収録について聞いた。
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皆川さん またテレビでやれるの?という驚きのほうが大きかったですね。あとから、やった!とうれしさがじわりと来た感じでした。
花江さん 僕は小学生のころにテニスを習っていて、みんなでマンガの「テニスの王子様」を読んで、技やせりふをまねしていた世代なんです。そんな作品に参加させていただけるということが本当にびっくりでしたし、うれしかったです。昔からどのキャラクターも「本当に中学生か?」と思っていたんですけど(笑い)、こうやって同じ年代に配役されるっていうことがすごいことだなって。これは声優じゃないと実現しないことだなと思って。
皆川さん 小学生のころに見ていた方と同じ年代の役で共演するんだから不思議ですよね。
花江さん 当時、マンガを読んでいたころは、僕は本気でこういう技があって、本当にできるんだ!と思っていたんです。海堂(薫)のスネイクとか実在する技もあったので、みんなでいっぱい練習して。リョーマの1本足のスプリットステップとか、大石(秀一郎)と菊丸(英二)のオーストラリアンフォーメーションとかやってみたりしていたんです。
皆川さん 懐かしい!
花江さん でも、菊丸が分身した時に「これはまねできなくなってきたぞ」と(笑い)。そこからは、この人たちがどれだけすごい試合をしてくれるのか、ドキドキしながら見ていました。ワンシーンだけ見ると、ちょっと面白く見えちゃうかもしれないですけど、スポーツマンとしてすごく熱い思いがぶつかり合っている。そこが「テニプリ」のすごくバランスがいいところだなって。
皆川さん 素晴らしい! ありがたいですね。花江さんという今をときめくスターが「テニプリ」に来てくださったことも純粋にうれしかったですし、しかもリョーマの対戦相手ということで「うっしゃ!」となりました。花江さんのように当時小学生で見ていた方が成長して、ご活躍されて、今度は同じ仲間として、プレーヤーとして一緒にできるということが、この作品のすごさを物語っているなと思います。ここまで応援してくださった方に改めて感謝ですね。
花江さん 収録は結構難しかったですね。まず、馬上テニスから始まるので(笑い)。
皆川さん 原作を読んだ時もビックリしました。馬!?って。
花江さん 最初は、僕もテニスをやっていただけにリアルな呼吸とか、息遣いをちょっと意識しかけたんですけど「いや、違うな」と思って(笑い)。
皆川さん それをやってたら多分できない(笑い)。
花江さん そうなんですよね。収録前に監督や音響監督と打ち合わせをした時も、プランスはすごくキャラが立っているので「思いっきり濃いめにやっちゃってください」ということになって。一つ一つのせりふを立てて言う意識でやってました。彼のせりふ回しが結構面白いんです。リョーマに対して「お前、その娘(桜乃)の何なのさ?」とか。そういうせりふを真剣に言うのが面白さにつながるなと。
皆川さん 花江さんの「その娘の何なのさ?」はめちゃめちゃ格好いいですよ。でもすごく面白い(笑い)。花江さんが演じられていることで、プランスの持つ王子要素はいかんなく発揮されていて、すごく愛すべきキャラになっていますし、リョーマとしてもついつい応援したくなるような純粋さがありました。リョーマとプランスはいい友達になりそうだなって。馬上テニスの収録は面白かったですね。
花江さん 面白かったです。こっちは真剣にやっているので、それがちょっと面白いですよね。
皆川さん もちろんキャラたちも本気だし、私たちも本気で収録している。でも、はたから見るとシュールで面白い。
皆川さん 花江さんと私はお互い「負けらんない!」と思いながら、本当にキャラと気持ちがシンクロしながらやっていたと思います。格闘ですよね。
花江さん 本当に打ち合いがすごかった。まさに死にかけるぐらいの。
皆川さん 死にかけてましたから(笑い)。
花江さん ずっとリョーマをアニメ、マンガで見ていたので「勝てるかな?」と。やっぱり並大抵の気持ちじゃ勝てないと思ったから、全力で全部のせりふを言わなきゃなっていう。
皆川さん そうでした。花江さんから敬意を感じました。「全力で行きます!」という感じで。
花江さん 本当ですか? よかったです。いや、本当にリョーマの「まだまだだね」を隣で言われた時に、戦ってる最中ですけど泣きそうになって「うわ! 本物だ!」って。それがすごくうれしかったです。
皆川さん 光栄です。20年間やってきてよかった。「まだまだだね」を使う場面もそれぞれあるので、その時に応じて演じてはいますが、基本的な心持ちは20年間何も変わっていないので。
花江さん 変わっていなかったです。最高でした。
花江さん 僕はやっぱりリョーマのイメージです。学生の時にジャンフェス(ジャンプフェスタ)とか昔の映像を見たんですけど「リョーマって、女の人が演じているんだ」って衝撃を受けたんです。人によっては、声を張った時に「(演じているのは)女性かな?」と感じる場合もあるかもしれないんですけど、それを全く感じさせないのはすごいことだと思うし、格好いいなって。
皆川さん うわぁ……超うれしい。ありがとう、花江さん! 本当にそこを大事に、目標にして今まで演じてきたんです。少年を演じる以上、女を感じさせたくない!と。「女の人がやっていたんだ」と驚かれるのは、本当に声優冥利に尽きるというか。今、本当に最高に舞い上がっています。うれしい言葉でした。超うれしい! 昔は女性が演じていたような役を男性が演じる今の風潮もありますが、女性が演じる少年には絶対に魅力があると思っているので、そこはこれからも突き詰めてやりたいと思っています。
皆川さん こういうポジションになるべくしてなった人だなと感じます。やっぱりセンス抜群ですよね。そして真面目。
花江さん 真面目に見えますか? よかったです。
皆川さん 多分、すごくお忙しいとは思うのですが、一本一本手は抜かないという姿勢を感じます。あと、声優としてのうまさ。本当に変幻自在。
花江さん いや、でも悩むこともあります。今回の「新テニスの王子様」のようなめちゃくちゃ個性がとがっている役は、今まであんまり演じてきていなくて。「どうやって個性を出していこう?」というのが、ここ5年ぐらいの課題なんです。これまでは等身大で演じる役が多かったので。
皆川さん 正統派ですもんね。
花江さん 一つ武器になるようなものを身につけたいと思ってた矢先で「新テニスの王子様」に出演することになって。だから、今回、自分の中ですごく勉強になったし、楽しかったなって思います。
花江さん フランス代表は、個性がめちゃめちゃ強いので、皆様に楽しんでいただけるんじゃないかなと思っています。僕はやっぱり青学を応援しがちなんですけど(笑い)、フランス代表もぜひ皆さんに好きになっていただいて、応援していただければなと思います。
皆川さん 私以上に、きっとファンの皆さんは10年ぶりのテレビアニメ化を喜んでくださっていると思います。本当に、いつもありがとうございます。期待を裏切らない「テニプリ」感満載の作品になってますので、期待を胸いっぱい膨らませて放送を楽しんでいただけたらと。必ず楽しいものをお届けします。
新作アニメ「新テニスの王子様 U-17 WORLD CUP」は、「ジャンプSQ.」(集英社)で連載中の「新テニスの王子様」が原作。2014年にリリースされたOVA「新テニスの王子様 OVA vs Genius10」の後の物語で、リョーマたちがU-17 ワールドカップに挑む姿が描かれる。毎週水曜深夜0時にテレビ東京ほかで放送。
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