ダンダダン
第7話「優しい世界へ」
11月14日(木)放送分
「週刊少年マガジン」(講談社)で連載中の金城宗幸さん原作、ノ村優介さん作画のサッカーマンガが原作のテレビアニメ「ブルーロック」。原作は累計発行部が1000万部を突破し、第45回講談社漫画賞の少年部門に選ばれた話題作。アニメは豪華声優陣が出演し、人気声優の斉藤壮馬さんが人気キャラクター・千切豹馬(ちぎり・ひょうま)を演じることも話題になっている。「一番演じたいと思ったのが千切だった」という斉藤さんに、同作やキャラクターへの思いを聞いた。
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「ブルーロック」は、「週刊少年マガジン」で2018年から連載中。日本をサッカーW杯優勝に導く“絶対的エースストライカー”を誕生させるための国を挙げた“ブルーロック(青い監獄)”プロジェクトがスタートし、集められた300人の高校生が戦いを繰り広げることになる。ストライカー300人の生き残りをかけたバトルロイヤルを描くという斬新な設定、個性的なキャラクターが人気を集めている。テレビ朝日の深夜アニメ枠「NUMAnimation(ヌマニメーション)」で放送中。
斉藤さんは、独特の世界観にハマり、原作を一気に読んだという。
「振り切った設定で、サッカーを題材にしていながらもそれだけにはとどまらない魅力があります。オーディションに向けて、ひとまず該当シーンまで読もうと思ったのですが、次の展開が気になってページをめくる手が止まらなくなり、最新刊まで一気に読みました。一番演じたいと思ったのが千切だったので、出演させていただくことになり、すごくうれしかったです。たくさん魅力的なキャラクターがいる中で、もう一度本気で走りたいけど、脚に不安を抱えているところに共感しました」
千切は“とある理由”によって、自分の武器をチームメイトに隠している。挫折した過去もある。斉藤さんは、千切に共感するところもあったというが……。
「挫折という意味での共感でいえば、彼のようにフィジカルなケガはなかったんですけど、自分も思うように生きられない経験をしたことはあったので、そこに共感しました。共感したから彼の声を担当したいというよりは、単純にキャラクターとしてすごく魅力的に感じたのです。ほかのキャラクターと違って、序盤は(主人公の)潔(世一=いさぎ・よいち)たちほど熱量が高まっていません。でも、彼にも熱くなる瞬間があります。そのシーンを原作で読んだ時、このキャラクターの声を担当したい!と強く思いました」
千切は、わがままで周囲から「わがままお嬢」と呼ばれることもある。中性的にも見えるが、斉藤さんはどのように演じようとしたのだろうか?
「役作りに関してはオーディションの時からそこまで変えていなくて、現場でも根本的な方向性に対するディレクションはありませんでした。作中で“お嬢”と呼ばれていますが、スタッフの皆さんのイメージとしては、中性的な感じではないのかな?と感じます。僕もオーディションの段階から声を高く作ってはいませんでしたが、音色、せりふ回しなどを含めてシャープな感じの芝居になっているかなと思います。千切は、物語が進むにつれて、いろいろな表情を見せます。試合のリアルな呼吸感もあれば、もっと熱く!となったり、逆にクールに攻める!となったりと細かくディレクションをしていただいています。それを忠実に表現しようとしています」
主人公・潔世一役に抜てきされたのは、新人声優の浦和希さん。同じく新人声優の海渡翼(かいと・たすく)さんが人気キャラクターの蜂楽廻(ばちら・めぐる)を演じる。さらに、小野友樹さん、中澤まさともさん、松岡禎丞さん、千葉翔也さん、仲村宗悟さん、神谷浩史さん……と豪華声優陣が集結した。斉藤さんは収録の様子を「すごくいい雰囲気です」と話す。
「浦君は朗らかで、ハキハキとしていて、座長としてもそうですけど、人間としてもすてきです。浦君と別日の収録があって、スタッフの方たちが、浦君の大きい声が聞こえないと、ちょっと寂しいな……と“浦ロス”になっていたこともありました。彼の明るくポジティブなエネルギーが、現場をすごくいい雰囲気にしてくれています。僕は、海渡翼君、小野友樹さんとも一緒に収録しているんですけど、浦君と小野さんがすごく現場を明るくしてくださっているのが、印象的ですね。翼君は、穏やかに見守っています。いい雰囲気なんです。分散収録の中でもすごく気合が入っています」
斉藤さんは、コロナ禍で大人数での収録は難しく、分散収録が多くなっている中で感じていることがある。
「スポーツを題材にしていて、気持ちや言葉のぶつかり合いがある作品ですが、必ず全員一緒に収録できるわけではありません。僕は掛け合いをする中で、誰かが一でも何かをくれたら、いかようにもできるタイプなんですけど、誰もいなかった場合でも、内から熱さを生み出さないといけません。この作品のみならず、分散収録になったこの数年間の自分の一つの課題だと思っています。その場、その瞬間でしか生まれないものが必ず存在しますが、状況的にできないから、いい芝居ができない……となっては意味がありません。なので、今の状況で何ができるのかを考えながら収録をしてきました。今回も千切の熱さを自分の中からどうやって生み出せるのか?と挑戦している最中です。熱さをちゃんとお届けできるように演技力を磨いていきたいと思っています」
「ブルーロック」は“エゴ”が一つのテーマになっている。斉藤さんは自身にも“エゴい”ところがあるという。
「結構、かたくなな性格だなと思っています。姓名判断、占いとかでも大体、頑固と出るんですよ。声優をすることになり、柔軟であることの大切さを理解できたんですけど、子供の頃にさかのぼればさかのぼるほど、エゴい少年だったと思います。例えば工作で、自分はこれが作りたい!と明確にあるタイプで、作り終えないと気が済まないみたいなところがあったりして。いまだに、今日は絶対におすしが食べたい!となった時に、何としてでも食べようとしたり(笑い)。『ブルーロック』のキャラクターほど極端ではありませんが、近いものは持っているのかもしれません」
さまざまなキャラクターのエゴが描かれている中で、斉藤さんが千切以外で気になったキャラクターが御影玲王(みかげ・れお)だ。玲王は、大企業・御影コーポレーションの御曹司。サッカー歴半年ながら桁外れのサッカーセンスを誇る凪誠士郎と共にW杯優勝を目指して、サッカーを始める。
「もちろん玲王ほど裕福な家庭で育ってはこなかったんですけど、自分も昔から器用貧乏なところがあると思っていて。凪というサッカーで自分よりもはるかに優れた天才がいて、玲王はサッカープレーヤーとして突出したオンリーワンな武器があるわけではない。そこにすごく共感しました。それなりにはできるけど、本当に才能がある人、本当に努力を続けてきた人には勝てないといいますか。ある意味、人間くさくて好きですね。原作をお読みの方はご存知かと思いますが、玲王の変化、成長するエピソードにグッときました」
斉藤さんが語るように「ブルーロック」にはあくが強く、唯一無二の個性を持ったキャラクターが続々と登場する。個性的なキャラクターがアニメになって動き出すと、どうなるのか?
「設定もいい意味でぶっ飛んでいますし、出てくるキャラクターたちが本当に個性的です。刺激的で濃い味付けのおいしい作品だと思っています。作品のコンセプト自体が突き抜けているところが最大の魅力なので、毎日がもの足りない、刺激が強いものを欲している方にぜひ見てほしいですね。原作は、エゴモードの目の表現がすごく印象的ですが、アニメでも丁寧に忠実に表現されていて、原作へのリスペクトを感じています。大画面で見たくなるような画(え)作りにもなっています。環境が許す限り大きいスクリーン、よい音響でアニメ『ブルーロック』の世界を堪能してほしいです」
個性的なキャラクターを演じる斉藤さんら豪華声優陣の演技にも注目してほしい。
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