かぐや様は告らせたい:古賀葵&小原好美&富田美憂の“チームワーク” 部活のような仲の良さ 新作で「新しい表情」も

アニメ「かぐや様は告らせたい-ファーストキッスは終わらない-」で声優を務める(左から)小原好美さん、古賀葵さん、富田美憂さん
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アニメ「かぐや様は告らせたい-ファーストキッスは終わらない-」で声優を務める(左から)小原好美さん、古賀葵さん、富田美憂さん

 赤坂アカさんの人気ラブコメディーマンガが原作のアニメ「かぐや様は告らせたい」の新作「かぐや様は告らせたい-ファーストキッスは終わらない-」が、12月17日から劇場で特別上映される。四宮かぐや役の古賀葵さん、藤原千花役の小原好美さん、伊井野ミコ役の富田美憂さんに、同作への思いや声優陣のチームワーク、新作の見どころなどを語ってもらった。

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 ◇「かぐや様」で人生が変わった

 「かぐや様は告らせたい」は、秀才の集う秀知院学園を舞台に、「自分から告白したら負け」と互いに考えている生徒会副会長の四宮かぐやと生徒会長の白銀御行が相手に告白させるために知略を巡らせるラブコメディー。「増刊ミラクルジャンプ」(集英社)で2015年6月号~2016年2月号に連載された後、「週刊ヤングジャンプ」(同)に移籍し、11月に最終回を迎えた。テレビアニメは第1期が2019年1~3月、第2期が2020年4~6月、第3期が4~6月に放送。人気グループ「King & Prince」の平野紫耀さん、女優の橋本環奈さんが出演する実写映画も公開された。

 --新作が制作されると聞いた時の率直な気持ちは?

 古賀さん 新作が制作されると聞いた時は、第3期の続きと、動いているかぐやたちが見られるのがうれしくて「やったー!」という気持ちが大きかったです。ここからは原作でも大好きなシーンや「ウルトラロマンティック」からのかぐやと会長の決着が描かれているので、それが見られるうれしさがあり、第3期の時とは違う緊張感もありました。

 小原さん 純粋にうれしかったです。第3期までこのスパンで続けられるってすごいことだと思うし、改めてすごい作品に出させていただいているんだなと思いました。応援してくださっている方あってのことだと思うので、身が引き締まる思いです。内容も、メインの2人の進展という気になる部分なので、かぐやチーム一同、気合を入れて臨もうねと話していたのを覚えています。

 富田さん 続きができるのはうれしいです。途中から生徒会に入ったので、第3期の最終回を録(と)り終わった時に「あ、これで終わっちゃうのはすごく寂しいな、もっとやりたいな」と思っていたので「やった! まだある!」という気持ちが大きかったです。

 --これまでの3期を振り返って、どのような思いがありますか?

 小原さん 第1期はもう不安だったんです。作品が面白いが故に、演じることへのプレッシャーがあって。アニメを好きって言ってくださる方に知っていただける大きなきっかけになった作品なので、楽しむのと同時に「どこか自分の人生がかかっている」ような感覚で駆け抜けて、それがいい意味で1~12話に収まっていて、ストレートにお客様に伝わったのかなと。それが実を結んで第2期につながって、新しい仲間が増えて、勢いも増して第3期に続いたのかな、と思います。

 古賀さん 役に魂を吹き込んでいるキャストのパワーもそうですし、何より一緒に作ってくれているスタッフさんたちの熱量や愛情をめちゃくちゃ感じています。我々が「こういうのやってみたい」と言うと「いいね」と言ってくださる皆さんがいるからこそ、ここまで続いたんだろうなと。キャストもスタッフさんもみんな仲良しで、会話がある作品なので、すごくいい現場だなと思います。ここちゃん(小原さん)も言っていましたけど、「かぐや様」によってすごく人生が変わったと思うので、私を語る上で絶対に外せない作品になっています。

 富田さん 役者として成長させていただいてる部分はすごくあります。キャスト一人一人が毎回200%をアフレコで出してくれるので、皆さんに引っ張られて自分のお芝居もいい方向にいっていると感じます。家で準備していたものより圧倒的に現場でいいものが出せているのかなと思いますし、人間的にもこの作品に出会って変わったなと思っていて……。こんなにスタッフさんもキャストも分け隔てなく仲がいい現場っていっぱいあるものではないと思うし、この作品に出会って、ちょっと明るくなった気がしています。すごく前向きにさせてくれたというか、「人間にしてくれたな」って思いました(笑い)。

 ◇キャストはキャラクターと似ている?

 --キャスト、スタッフの皆さんがすごく仲がいいというお話がありました。声優陣のチームワークについて教えてください。

 小原さん 仲がいいということは事実で、みんな個性がバラバラなんですよね。本当にキャラクターと一緒で、個性もバラバラ。男女も関係なく、部活動みたいです(笑い)。そんな関係性がずっと続いている感じですね。イベントなどで稼働するのは生徒会メンバーの5人が多いのですが、その五角形がそろった時の空気感は気持ちがいいです。誰かが発言したら乗っかり、誰かがこけたら回収する、みたいな(笑い)。それを全員でやるのが、ほかの座組にはない魅力かなと。それは演技においては本気、という信頼関係があってこそのことだと思います。

 富田さん 私は、最初はやっぱり転入生みたいな気持ちだったんです。新しいクラスに突然入っていくようなテンションだったんですけど、現場に入った時にここちゃんが一番に「タメ口でいいよ!」って言ってくれて。あおさん(古賀さん)、古川(慎)さんは、以前から現場でお会いしている方々だったので、改めてよろしくお願いします、という空気感でした。始まって半年ぐらいは「みんな仲がいいな。いいな」という気持ちはあったんですけど、気付いた時には、もう落ち着ける場所になっていました。

 古賀さん アフレコでも、みんながいるからかぐやとしてマイク前に立てる、というところがすごくあります。お芝居的にもすごく信頼できるし、向き合い方も本当に皆さんのことをリスペクトしています。あと、キャラクターと役者さんがすごく似ているな、と思っていて。藤原は「わーっ」とフレンドリーな感じを出すけど、ここちゃんがまさに現場でそうで……美憂ちゃんが入ってきた時も、多分気を使ってはいないんですよね。

 富田さん 人たらしなんです(笑い)。

 古賀さん ここちゃんは、仲間に入れる最初の一歩のようなことを、自然とできちゃうんですよね。第1期が始まった時も、最初に話しかけてくれたのはここちゃんだったし。ここちゃんが人と人との緩衝材というか、間に入ってくれることで輪が広がっていく。そういうところがすごく藤原っぽいなと思います。ミコちゃんも、最初はすごく野良猫のような「近寄るなー!」みたいなイメージがあって……。

 富田さん (笑い)。

 古賀さん ミコちゃんは、最初のころは虚勢を張っているようなシーンも結構あるんですが、だんだんみんなと触れ合っていくうちに心を許してくれているな、とちょっとずつデレの部分が見えてくる。「あ、不器用なだけだったんだ」とだんだん見えてくるところが、まさにすごく美憂ちゃんっぽいなと。そういうところを見ているといとおしいし、もう笑ってくれているだけでうれしいなと。ここちゃんが美憂ちゃんに「ねえ、なんて呼んだらいい? 私はここちゃんでいいよ」と言っているところも、しっかり見ているから(笑い)。

 小原さん 盗撮していたよね(笑い)。

 古賀さん 白銀御行役の古川さんは、自然に引っ張っていってくれる力を持っていらして、ここぞという時にグンと引っ張ってくれる。大事なシーンで背中を押してくれるお芝居をしてくださり、その後すぐに休憩で、すっと離れて多くを語らない感じが、会長と重なる部分もあります。石上優役の鈴木(崚汰)君も内に秘めている熱い部分が石上っぽい。(イベントの)奉心祭の時に裏側で円陣を組んだんですけど、最初の円陣の掛け声を鈴木君がやってくれて、ビリビリっときて気合が入りました。こんなに頼りになる方々と1期から3期までやれていたんだと考えると「本当にこの人たちに会えてよかった」と思うし、もう本当に、本当に、本当に、本当にありがとう! みんなと一緒にやれてよかった! と思いました。

 ◇新作はかぐやの新しい表情に注目

 --新作の見どころは?

 古賀さん かぐやは今回、今まで見せなかった表情がたくさん出てくるので、そういうところも楽しんでいただき、なぜその表情がよく出てくるようになったのか……ということにも注目していただけたらうれしいです。ラストにかけてのかぐやと会長のシーンはすごく考えさせられて。こういうふうに思える相手がいるって、すごくすてきなことだなとも思いました。みなさんも自分にとってのそんな存在を考えながら見てもらえたら、もっと思い出に残るのかなと思います。

 小原さん 新作はクリスマスに向けての話なので、どの子も楽しそうです。ただ、藤原も「みんな調子に乗ってるな」という調子に乗るギアが入っていて。第1~3期も1話はバラエティーのギアが入るので、同じ始まり方だなと思わせつつ、かぐや様の心の変化というパートに入っていくので、「あ、『かぐや様は告らせたい』ってこういう話だったな」というジェットコースターに乗れるのかなと思います。

 富田さん 先日の奉心祭の時に、今作のキービジュアルを私たちも初めて見たんですけど、そこに映っていたミコが女すぎて!(笑い)。今までは後輩ということもあり、あどけない可愛らしい感じがあったんですけど、すごく女性の顔になっていたので、そこが本編でどう踏襲されているのか楽しみにしていただければと思います。(取材・文・撮影:河鰭悠太郎)

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