ぼっち・ざ・ろっく!:“喜多ちゃん”長谷川育美が語る神回 「あのバンド」「ギターと孤独と蒼い惑星」ライブの緊張感

「ぼっち・ざ・ろっく!」で喜多郁代を演じる長谷川育美さん
1 / 3
「ぼっち・ざ・ろっく!」で喜多郁代を演じる長谷川育美さん

 「まんがタイムきららMAX」(芳文社)で連載中のはまじあきさんの4コママンガが原作となっているテレビアニメ「ぼっち・ざ・ろっく!」の最終回となる第12話が12月24日深夜、TOKYO MXほかで放送される。原作が人気だったこともあり、アニメの放送前から話題にはなっていたが、放送が始まると人気が爆発。アニメが放送される毎週土曜深夜には、SNSで関連ワードがトレンド入りするなど人気を集めている。中でも“神回”と話題になったのが、劇中バンド「結束バンド」が初めて4人でライブに挑んだ第8話「ぼっち・ざ・ろっく」だ。結束バンドのギターボーカルの喜多郁代(喜多ちゃん)役の長谷川育美さんに神回の裏側を聞いた。

ウナギノボリ

 ◇ライブシーンとCDは違う「あのバンド」

 「ぼっち・ざ・ろっく!」は、2018年から連載中の音楽マンガ。ギターを愛する孤独な少女・後藤ひとり(ぼっちちゃん)が、ひょんなことから伊地知虹夏が率いる結束バンドに加入することになる……というストーリー。

 第8話では、結束バンドの4人がライブハウスSTARRYで初のライブに挑んだ。1曲目の「ギターと孤独と蒼い惑星」は、緊張もあって歌、演奏がボロボロで、不穏な空気が流れる。空気を変えたのは、ひとりだった。ひとりは「このままじゃイヤだ!」と突如、ギターを演奏し、メンバーを引っ張る。2曲目の「あのバンド」で素晴らしい歌と演奏を聞かせ、ライブを成功させる。

 12月28日に発売される結束バンドのアルバム「結束バンド」には「ギターと孤独と蒼い惑星」「あのバンド」が収録されるが、アニメで流れたバージョンとは違う音源が収録されるという。

 「CDに収録される『あのバンド』のフルバージョンとアニメで流れたライブバージョンは違う音源です。CDの『あのバンド』のレコーディングの日、ライブバージョンも録音しました。ぼっちが流れを変えましたが、まだ緊張が残っていて、本調子に戻りきれてなくて、ぼっちにあっけにとられていることを踏まえて歌いました。CDと聴き比べてほしいです」

 ◇急きょ一発録りの「ギターと孤独と蒼い惑星」

 ライブで失敗した「ギターと孤独と蒼い惑星」もCDには別バージョンが収録される。

 「ライブバージョンの『ギターと孤独と蒼い惑星』はアフレコ現場で録(と)ったんです。後で歌だけを録るのではなく、アフレコの流れで収録しました。持っていた台本を一度閉じて、歌いました。実は当日、急に決まったんです。前半のAパートのテストが終わって、音響監督さんに『歌も録っちゃおう!』とその場で言われたんです。急きょ、ライブで失敗したバージョンを練習なしで録音しました」

 長谷川さんは突然の出来事に驚き、緊張しながら歌った。

 「今になって思うことですけど、事前に練習していたら、あの感じは出なかったかもしれません。リアルに緊張していたんです。いろいろな反響をいただいて、よかった……と安心して、自分で自分を褒めました(笑い)。難しいんです。喜多ちゃんは歌がうまい子です。わざと音痴に歌うこともできますが、そうではなくて、歌がうまいというベースがある中で、緊張、不安で実力が出せないことを表現しないといけませんでした。私も歌っていて、どんどん緊張して、どうしよう!どうしよう!という気持ちになり、場の空気にのみ込まれながら歌いました。アフレコスタジオがSTARRY(ライブハウス)状態になりました。一発録りでした。もう一回やってほしいと言われてもできません。覚えていません。無理です」

 失敗した「ギターと孤独と蒼い惑星」は、ヒリヒリしたような緊張感が伝わってくるようなリアルさがある。長谷川さんは「演奏もわざとズラしているんです。すごく難しいことですが、とことんこだわった作品だと改めて感じました」とも話す。

 第8話の演奏シーンだけではない。「ぼっち・ざ・ろっく!」は、スタッフ、キャストが細部までこだわり抜いている。だからこそ、多くの人を魅了しているのだろう。24日深夜に放送される最終回にも期待が高まる。

写真を見る全 3 枚

アニメ 最新記事