寺田心:「満足した時点で終わり」 厳しい自己評価で突き進む役者道 将来は獣医師との“二足のわらじ”

寺田心さん
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寺田心さん

 映画「鋼の錬金術師 完結編 復讐(ふくしゅう)者スカー/最後の錬成」(曽利文彦監督)やNHKドラマ「ひきこもり先生 シーズン2」など、2022年も話題作に出演した俳優の寺田心さん。子役として人気を博した彼も、来年度からは中学3年生だ。役者、学業、部活に励み、そして夢と語る“獣医師”に向けての取り組みに迫った。

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 ◇役者も続けさせていただいた上で… 獣医師への思い

 「お仕事でもさまざまな作品に出演させていただき、ありがたい1年でした」と充実ぶりを語る寺田さん。「学校では後輩ができたことが大きかったです。部活のバスケットボール部では、『寺田先輩』だったり『心』と呼んでくれる後輩もいて、すごく楽しいです」と笑顔を見せる。

 2022年12月6日に放送されたトーク番組「徹子の部屋」(テレビ朝日系)で、将来は「獣医師になりたい」と明かしていた寺田さん。小学3年生の頃に殺処分ゼロを願って作られた絵本「ある犬のおはなし」を読んで保護犬の存在を知り、獣医師になりたいという思いを抱いていった。

 中学生になってから保護犬を引き取り、2022年に入り、さらにもう1匹引き取った。実際に保護犬を飼育すると「病院に行く回数が本当に多い」といい、「獣医師になって動物の保護施設を建てたいと思ったのも、自分で診ることに意義があると思いました。役者としても活動しながら、獣医師になりたいと思っています。高校に行き、大学に行き、役者も続けさせていただいた上で、“二足のわらじ”で頑張りたいと思っています」と熱い思いを語る。

 ◇家族全員で作品を見返すことも 日々の努力で「感動を与えられる役者に」

 「ひきこもり先生 シーズン2」では、母子家庭で母は介護が必要な状態のヤングケアラーという松田篤人を演じた。普段から料理をする寺田さんだが、同作に出演するにあたり、すべての家事をするようにした。

 そういった経験から「お芝居では、より役になりきった演技ができるようになったと思います。台本をしっかり読み込んで、演じる役柄のことを理解して、役として生きるという部分が2022年の成長だと思います」と話す。

 最も、いきなりできるようになったのではなく、そこには日々の努力があったから。「自分が出ていた作品を見返して、『ここが良かった』というのを家族全員で見ながら話をします。母や祖母からは感想やアドバイスをもらうこともあります」と明かす。

 芸歴は10年以上で、経験も豊富だが役者としての自己評価は「まだまだ」と納得はしていない。目指すは、見ている人が“寺田心”ということを忘れられるくらい、没頭させる演技を披露すること。「役を通して、人に感動を与えられるような役者になりたいと思っています」と意気込む。

 これまでの経験で、「手応えを感じる演技ができたか」と問うと、「僕は、絶対に満足してはいけないと思っているんです。家族から評判が良かったりすることもありますが、そこで満足してしまうとやらなくなると思うんです。『今と同じ努力でいい』では、役者として先に行くことはできない。満足した時点で終わりだと思ってます」と厳しい言葉を自分に投げかける。

 さらに「もっともっと人に感動を与えられるお芝居だったり、共感してもらえるようなお芝居をするにはどうすればいいのかを考え続けています。頑張ったということはあっても、満足できたということは1回もないです。この先もないと思います」と語った。

 ◇「お芝居は、一生、命を懸けて取り組みたい」

 役者として、人として、もっと大きな人間になることを目標としている寺田さん。そんな彼に2023年の目標を聞くと「料理の資格を取りたいです。料理全般のライセンスは取得しましたが、ケーキ部門やパン部門などいろいろ部門があるので、資格を増やしていきたいです」と満面の笑みを見せる。

 さらにアニメにもハマっているといい「声優さんのお仕事もやってみたいです。中学生になってアニメをたくさん見るようになって、こういう声を僕も表現することはできないかなと思っています。悪役もやってみたいですね。鋼の錬金術師では悪役でしたが、これからもいろいろな役に挑戦していきたいです」と目を輝かせる。

 そんな寺田さんに、好きな言葉を聞くと「一生懸命」との答えが返ってきた。「一生懸命って、いろいろな意味があると思うんです。お芝居は、一生、命を懸けて取り組みたいと思っているので、自分とリンクしている気がして。これからも、一生懸命頑張りたいです」と力を込めた。

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