高野麻里佳&石原夏織:アニメ「おにまい」で“兄妹”に 2人の安心感 現場の空気感を大切に

「お兄ちゃんはおしまい!」に出演する石原夏織さん(左)と高野麻里佳さん
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「お兄ちゃんはおしまい!」に出演する石原夏織さん(左)と高野麻里佳さん

 「月刊ComicREX(レックス)」(一迅社)で連載中のねことうふさんのマンガが原作のテレビアニメ「お兄ちゃんはおしまい!(おにまい)」が1月5日からAT-X、TOKYO MX、BS11で放送される。ダメニートの緒山まひろが、天才科学者の妹・みはりに飲まされた怪しい薬で女の子にされてしまい、女の子としての生活に苦戦しつつも、引きこもりから卒業しようと奮闘する姿を描く。ドラマCD版と同じく高野麻里佳さんがまひろ、石原夏織さんがみはりを演じることも話題になっている。“元お兄ちゃん”、天才科学者の妹をそれぞれ演じる高野さん、石原さんに同作について聞いた。

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 ◇“元お兄ちゃん”役でおじさん化!?

 --原作を読んだ印象は?

 高野さん 衝撃的で、発見ばかりでした。お兄ちゃんが女の子になってしまい、ジェンダーギャップを学べるところもありますし、楽しかったです。なぜ、ねことうふ先生は、女の子の気持ち、男の子の気持ちの両方を熟知しているんだろう?とすごく気になりました。女の子ならではの悩みもたくさん描かれていて、男の人にも読んでいただきたいです。

 石原さん お兄ちゃんをよくしようと思って、女の子にして、無理やり部屋から引っ張り出すことで、お兄ちゃんは知らなかった世界を学びます。明るい気持ちになりますし、すごく面白いです。読むのが止まらなくなりました。

 --キャラクターの印象は?

 高野さん まひろにすごく親近感が湧きましたし、共感しました。私自身がおうちでずっとゲームしていたいと思う人間なので(笑い)。コミカルで、明るい気持ちになりますし、お兄ちゃん自身も誰とも関わりたくなかったわけではないんですよね。いとおしくなるキャラクターです。

 石原さん みはりは発想が普通の人と違うので、え!?と驚くところもありました。自分にはない引き出しが必要で、自分の枠で収まるのはよくないな!と思いました。それに、優しいんですよね。何とかしてお兄ちゃんを立ち直らせて、人生が豊かになるように働きかけます。普通の方法でないんですけど(笑い)。包容力もあります。母みたいなところもありますよね。

 --まひろは心が男の子ということで演じる際に難しいところもあるのでは?

 高野さん 難しいところはありましたね。私は男の子になったことがないですし、「ため息だったり、くたびれた表現を、女子ではなくて、おじさんが疲れた時のように」というディレクションをいただいたんです。難しいんですけど、収録が進むにつれて、少しずつおじさん成分に慣れ始めました。後半は「おじさんをもうちょっと抑えてください」と言われるくらいになってしまって(笑い)。魅力的なキャラクターにデレデレしすぎて、おじさん化しちゃったんです。

 --収録以外でもおじさんっぽさが出てることは?

 石原さん それは、感じないですよ(笑い)。

 高野さん 台本にその日あった出来事を書いているんですけど、後半は「夏織ちゃんが今日も可愛い」と書いていたり。いつも隣に座らせていただいたのですが、どんどんおじさん化して、直接言えないことを書いていて……。

 石原さん うれしい!

 --みはりは母性も感じます。

 石原さん せりふを強くすると、まひろちゃんが萎縮してしまうので、マイルドに優しくして、表情とはちょっと違う気持ちで演じることを心がけました。最初は難しくて、悩みながら手探りで演じていました。

 高野さん みはりが、お兄ちゃんに「頑張れ!」と言ってしまうと、追い詰められてしまいますよね。優しさと厳しさのバランスが難しそうだと思っていました。

 ◇みんな優しく心温まる 寒い冬にぴったり!

 --ドラマCD版では共演していますが、これまでほかの作品などで共演したことはある?

 高野さん 初めてですね。キャリアとしては先輩ですし。「夏織ちゃんと呼んでいいですか?」というところから始まり、すごく仲良くしていただいています。グイグイきてくれて、うれしかったです。

 石原さん 私は人見知りなんです。現場では、まりんかちゃんが中心になってくれていたので、助かりましたし、すごくしゃべっていましたね。

 --2人の掛け合いも見どころになりそうです。

 高野さん ドラマCDから一緒だったので安心感がすごくありました。お兄ちゃんがツッコむことがあれば、みはりがツッコむこともあって、ボケとツッコミが入れ替わる作品です。テンポ感を感じていただけると思います。

 石原さん まひろちゃんのせりふが自分の想像を超えるものがくるので、すごく楽しかったです。そうくるのなら、こう返そう!となりますし、現場でのこの空気感を大切にしました。せりふ合わせのタイミングもばっちり合うんです。意思疎通がしっかりできていたんです。

 高野さん もっと面白くしたい!という気持ちになるんですね。

 --挑戦もあった?

 高野さん コミカルな作品が大好きで、テンポのよさをしっかり表現したいと思っていました。男性声優さんが出演されている作品をたくさん見て、ボケ、ツッコミなどのテンポ感を参考にしようとしたんです。男性のツッコミは激しいんですけど、相手を傷つけない、自分の心が叫んでいるような印象があって、近付けられるように練習しました。

 石原さん コミカルな作品にあまり出演させていただいたことがなくて、コロコロ表情が変わるキャラクターも経験が少なかったんです。まだまだ全然できないな……と思っていたタイミングで、みはりを演じさせていただけることになって、全てが挑戦でした。現場で掛け合いを見て、こうやるんだ!と吸収していきました。まりんかちゃんと一緒に演じていると、勉強になることが多かったですし、すごく面白かったです。

 高野さん 夏織ちゃんがこれまで出演されていた作品を見ていて、ナチュラルなお芝居がすてきで大好きだったのですが、この作品で夏織ちゃんの新たな一面を見て、すごくぜいたくでした。

 石原さん ここまで上げ下げするんだ!とまりんかちゃんから教えていただきました。演技のお話もたくさんさせていただき、すごくうれしかったです。

 --2023年はどんな年にしたい?

 石原さん 会話が苦手なんです。現場でも台本とにらめっこしちゃうことが多くて……。もうちょっと人と話せるようになって、みはりちゃんのように行動できる人になりたいですね。

 高野さん 夏織ちゃんと出会い、お兄ちゃん役としてすごく頼っていただけたのがうれしかったので、2023年はずっとお兄ちゃんムーブできるような頼られる人になってみたいですね。「おにまい」から2023年が始まるのがうれしいです!

 石原さん みんな優しくて、心温まるストーリーなので、寒い冬にはぴったりですよね!

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