「ドラゴンボール」などで知られる鳥山明さんのマンガ「SAND LAND(サンドランド)」がアニメ化され、劇場版アニメ「映画『SAND LAND』」として8月18日に公開されることが明らかになった。同作は、2022年12月に幕張メッセ(千葉市美浜区)で開催された「ジャンプフェスタ2023」で映像化プロジェクトが発表されていたが、劇場版アニメとして映像化されることが分かった。サンライズ、神風動画、ANIMAが制作する。主人公のベルゼブブ、ラオ、シーフがそれぞれ描かれた3種のビジュアルも公開された。
ウナギノボリ
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「SAND LAND」は、魔物と人間が共存する、水を失った砂漠世界を舞台に、悪魔の王子・ベルゼブブが、魔物のシーフ、人間の保安官・ラオと共に幻の泉を探して冒険する姿を描く。「ドラゴンボール」の連載終了後、2000年に「週刊少年ジャンプ」(集英社)23~36・37合併号で短期集中連載された。鳥山さんが冒頭から結末までアシスタントなしで一人で描き上げた唯一の作品という。
鳥山さんは、「SAND LAND」を制作した経緯について「『ドラゴンボール』も終わり、いろいろ短編や読み切りも試してみたし、最後のつもりで今の自分を出し切った作品を描いてみようと思いました。今思っても、コミックス1巻分限定とはいえ、週刊連載だったのにアシスタント無しで、すべて一人だけでよく描いたな。って自分で驚きます」と説明。
「自分でマンガを描く場合、好みなのは地味めで軽い内容。という受けにくいもの」といい、「SAND LAND」については「じつはこれでも、軽いって部分を抑え、頑張って真面目なストーリーにしたつもりなんですよ。理屈からいえば、自分の最新作のマンガが一番好きなはずです。しかし今から思えば、少なくても画力と気力はこの『SAND LAND』を描いたあたりはスゴかったなって感じがします」と振り返った。
連載当時について「『SAND LAND』は、ペン入れした紙原稿をスキャンしてPC(パソコン)に取り込み、ソフトを使ってベタ塗りや自作のトーンを貼って仕上げました。たぶんほとんど寝てなかったんじゃないかな……」と明かし、「全話描き終えた後、デビュー前から使っていた愛用の木製ペン軸を失(な)くしてしまいました。ナイフやサンドペーパーであれこれ削ったり、使っているうちにすり減ったりして長い時間をかけて手になじんだペン軸でした。新しいペン軸を買って、あれこれ削ってみたものの、どうもしっくりきません。以降、マンガをほとんど描かない言い訳にしています(笑い)」と話している。
同作がキャラ、メカ、世界観、ストーリーが凝縮された「鳥山先生色」が強い作品と評されることについては「たしかにそうかもしれませんね。読者のことももっと考えなきゃいけないのに、好みを優先してしまった気がします。プロ失格かもしれません」とコメント。
連載から約23年を経て劇場版アニメ化されることを受け、「これを楽しいって言ってくれる人って、まさに僕にとっては、わかってる神ファン!って感じじゃないでしょうか」と話し、制作中の映像を見た感想を「拝見したのはまだまだ未完成な部分が多い映像でしたが、それでも非常に高いクオリティーは十分に感じられました。まさか映像化されるなんて思ってもみなかった上に、このクオリティーですから、この時点で夢のようです」と語っている。
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