ドラゴンボールDAIMA
第6話 イナヅマ
11月18日(月)放送分
甲本一さんのファンタジーマンガが原作のテレビアニメ「マッシュル-MASHLE-」が4月7日からTOKYO MXほかで放送される。「週刊少年ジャンプ」(集英社)で連載中の人気作で、主人公のマッシュ・バーンデッドの声優を務めるのが小林千晃さんだ。マッシュは独特の温度感が特徴で、会話になっているようで、なっていないようにも感じる絶妙な表現を求められる。難役ではあるが、小林さんはマッシュの「優しさ」を大切にしようとしているという。小林さんに同作への思い、収録について聞いた。
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「マッシュル」は、2020年1月に「週刊少年ジャンプ」で連載を開始した。魔法界を舞台に、魔法が使えない少年、マッシュ・バーンデッドが魔法学校に入学し、鍛え抜かれた筋肉の力でトップを目指す……というストーリー。
子供の頃から「週刊少年ジャンプ」を愛読しているという小林さん。「マッシュル」を読んで「懐かしさ」を感じるところもあったという。
「先生も『ボボボーボ・ボーボボ』『アイシールド21』が好きだと書かれていましたし、僕も好きで読んでいた作品なので、懐かしさを感じるところがあったのかもしれません。先生とは違う職業ですが、同じものを読んで育っている同士なので、懐かしい感覚があったんです。シリアスにバトルをしているけど、緩い空気のギャグが入る感じが、懐かしいと思っていました」
小林さんは「マッシュル」を読んで「安心感」も感じた。
「能力者の中で無能力者が頑張るという設定ですが、王道の設定を壊しているんですよね。続きが気になるんだけど、マッシュが置かれてる状況に対して、どうなっちゃうんだろう!?とはあまり思わなくて、大丈夫だ!と思える安心感が心地いいんです。リラックスして笑えて、格好いいし、そこが面白いですよね」
ジャンプ作品の主人公を演じるということで、喜びも大きかったというが、出演決定の連絡が届いた時はすぐに気がつかなかったという。
「マネジャーさんが最初、ドッキリを仕掛けようとしたようなんです。メールに作品とは関係ない資料が二つ添付されていて、『明日の資料です読んでおいてください』と書かれていて、1つ目を開いて資料を読み、、二つ目を開いたら真っ白なページだったんで、エラーかな?と思って、読まなかったんです。翌日、『昨日渡した資料見た?』と言われて『エラーでしたよ』と言ったら『いや、もっとちゃんと下までスクロールして!』となって(笑い)。スクロールしたら『決まりました』と書いてあり、え!?となりました。いろいろな驚きが重なって、やった!とすぐにはならなくて、後からじわじわ実感した感じですね」
人気作の主人公ということでプレッシャーも大きいようだが……。
「大人気作品ですし、読者の方の一人一人に声や演技のイメージもあるので、プレッシャーはあったのですが、僕の中で、マッシュにシンパシーを感じるところがあったんです。オーディションの段階から、ありがたいことに『マッシュをやりそうだね』と周りの役者からも言っていただき、リラックスできたところがありました。出演が決まってからも、業界内外で『そうだと思った』という好意的なリアクションをいただけたので、安心して、できたところもあります」
確かに、小林さんとマッシュは冷静なところなどが似ているようにも見える。似ているところを聞いてみると「髪型ですかね?」と笑顔で語る。
「この髪型は役が決まる前からなんですけど。出演が決まってから、別の作品で久しぶりにお会いした人に『あれ? そんな髪型だった? 作品に合わせているの?』と言われ、『前からだから!』とやり取りすることもありました(笑い)。はっちゃけないところとかは似ているかもしれませんね。オーディションの段階から、やりやすいな……と感じていましたし」
「マッシュル」の魅力の一つはギャグシーンだ。マッシュの天然ボケに対して、寮で相部屋のフィン・エイムズがツッコむ。編入試験1位の実力のイケメンのランス・クラウン、直情型で何かと騒がしいドット・バレット、マッシュに好意を寄せるレモン・アーヴィンら個性的なキャラクターの会話も面白い。
コロナ禍ということもあり、収録は4人までしか一緒に収録できなかったが、シーンごとに役者が入れ替わりながら収録した。掛け合うキャラクターを演じる役者と一緒に収録できたこともあって、独特のテンポ感を表現できた。鋭いツッコミを入れるフィン役の川島零士さんに加え、ランス役の石川界人さん、ドット役の江口拓也さん、レモン役の上田麗奈さんらとの共演に刺激を受けた。
「相手がいないと生まれないテンポ感もありますし、ありがたい環境で演じさせていただきました。皆さんがすごい方ばかりなので、安心して、思いっきり楽しませていただいています。川島君の鋭いツッコミが心地いいんですよね。川島君が高低差をつけていろいろな角度でツッコんでくるんです。ドットはフィンと少し似てるけれども、パワータイプなので、とにかく圧がすごい。ツッコミでもタイプが違うのが面白いんです。レモンは、ただ可愛いだけではない、個性的なキャラクターです。ランスはお母さんのようです。ドリフで言ったら、加藤茶さんのように、全体を見渡してくれるんです。キリッと格好よく、とんちんかんなことを言うことでボケとして成立することもある。それぞれ色が違うけど、締めてくれるのはランスです。だから成立するんですね」
ボケる時は、意識しすぎないようにしている。
「ボケようと思ってボケるというよりは、マッシュとしては思ったことを素直に言ってるだけなので、それがとんちんかんで、ツッコまれる。だから、ボケようとしないようにしています。技術的な話になりますが、ちょっと力が入ると、1音目が少し強くなることがあるので、それを意識しないように、肩の力を抜いて普通に言うようにして、『これはボケだよ』とならないように意識しています。そこにツッコミで乗っかってきてくれて、後は流れで決まっていきます。マッシュも意外にツッコむこともありますし、シーンによって変わるのですが」
小林さんがマッシュを演じる中で一番大切にしているのは「優しさ」だ。
「マッシュはすごく優しい子なんです。自分の友達、家族を大事にするという優しさを一番大切にしています。マッシュは、相手を蹴落とそうとか負の感情がなくて、淡々としたせりふでも心の中で優しさを意識しています。相手のことを考えているけど、ちょっとズレているところもあるから、ツッコまれる。優しさ、素直さがしっかりある子なので、その部分を心がけています。冷たい子にはしたくないので」
確かに、一歩間違えれば、冷たく見えるかもしれないが、小林さんの演技もあって、マッシュからは優しさを感じる。
「無関心に聞こえないようにしようとしつつ、相手の声量に対して同じ声量で返しちゃうと、マッシュにはならないですし、そこを意識しています。技術的には、距離感やボリュームではなくて、音圧で温かみを出そうとしています」
マッシュはとにかく強い。力で相手をねじ伏せる。強すぎるから、戦っている時は、あまり声を出さないのかと思いきや、そういうわけでもないらしい。
「僕も最初、声を入れない方がいいのかな?と思っていたのですが、テストが終わった後、監督から『アクションシーンを格好よく見せたいので入れてください』というお話がありました。『入れてもらって、実際に使うかは考えますが、使う可能性もあるので、入れてください』ということだったんです。だから、ふん!とか息芝居を入れています。完成を見るまでは、どれが使われるのか分からないので、僕自身も楽しみにしています」
絶妙な温度感のマッシュを演じることは、小林さんにとって挑戦になっている。
「ほかの人たちが会話してる中で、一人だけトーンが落ちていますし、会話になってないこともあります。レモンやドットも会話してるようで、一方的に言ってるだけだから、会話になっていないんですけど(笑い)。同じトーンで返したくなるところを抑えるというのは、これまでなかった経験ですし、面白いですね」
独特のテンポ感から繰り出されるギャグ、熱い戦闘シーンなど小林さんの演技に期待が高まる。
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