解説:「鬼滅の刃」遊郭編 鬼殺隊VS上弦の陸 壮絶バトルの舞台裏

「鬼滅の刃」のコミックス第9巻のカバー
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「鬼滅の刃」のコミックス第9巻のカバー

 吾峠呼世晴(ごとうげ・こよはる)さんのマンガが原作のアニメ「鬼滅の刃」のテレビアニメ「テレビアニメ『鬼滅の刃』遊郭編」の特別編集版の第二夜「遊郭決戦編」が、フジテレビの「土曜プレミアム」枠で4月8日午後9時から放送される。「遊郭編」では、遊郭を舞台に竈門炭治郎、音柱・宇髄天元(うずい・てんげん)ら鬼殺隊が、圧倒的な力を持つ上弦の陸(じょうげんのろく)の鬼と激闘を繰り広げる。テレビアニメ放送時も息もつかせぬ激しい戦闘シーン、声優陣の熱演が話題になった。壮絶な戦いの裏側とは……。

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 ◇“堕姫”沢城みゆきに「ゾクッ」 炭治郎の「心を燃やせ」に特別な思い

 「遊郭編」の舞台は、鬼の棲(す)む夜の街、遊郭。無限列車での激闘を終えた炭治郎たちは、蝶屋敷で音柱の宇髄天元と出会う。宇髄は遊郭に鬼が潜んでいる情報を入手しており、自身の3人の妻を遊郭に潜入させていた。しかし、その後連絡が途絶え、妻たちの安否を確かめるために炭治郎たちを連れて捜索をすることになる。そこで炭治郎たちを待ち受けていたのは、鬼の堕姫(だき)。堕姫は、鬼を支配する鬼舞辻無惨(きぶつじ・むざん)の直属の配下である十二鬼月の上位6人の一人で、圧倒的な力を持つ上弦の陸だった。

 4月1日に放送された特別編集版の第一夜「遊郭潜入編」では、炭治郎が堕姫に立ち向かう姿が描かれた。テレビアニメ放送時のインタビューで、炭治郎役の花江夏樹さんは、堕姫を演じる声優の沢城みゆきさんについて「尊敬する先輩の一人」と語り、収録では“怖さ”も感じたことを明かしていた。花江さんは、沢城さんと共演する中で「本当に気を抜いたら殺されるんじゃないかというぐらいの圧」を感じ、圧に負けないように戦った。

 沢城さんは「ルパン三世」の峰不二子役、「ゲゲゲの鬼太郎」(第6期)の鬼太郎役などで知られる人気声優だ。花江さんは、沢城さんについて「一つ一つに妥協をしない方だなと思いました。今キャラクターがどういう動きをしているんだとか、どういう状況、感情なのかをすごく突き詰めて研究して演じられているのだなと、一緒に収録して感じました」とも話していた。

 炭治郎が堕姫と対峙(たいじ)する中で、炎柱・煉獄杏寿郎(れんごく・きょうじゅろう)の「心を燃やせ」という言葉を放つシーンも描かれた。花江さんは「演じていても胸が熱くなりました」といい、「炭治郎が『心を燃やせ』と言う場面は、原作を読んでいても泣いてしまったところなので、収録でもすごく頑張りました」と特別な思いを持って収録に挑んだ。

 ◇宇髄と妓夫太郎の壮絶バトル 「魂を削りながら」

 「遊郭編」では、鬼殺隊と堕姫との戦いのさなか、堕姫の兄・妓夫太郎(ぎゅうたろう)が現れ、兄妹2人で上弦の陸であるという事実が明かされる。驚異的な強さを誇る妓夫太郎と柱である宇髄との圧巻のバトルシーンは、テレビアニメ放送時も大いに話題になった。

 テレビアニメ放送時のインタビューで宇髄役の小西克幸さんは、逢坂良太さん演じる妓夫太郎と「お互いの命、魂を削りながら戦った」「相当激しく、『遊郭編』で一番声を出したかもしれない」と語っていた。

 小西さんは「かなり長いバトルシーンで、最初は一息で収録していたんですけど、途中から『一息ではなくて、いろいろ変化を付けてほしい』というディレクションをいただきました。自分の中でイメージしてバトル感を出せればと思い、何回かテークを繰り返しました」と魂を込めた。

 小西さんは、花江さん、我妻善逸役の下野紘さん、嘴平伊之助役の松岡禎丞さんと収録を共にし、「彼らが自分たちの魂を燃やしながらお芝居をしているように、肌で感じました」とも語っていた。

 鬼殺隊はもちろん、鬼の声優陣も魂を込めて挑んだ「遊郭編」。その熱さを改めて感じたい。

 「鬼滅の刃」は、家族を鬼に殺された竈門炭治郎が、鬼に変異した妹・禰豆子を人間に戻すために旅立つ……というストーリー。原作は、2016~20年に「週刊少年ジャンプ」(集英社)で連載された。テレビアニメ「竈門炭治郎 立志編」が2019年4~9月に放送され、2020年10月公開の劇場版「無限列車編」が国内歴代興行収入1位となる約400億円を記録するなど大ヒットした。「遊郭編」が2021年12月~2022年2月に放送された。新作テレビアニメ「刀鍛冶の里編」がフジテレビ系で4月9日から毎週日曜午後11時15分に放送される。

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