コスプレは自宅で気軽に楽しめる趣味であり、アニメやゲーム、マンガなどの人気のバロメーターとしても注目を集めている。コスプレ文化の研究家でライター兼カメラマンのソムタム田井が、イベントに取材参加して見つけたハイレベルなコスプレーヤーにクローズアップ。衣装、ウイッグ、メーク、体作りなど、キャラクターになりきる上でのこだわりについて聞く。「ニコニコ超会議2023」で出会ったコスプレーヤーを紹介する。
4月29日、30日に幕張メッセ（千葉県千葉市美浜区）で開催された「ニコニコ超会議2023」は、“超歌舞伎”をはじめ、ニコニコでおなじみのコンテンツのステージやブースがずらりと並ぶ参加型の複合イベント。2日間で約11万人が来場し、多くのコスプレーヤーも集まった。「勝利の女神：NIKKE」ブースにドロシーの公式コスプレーヤーとして参加した伊織もえさんは、ウイッグの毛量や衣装の光沢にこだわったという。
「ウイッグの形が意外と難しくて。原作を見ていると気付かれる方もいると思うのですが、通常のウイッグより大分毛量が多いので、髪の毛をもっさもさに増量しています。衣装に関しては、企業様のPRだと『用意していただいたものを着ているだけ』と思われがちですが、私の場合、そこからさらに“魔改造”をして着ることが多いので、実際は出来上がりまで関わることが多いんです」
「今回も、一度完成した衣装をフィッティングした段階で、レースやパニエの光の反射具合が気になって。多分、運営さん的にももっと光っていた方が気に入っていただけるだろうな……と思い、解体して全部付け直したり、シルエットをより原作に近づけるために、丈感を大改造したりしました。そのかいあって、ふわふわで白くてかわいいシルエットにできたと思っています」
取材・文：ソムタム田井
