中国の春秋戦国時代を舞台にした人気マンガが原作の映画シリーズ第3作「キングダム 運命の炎」(佐藤信介監督)が7月28日に公開された。今作では、主人公・信(山崎賢人さん)の憧れの存在であり、秦国の大将軍・王騎(大沢たかおさん)が、秦国存亡の危機に再び戦場に舞い戻った。「撮影準備からかなり気合を入れて臨みました」という大沢さんに、撮影を振り返ってもらった。
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「キングダム」は原泰久さん作の歴史マンガ。「週刊ヤングジャンプ」(集英社)で2006年から連載中で、天下の大将軍を目指す信と、後に「秦の始皇帝」となるエイ政らの活躍を描く。既刊69巻のコミックスの累計発行部数は9900万部を突破。2019年公開の実写映画第1作、22年公開の第2作は、それぞれその年の邦画実写作品で興行収入ナンバーワンを記録するヒットとなり、シリーズ累計で100億円を突破している。
実写映画3作目となった今作は、秦と復讐(ふくしゅう)に燃える趙が激突する「馬陽(ばよう)の戦い」、また秦王・エイ政の知られざる過去を描いている。大沢さんは今作について「王騎は前作の1、2と“外野”から信たちの戦いを見ていることが多かったのですが、今作からは本格的に秦国のために戦う大事な回。撮影前から緊張感、ワクワク感はありました」と振り返る。
第1作から足かけ5年近く王騎を演じているが「緊張感、プレッシャー」は変わらないという。
「原作で圧倒的な人気のキャラクターなので、そこは変わりません。いろいろ賛否はあるかも知れませんが、演じる以上は『こういう王騎ありだよね』って原作ファンの方にも納得してもらわなければならないので。これで原作ファンの人はどう見るのだろうとか、5年間ずっと考えさせられている人物です」
かつて中華全土にその武名を響き渡らせた“秦の六大将軍”最後の一人で、その武勇を象徴するかの様な、巨大な体躯が印象的な王騎。その巨躯を表現するため、第1作からストイックな体作りをしたが、今作は王騎にとって「大事な回」ゆえに「撮影準備からかなり気合を入れて臨みました」と前作以上のトレーニングを重ねた。
「よりボリューム感を出して王騎に近づきたいと思い、パンプアップするトレーニングを中心に。(食べ物は)糖質をたくさんとるため、プロテインの普通の摂取量がだいたい25グラムくらいなのですが、僕は60~70グラムで、それにアイスクリームとシリアル、最後に生クリームを入れたものを一日3回とっていました」
結果、前作以上にビルドアップ。「(体重は)前作よりも1、2キロ増え、最終的に91、2キロぐらいになりました。今(取材時)が77キロぐらい。撮影を終えて14、5キロ落としました」とハードな体作りをケロリと明かした。
王騎といえば「ンフ」といった独特の笑い方も特徴的。大沢さんも実写で表現しているが、体の再現と同じくそれも「原作第一」という思いが根底にある。
「やっぱり原作がベースなので、そこからなるべく逸脱しないようにしながら演じています。でも実写なので一歩間違うと“おふざけ”になってしまう可能性もある。おふざけに見えないギリギリのところをバランスを取りながら、ですね」
実写とのバランスを取るため、独自の解釈も「結構あります」という。
「人間が演じられるよう、2次元のキャラクターを血の通った人間にしないといけない。それが良く転んでいるかは分かりませんが、自分なりの勝手な肉付けで色をつけていきました」
今作で王騎を演じるにあたり、意識したことは1、2よりも“生き生き”と見せられるように。「1、2ではまったく戦に入っていませんでしたが、やっぱり将軍なので戦の先頭に立って初めて輝ける人間。ようやく今回、彼が本来の姿を見せつけることができました」と力を込める。
作品については「『キングダム』の真骨頂である人間ドラマとアクションの集大成が見られると思います。王騎のところで修業した信がめちゃくちゃ強くなって帰ってきているのも見どころです。1、2より何倍もパワーアップした作品になっているので、ぜひ劇場でご覧いただきたい」とアピールした。
※山崎賢人さんの「崎」は「たつさき」。
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