井上雄彦さんの名作バスケットボールマンガ「SLAM DUNK(スラムダンク)」の新作劇場版アニメ「THE FIRST SLAM DUNK」のトークイベント「COURT SIDE in THEATER FINAL」が8月15日、丸の内TOEI(東京都中央区)で開催され、同作の監督を務め、脚本を手がけた井上さんが登場した。井上さんは「この映画は、スラムダンクという名前のもう一本の樹です。物を作るときに、“予定調和”ってことはしたくない。ただなぞるとか、移し替えるとかはあまりそそられない。それで、この映画もちょっと違う感じになったかなと思います」と思いを語った。
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「THE FIRST SLAM DUNK」は、2022年12月3日に公開され、公開から2日間で興行収入が約12億9000万円、観客動員数が約84万7000人を記録するなど好スタートを切り、公開67日で興行収入100億円の大台を突破。公開250日を超えるロングランヒットを飛ばしており、8月13日時点で観客動員は1057万人、興行収入は152億4300万円を突破している。8月31日に終映を迎える。
井上さんは、同作について「公開前は少しでも良くしたいという気持ちで、ベストを尽くすことだけ考えていた。完成までは、スタッフの皆さんも頑張ってくれる人たちだったので、自分も少しでもいいものにしようとしていた。公開後っていうのは、映画は完成したとはいえ、見てもらわないと存在価値もない。お客さんに見てもらって、その人の中に届く、伝わった時にやっと完成するという気持ちなので、伝わってくれるといいなと思いながら過ごしていました」と語った。
「円盤(DVDやブルーレイディスク)は出ますか?」という質問に対しては、「出した方がいいですか?」といたずらっぽく問いかけると、場内にはこの日一番の拍手が巻き起こった。さらに「出さない人だと思っているでしょ?」と観客に語りかけ「そんなことないですよ」と続け、より一層大きな拍手が上がった。
井上さんは、マンガを描く時に大事にしていたこととして「マンガでページをめくった先で驚いてほしい、ワクワクしてほしい、喜んでほしいという気持ちが根っこにあるんですね」と話し、「(劇場版アニメも)同じ気持ちでずっと作ってきました。伝わって完成すると言いましたけど、段々完成しつつあるのかなという感じがしています。本当にありがとうございます」と感謝を伝えた。
イベントは2部制で、第1幕には、宮城リョータ役の仲村宗悟さん、三井寿役の笠間淳さん、流川楓役の神尾晋一郎さん、桜木花道役の木村昴さん、赤木剛憲役の三宅健太さんの湘北メンバーを演じたキャストが登場した。井上さんは第2幕に登場した。
「スラムダンク」は、1990~96年に「週刊少年ジャンプ」(集英社)で連載されたバスケットボールマンガ。赤い髪の不良少年・桜木花道がひょんなことから湘北高校バスケットボール部に入部。安西先生の下、主将の赤木剛憲や流川楓、宮城リョータ、三井寿、木暮公延らとともに全国制覇を目指す……というストーリー。コミックスのシリーズ累計発行部数は1億2000万部以上。テレビアニメが1993~96年に放送され、バスケットボールブームをけん引し、世界中で人気を集めている。
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