寺島拓篤×鈴代紗弓×藤原夏海:13年前に戻るなら? アニメ「帰還者の魔法は特別です」インタビュー

「帰還者の魔法は特別です」に出演する(左から)藤原夏海さん、寺島拓篤さん、鈴代紗弓さん
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「帰還者の魔法は特別です」に出演する(左から)藤原夏海さん、寺島拓篤さん、鈴代紗弓さん

 SMARTOON(スマトゥーン)と呼ばれるスマートフォンに最適化されたマンガが原作のテレビアニメ「帰還者の魔法は特別です」が、10月7日深夜0時からTOKYO MXほかで放送される。デジール・アルマンが仲間と共に、異次元空間・影の世界の影の迷宮の最後のボスの破滅竜ボロミア・ナポールと対峙(たいじ)するが、世界が滅亡し、13年前の世界に戻る……というストーリー。自身の出身校で帝国最高の魔法学園・へブリオン学園の入学式に戻ったデジールが、未来を変えるべく、仲間たちを再び集めて世界を救うために立ち上がることになる。デジール役の寺島拓篤さん、風属性の魔法使いのロマンティカ・エル役の鈴代紗弓さん、俊足の剣士のプラム・シュナイザー役の藤原夏海さんに、同作への思いを聞いた。作品にちなんで「13年前に戻るなら?」とも聞いてみた。

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 ◇いきなり突き落とされる 先の読めない展開

 --原作の印象は?

 寺島さん ありそうでなかった切り口ですよね。タイトルで説明しているのですが、「帰還者」とは何か? 何が「特別」なんだろう?とタイトルからわくわくしました。ふたを開けてみたら、いきなり最後のボスとの戦いで、クライマックスですからね。アニメにしても第1話のタイトル「破滅」が衝撃的でした。先の読めない展開が続いていき、ワクワクして、心をつかまれるポイントがいっぱいある作品です。

 鈴代さん 仕掛けがたくさんあって、それが頭にある状態で読むので、すごく引き込まれました。いい意味で裏切られることもありました。ロマンティカはどういう関わり方をするのかな?と思っていたら、想像していなかった展開もありました。

 藤原さん 冒頭で突き落とされたような感覚がありました。デジールは、絶望を抱えながら、未来を切り開いていきます。一人で抱えているので、感情移入しすぎて、「頼む!」という気持ちになりますし、応援したくなるような始まり方です。

 --デジールは絶望した状態から13年前の世界に戻ります。

 寺島さん デジールは13年前に戻り、自分しか知らないことがあるので、ほかのみんなと違うテンションを維持し続けなきゃいけません。みんなが前向きに頑張っている中で、たくさんのものを失ってしまったことを知っていますし、彼一人だけ後ろ向きのエネルギーなんです。最終的には前に向かっているのですが、エネルギー源は復讐(ふくしゅう)に近い。特に序盤は、工夫しながら役作りをしないといけませんでした。

 --冒頭は熟練した状態で、疲れも見えますが、13年前に戻ると学園生活になるというギャップが激しくもあります。

 寺島さん 13年前に戻り、表面上は若いのですが、内面の徒労感を持ち合わせていなくてはいけません。その案配が少し難しかったです。だんだんそれが融合していくのですが、最初は表面的なものと内面的なものを切り替えたつもりです。すごくやりがいがあります。

 --ロマンティカはキャラクター説明で「デジールの仲間の一人だったが、戦いの中死亡した」と書かれています。最初から「死亡する」ことが説明されているのが衝撃的です。

 鈴代さん 死んでいるの? どういうこと!?とびっくりしました。恋愛ストーリーもあるのかな?と思っていたら、そういうわけではなく、デジールが大きなものを背負って、やり直すことになりますし、あまり見たことのない展開だったので斬新でした。ロマンティカは未来を知らないわけですし、ストーリーを追うのもすごく楽しかったです。

 --プラムは剣士ですが、普段は小動物のような可愛さもあるキャラクターです。

 藤原さん プラムは喜怒哀楽がはっきりしていて、可愛らしい笑顔も魅せます。ロマンティカは、プラムを「可愛い!」とめでるシーンもありますし、可愛いと思っていただける表現を第一に考えていました。普段は可愛いけど、戦っている時は、普段からは想像できないような表情も見せます。そこは、印象を変えようとしました。たくましいイメージで演じさせていただきました。

 寺島さん 子犬から剣士になるんだよね。

 藤原さん 普段は子犬のように接するんです。こういうキャラクターを演じた経験があまりなかったので、挑戦になりました。

 --寺島さん、鈴代さんも今作ならではの挑戦があった?

 寺島さん デジールは影があるキャラクターです。13年前に戻り、最初は希望に満ちあふれたような入り方をしたのですが「復讐(ふくしゅう)、暗めのエネルギーを意識してください」というディレクションをいただき、案配が難しかったところはあります。挑戦というよりは、調整に近いのですが。仲間と接していくうちに、気持ちも少しずつ前向きになりますが、やられてしまった仲間たちのことは忘れていないことを大事にしようとしました。

 鈴代さん ロマンティカは、口調が強いところもあって、「敵キャラみたいにならないよう」というディレクションをいただきました。強すぎると、嫌な人に聞こえかねないところもありまして、彼女自身は頑張っていて、冷たくしようとしているわけではないんです。そこの調整がチャレンジになりました。

 --収録の様子は?

 寺島さん 3人がそろうことが多かったのですが、のんびりしていました。

 藤原さん 伸び伸び収録していましたよね。

 鈴代さん 新しいスタジオだったんですよね。

 寺島さん いい街で、楽しかったですね。仕事の後に食事とか行った?

 藤原さん 可愛い動物がいるカフェに行きました。

 鈴代さん 可愛かったですよね。動物に見られながら食事しました。竜宮城みたいなお店も行きましたよね。

 藤原さん 先輩においしいお店を教えてもらったり。

 寺島さん 食べる話ばっかりだね(笑い)。

 ◇13年前は? 声優を目指していた頃

 --13年前に戻ってやってみたいことありますか?

 寺島さん ライブのステージをもっと突き詰めたいです。今の感覚でライブをやれば、さらにキャラクターに寄り添うことができるし、もっと意識を高めたパフォーマンスができるはずです。

 鈴代さん 私は中学生でした。

 寺島さん 僕は仕事をしていたなぁ。

 鈴代さん 仕事をするようになると、目上の方、先輩と積極的にお話ができるようになりましたが、当時は先輩とうまくしゃべれなかったので、今のコミュ力でお話してみたいです。

 藤原さん 私は高校生です。

 鈴代さん 子供でも大人でもない年齢ですよね。

 藤原さん 夜遊びをしてみたいですね。夜に家から出るなんて考えられなかったので。

 --真面目だったんですね。

 藤原さん はしゃいでいたけど、ヤンチャではなかったんです。ほどよいヤンチャもやってみたいです。

 --当時から声優を目指していた?

 藤原さん 小学生くらいから目指していました。

 寺島さん 早いね!

 藤原さん 姉に「このキャラとこのキャラは同じ人が演じているんだよ」と教えてもらい、格好いい!と思って、声優に憧れました。小学校の卒業制作で自分が声優になって、アフレコしている姿を紙粘土で作ったこともありました。

 鈴代さん 私も13年前には目指していました。そういえば、高校でパソコンの授業があって、PowerPointで「将来の夢」をプレゼンすることになったのですが、「声優になるには」と書いたことがありましたね。

 --最後に放送を楽しみにしている人に向けてメッセージをお願いします。

 藤原さん デジールさんが世界の終わりを見て、過去に戻り、絶望をも抱えたまま、同じことが起きないように突き進んでいくっていう中、いい方向に進むのか、悪い方向にいってしまうのか?という点に注目して見てください。プラムが過去に何を抱えているのか?にも注目してほしいです。デジールさんとの関係もどんどん変わってきます。ぜひ楽しみにしてください!

 鈴代さん 収録の際、間合いを大切にしている作品と感じていたので、映像になってどうなるのかが楽しみです。皆さんとの掛け合いで生まれたライブ感もある作品です。そこもお楽しみいただけるとうれしいです。

 寺島さん かなり気合が入っています。監督がさまざまなこだわりを持って作られた作品です。僕も今わくわくしているところです。最後まで楽しんで見ていただけるとうれしいです。

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