ドラゴンボールDAIMA
第6話 イナヅマ
11月18日(月)放送分
集英社のマンガアプリ「少年ジャンプ+(プラス)」で連載中の遠藤達哉さんのマンガが原作のテレビアニメ「SPY×FAMILY」のシーズン2が、テレビ東京系ほかで10月7日から毎週土曜午後11時に放送される。2022年の春クール、秋クールに放送され、大ヒットしたシーズン1から約10カ月、“仮初めの家族”フォージャー家の物語が再び始まる。フォージャー家のスパイの父、ロイド役の江口拓也さんは、シーズン2でロイドの変化を感じているという。収録の裏側、シーズン2への意気込みを聞いた。
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「SPY×FAMILY」は、2019年3月に「少年ジャンプ+」で連載をスタート。すご腕スパイが、任務のために仮初めの家族を作り、新生活を始める……というストーリー。スパイの父、超能力者の娘、殺し屋の母が互いに正体を隠してフォージャー家として生活することになる。コミックスのシリーズ累計発行部数は3100万部以上。アニメは、種崎敦美さんが超能力者の娘・アーニャ、早見沙織さんが殺し屋の母・ヨルを演じ、ナレーションを担当する松田健一郎さんがシーズン1の中盤からフォージャー家に加わった“未来予知犬”のボンドを演じる。
「SPY×FAMILY」は、連載開始当初から「少年ジャンプ+」の看板作品の一つとして人気を集めていたが、アニメ化によってさらに人気が加速し、「Yahoo!検索大賞2022」の作品カテゴリー・アニメ部門で「SPY×FAMILY」が1位に輝くなど話題になった。今年3月からはミュージカル版が帝国劇場(東京都千代田区)で上演。劇場版アニメ「劇場版 SPY×FAMILY CODE:White」が12月22日に公開される。
江口さんは、今年3月に発表された「第17回 声優アワード」で主演声優賞とMVS(Most Valuable Seiyu、ファンが選ぶ最も活躍した声優)をダブル受賞したことも話題になった。
「声優アワードもそうですし、街を歩いていても、『SPY×FAMILY』の話をしている人や、アーニャのまねをしている子供を見かけることが多いので、たくさんの人に見ていただいている作品なんだなと、すごく感じました。自分としては『SPY×FAMILY』も大切な作品ですけど、ほかの作品も同じぐらいのエネルギーでやっているので、世間の盛り上がりも『なんか盛り上がっているな』というか(笑い)。自分のことというか、ロイドというキャラクターのこと、という感覚ではあります」
シーズン2は、フォージャー家の殺し屋の母、ヨルが活躍する原作でも人気のエピソード「豪華客船編」が描かれることも話題になっている。原作の中でも長編で、豪華客船を舞台にヨルが命を狙われるマフィアを護衛することになる。ヨル自身が殺し屋という仕事について葛藤を抱える姿も描かれる。
「シーズン1に続き『SPY×FAMILY』が持つほんわかした空気感もあるんですけど、やっぱりシーズン2は、原作でも長編だった『豪華客船編』がしっかりと描かれるので、非常に緊張感のある、スタイリッシュな映像になりそうだなと感じました。偽りの家族のそれぞれに思惑があった中で、今回はヨルさんが主人公というか。ヨルさんとしての心境の変化と、これからの生きる意味みたいなものを『豪華客船編』を通して考えていくというシナリオなので、そこが見どころだなと思います」
「豪華客船編」では、ロイドとアーニャも、ヨルと同じく豪華客船、プリンセス・ローレライ号に乗り合わせる。ヨルは殺し屋の任務、ロイドはアーニャと共に“休暇”という任務を遂行することになる。ロイドは“ちち”として奮闘するも、アーニャに振り回される。
「アーニャに振り回されるのは、シーズン1から変わらないのですが、その中でより『応えよう』という気持ちは、どんどん強まっているのかなと。ロイドがアーニャにわがままを言われて、応えようとするあまりおかしな行動を取るシーンがあるのですが、例えばシーズン1の第1話あたりで同じように言われても、多分、そこまではしないんじゃないかなと思います。それも、これまで家族として生活した中での心境の変化、ある意味、柔らかさというか」
ロイドは、すご腕のスパイということもあり、常に目まぐるしく思考を巡らせているため、モノローグが多い。そのモノローグにも変化を感じているという。
「最初の頃はスパイとしての本心、彼の考えみたいなものだったのですが、シーズン2になると、モノローグの中にも温かさがあるというか。本当の声であるモノローグの部分に、より温度感が増している、温かみが入り混じっているという感覚はありましたね」
シーズン1の収録では、コロナ禍の影響もあり、分散収録を余儀なくされるなど制限があったが、シーズン2では、「コロナ前のアニメの収録」が戻ってきたような感覚だという。
「シーズン1の時は、フォージャー家のキャスト4人で収録することが多かったんですけど、自分も含めて、皆さん結構寡黙なタイプというか(笑い)。そんなにしゃべることもなく淡々と進んでいく感じで、シーズン2もそれは変わらないのですが、一緒に録(と)れる人数が増えたことによって、掛け合いの中での楽しさをより感じられるようになりました。それこそみんなでガヤに参加したりして、その場で『これは誰がやる?』『あれは誰?』とか、そういった楽しさが帰ってきたなと。やっぱり人が多いと、本当に一緒にものを作っている感がより深まる。しゃべらなくても、その場にいて存在を感じ合うだけでも、また違うものがあるんじゃないかなと思うので、そこは本当に楽しいです」
フォージャー家の声優陣のチームワークもより強くなっているという。
「空気感みたいなものを共有できるというか。それぞれ寡黙ではあるんですけど、しゃべらなくても、リスペクトが根底にあれば伝わるものがあるんじゃないかなと。マイク前でお芝居を聞いていて、やっぱりすてきだなとすごく思うので、そういったところをより蓄積して、リスペクトが深まる部分はあるなと思いますね」
シーズン2では、早見さんが演じるヨル、種崎さんが演じるアーニャの魅力を改めて感じた。
「『豪華客船編』は、アーニャとロイドは、ヨルさんと別行動をしているので、収録もヨルさん(早見さん)とは別だったんです。でも、先に録られていた声を聞かせてもらって、家族の前では見せない姿や、本当に格好いい部分、葛藤する部分と、素のヨルさんが感じられました。人間の温度感みたいなものがより芽生えたヨルさんに出会えるんじゃないかなと。僕自身も、アニメの放送が楽しみです。種崎さんは、一つ一つのアーニャの表情の拾い方、盛り上げ方が本当に職人技で、すごいなと思います。そういうアーニャの一喜一憂で、ロイドも一喜一憂する。毎回、種崎さんの演じるアーニャの演技プラン次第で、こっちもどういうリアクションか?とやっていくことが多いので、今回も面白い表情がちりばめられていて、見ている方も楽しいだろうなと思います」
シーズン2では、ヨル、アーニャがさまざまな顔を見せ、ロイドもまた「より砕けたロイド見える瞬間が多くなってくるんじゃないかな」と語る。
「『豪華客船編』は、結構シリアスなところが多いですけど、それ以外のところはギャグ強め、コメディー全開です。そこは自分も、やるとこはやるぞと思い切りやっています。シーズン1から変わらないものと、新たにいろいろな工夫をしているところと、皆さんに楽しんでいただけるように制作に励んでいますので、本当に楽しみにしていただきたいなと思います。シーズン2と同時進行で、劇場版も既に収録が始まっているんですけれど、シーズン2が終わったら、そのまま劇場に行けるような流れになっています。ぜひテレビシリーズも見ていただき、劇場版をぜひ大スクリーンで楽しんでいただきたいなと思います」
最後に、「豪華客船編」で休暇という任務を全うすべく奮闘するロイドに向けて、江口さんの休暇のススメを聞いてみた。
「とにかく休暇って、何も考えないことだと思うので、僕だったら寝ますけど(笑い)。僕の場合は、映画を見ていても、シナリオとか演技とか構図とかを見てしまうし、どこかに出掛けるとなっても、下調べとか、行き帰りの面倒臭さを考えると、やっぱり行きたくないなと(笑い)。自分はお酒を飲むと、スイッチが切れて何も考えなくて済むんですけど、ロイドは酔っ払わないからな……。やっぱり睡眠ですね。自分に合う枕を見つけて、目覚ましをかけないで安眠していただく。無になっていただきたい(笑い)」
さらにパワーアップしたフォージャー家の活躍に期待が高まるシーズン2。ヨルさんは任務を果たすことができるのか、ロイドは無事休暇ができるのか、注目したい。
※種崎敦美さんの「崎」は「たつさき」
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