早見沙織:「SPY×FAMILY」豪華客船編 ヨルの心の内の“重い部分” より深く、シリアスに

「SPY×FAMILY」の一場面(C)遠藤達哉/集英社・SPY×FAMILY製作委員会
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「SPY×FAMILY」の一場面(C)遠藤達哉/集英社・SPY×FAMILY製作委員会

 集英社のマンガアプリ「少年ジャンプ+(プラス)」で連載中の遠藤達哉さんのマンガが原作のテレビアニメ「SPY×FAMILY」のシーズン2が10月にスタートし、ハイクオリティーな映像、声優陣の熱演が話題になっている。11月4日放送の第30話からは、フォージャー家の殺し屋の母、ヨルが活躍する原作でも人気のエピソード「豪華客船編」に突入する。ヨルを演じる声優の早見沙織さんは、「豪華客船編」でヨルの新たな一面を発見したという。収録の裏側、「豪華客船編」へ懸ける思いを聞いた。

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 「SPY×FAMILY」は、2019年3月に「少年ジャンプ+」で連載をスタート。すご腕スパイが、任務のために仮初めの家族を作り、新生活を始める……というストーリー。スパイの父、超能力者の娘、殺し屋の母が互いに正体を隠してフォージャー家として生活することになる。コミックスのシリーズ累計発行部数は3100万部以上。アニメは、江口拓也さんがスパイの父・ロイド、種崎敦美さんが超能力者の娘・アーニャを演じ、ナレーションを担当する松田健一郎さんがシーズン1の中盤からフォージャー家に加わった犬のボンドを演じる。

 「豪華客船編」は原作の中でも長編で、ヨルの“お仕事”である殺し屋の一面がクローズアップされる。豪華客船を舞台にヨルが命を狙われるマフィアを護衛することになる。

 ヨル自身が殺し屋という仕事について葛藤を抱える姿も描かれ、早見さんは「ヨルさんが一生懸命頑張る話なので、自分にとってもかなり緊張感がありました。シーズン1の時にも増して、より一層気合を入れて臨まねばと思いました」と収録に挑んだ。

 早見さんは「これまでは描かれてこなかったヨルさん自身の心の内、悩み」が描かれると話し、「これまで自分がやってきたものより、もっとシリアスな表現がアフレコの中で生まれてきた」と感じているという。

 「これまでのヨルさんは、割とふわふわしているというか、バトルの最中でもちょっとコミカルなところがあったんです。それは、もちろん今回でも引き継いではいるのですが、それだけじゃないというか。本当にシリアスな表情も織り交ぜていたり、心の内の部分もより真に迫るというか、雰囲気的にも結構重ための部分。『SPY×FAMILY』は、重ための部分とコミカルな部分が両方しっかりあるのが魅力だと思うのですが、ヨルさん自身は、ものすごく重い部分には触れすぎずに通ってきた気がしています。ロイドさん、アーニャさんの事情を知らないということもあって、自分の心の内を大きく見せることもあまりなかった。でも、今回は違うぞと。ヨルさん自身も深い思いがあって、『自分がどうしてこの仕事をしているのか』と悩んで、モヤモヤしてしまう。それが戦いに全部出てしまうような場面もあります。これまでは迷いがあったとしても、そこまで影響することがなかったと思うので、新しい一面だなと感じました」

 豪華客船での激しい戦いも描かれ、ヨルさんの迷い、悩みと共に“強さ”を改めて感じるエピソードでもある。早見さんは「なんてすてきなお話なんだろう」と心を動かされたという。

 「『豪華客船編』を終えるまでに、ヨルさんの悩み、考えがどのような着地点を見つけるのか。ヨルさん自身の心の中も、外側も、確固たるものが一つ見つかったのかな?と思えるお話だなと思います」

 早見さんは、以前インタビューで、ヨルさんを演じる上で「その都度、パターン化せず、演技を積み重ねていくうちに何千何万通りの顔があるようにしていけたら一番いいのかなと思います」と語ったことがある。「豪華客船編」では、これまで以上にヨルの魅力が感じられるはずだ。

 ※種崎敦美さんの「崎」は「たつさき」

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