青山吉能×長谷川育美:「ぼっち・ざ・ろっく!」 伝説のライブ「結束バンドLIVE-恒星-」の裏側 見たことがない景色!

「ぼっち・ざ・ろっく!」の後藤ひとり役の青山吉能さん(左)と喜多郁代役の長谷川育美さん
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「ぼっち・ざ・ろっく!」の後藤ひとり役の青山吉能さん(左)と喜多郁代役の長谷川育美さん

 「まんがタイムきららMAX」(芳文社)で連載中のはまじあきさんの4コママンガが原作のテレビアニメ「ぼっち・ざ・ろっく!」。5月21日にZepp Haneda (TOKYO)(東京都大田区)で開催され、“伝説”となったライブイベント「結束バンドLIVE-恒星-」のブルーレイディスク(BD)&DVDが11月22日に発売され、11月17~30日には同映像が劇場上映される。ライブでは、後藤ひとり役の青山吉能さん、伊地知虹夏役の鈴代紗弓さん、山田リョウ役の水野朔さん、喜多郁代役の長谷川育美さんが登場。長谷川さんがメインボーカルを務め、バンド編成で作中のバンド「結束バンド」の楽曲を披露し、熱いパフォーマンスを繰り広げた。ライブはオンラインでも配信され、X(ツイッター)で関連ワードがトレンド入りするなど大いに盛り上がった。青山さん、長谷川さんに伝説のライブを振り返ってもらった。

ウナギノボリ

 ◇「ひとりぼっち東京」で決める!

 --ライブを振り返り、印象的だったことは?

 長谷川さん このライブをやったの、5月だったんです。すごく前みたい。夢だったんじゃないか?と。
 青山さん これまで経験してきたのは、サイリウムがキラキラ輝くライブが多かったのですが、このライブはファンの皆様の拳だけだったのがすごく珍しくて、バンドマンのライブにきた!みたいな感じがして、新鮮でした。
 長谷川さん サイリウムを禁止すると言ったわけではないですし、何本かあるのかな?とも思っていたのですが、全然なくて、その景色に感動しました。手!となって(笑い)。見たことがない景色でした。

 --ライブの映像が劇場公開されることになりました。

 青山さん 最高ですね。自分の顔が大きい画面で見られるという不安は置いておいて、結束バンドのライブをお客さんとして受け取ったことが今までなかったので、皆さんと同じものを同じように受け取れることがうれしいです。
 長谷川さん 大きなスクリーンに自分が映ることはこれまではなかったですし、戸惑うところもあるのですが、テレビの画面などで見るのとは違いますし、きっとこのチームは劇場用のサウンドにしてくれるはずなので、そこも楽しみです。劇場ならではの楽しみ方がありますし、わくわくしています。

 --ライブのセットリストで印象に残っていることは?

 長谷川さん 1曲目の「ひとりぼっち東京」は、イントロのない状態で始まりますし、スタッフさんに、大変だよ……と脅されていまして(笑い)。ただ、決まったらめちゃくちゃ格好よくなるし、インパクトが大きい。ここを決めたらいける!と思っていました。
 青山さん 格好いい! ステージに上がる育美さんの背中を見て、頑張れ!と祈っていたのですが、あまりにも格好よすぎて、目がハートになりました。ガチ恋です。
 長谷川さん 3人(青山さん、鈴代さん、水野さん)が送りだしてくれたんです。
 青山さん しびれました。

 --青山さんはアンコールで登場し、「転がる岩、君に朝が降る」でギター演奏も披露しました。

 青山さん 待ち時間が長かった! 育美、紗弓、朔が自分のパートを終えて、すがすがしい顔で帰ってくるんです。いやあ楽しかった!って。こっちは気が気じゃない(笑い)。
 長谷川さん 追い詰められていくよね。
 青山さん みんながすがすがしい顔で帰ってくるから、よっぽど楽しいんだな……とワクワクしたところもありますし、それこそ1曲目の「ひとりぼっち東京」を育美が歌い出した瞬間のお客さんのボルテージの上がり方も感じていたので、勇気をもらいながら待っていました。自分にとってとてもいい時間でした。
 長谷川さん 控え室は、この2人(青山さん、長谷川さん)が一緒だったのですが、部屋でずっとギターを持っていたよね。
 青山さん ピックを落としたらどうしよう?とか、ギター経験がなさすぎて、起こりうるアクシデントが分からなくて。朔は全然楽屋にいなくて、袖でずっとガチ恋ファンをしていて、紗弓はソワソワして、行ったり来たりしていた(笑い)。
 長谷川さん 私はステージにいたので、裏を知らないんです。終わった後、スマホを触って、SNSのトレンドに上がっているのを見て、喜んでいたら、みんなに「ずっと前から上がっているよ」と言われたり。温度差があって、取り残されたみたいでした(笑い)。
 青山さん 私たちはハッシュタグを追っていましたからね。アニメのリアルタイム視聴みたいな感じだったんです。オンラインで見てくださっている方もたくさんいて、うれしかったです。
 長谷川さん 反応を全部見たいけど、あまりにも多すぎて、諦めるしかない……となったり。うれしかったです。

 ◇今だから言えるハプニング

 --それぞれのパフォーマンスの印象は?

 青山さん 育美さんは、もうバケモノだと思いました。歌がうまい人はいるんですけど、育美さんは歌心がある。うまいだけで収まらない何かが一曲一曲に詰まっていて、なおかつ喜多ちゃんでもあり、育美さんであるみたいなハイブリッドのライブなんです。ここでちょっと手を伸ばしてくれたらいいな……と思ったら、そういうことを全部やってくれる。アニメで喜多ちゃんがやっていたことを全部拾っているんです。公式!となるし、解釈が広がるのが、すごいです。それに、あの体力を私に求められてもできませんよ!と言いたい。本当にすごい。話が止まらないです。
 長谷川さん うれしい!
 青山さん アーティスト経験があって声優になりました……とかではなく、育美は一人でここまでライブをするのは初めてなんですよね。やめてくれよ……と思いました。喉の耐久力もそうですし、パフォーマンスもそうです。向上心もすごいんです。4月のイベントで歌った後に「悔しい」と言っていたけど、いや、何が悔しいんだろう? 全然100点満点と思っていたんですけど、5月のライブで150点を叩き出す。この人はどこまでストイックなんだろう……と感じました。頑張ってますよ!みたいな素振りを出さないですし、すごく尊敬しています。
 長谷川さん こんなに褒められましたが、この人(青山さん)もバケモノじゃないですか。だって、アンコールで出てくるんですよ。「転がる岩」をやるとは誰も知らない中、ギターを抱えて出てきて、声援を受けて、私だったら弦を押さえられません。一回、トークを挟ませて!となります。リハとは全然景色が違うし、何が待っているのか分からない状態で、始めたばかりのギターを持って、ソロもありますし、それができる度胸がおかしい! みんなで出てきたのではなく、一人ですからね。結束バンドのみんなで一緒にご飯に行った時、ギターケースを背負ってきたことがあって、頑張っているんだな……と思っていました。でも、自分からは大変だとは言わない。こんな短期間でZeppのステージに上がって、ギターを弾いて、歌うんですよ! 歌もよかったですし、表情もよかったですよね。練習の方がうまくいったとか悔しい思いもあったかもしれません。でも、全部がよかった。
 青山さん 普段とは違ってギターのこともあるので、表情のことなんて考えられず、必死でした。
 長谷川さん それがいいんだよ! 勝てない!と思いました。
 青山さん 表情を作り込みすぎなかったのが、よかったのかもしれません。
 長谷川さん 朔は最初、緊張していましたよね。後半になるにつれて、乗ってきているのが分かりました。
 青山さん ライブをしている感じが一番しました。
 長谷川さん 「カラカラ」は本当に難しい曲ですし、生で歌えるなんておかしいですよ。朔は本当に歌がうまい。
 青山さん 紗弓も“生きる虹夏”でしたよね。
 長谷川さん 紗弓のステージのあの感じは、ほかの3人では絶対に出せません。天性の「陽の空気」がありますよね。
 青山さん ステージの色が変わりました。照明ではなく、花が咲くような。絶対緊張しているはずなんだけど、全く感じないんです。ひょうひょうとしているのとは違いますし。
 長谷川さん それぞれステージの印象が全く違いました。
 青山さん 結束バンドはキャラもそうですが、キャストも4人それぞれ個性が全然違うんですよね。

 --今だから言えるハプニングはありますか?

 青山さん 育美さんが、集合場所に来なくて……。
 長谷川さん 余裕を持って家を出て、遅刻したんです。寝坊とかではなく、乗る電車を間違えて、反対方向に行ってしまい……。それでも、きょうの失敗はこれで終わり! この後は失敗しない!と切り替えました。
 青山さん 私は「転がる岩」のAメロのギター演奏で弦を抑える箇所が1フレットずつずれていました。
 長谷川さん そうなの!?
 青山さん その後、本当はサビでは前を見て、ノールックで弾きたかったんですけど、サビもギターをガン見してしまいました。それが悔しかったです。人の顔がいっぱい!?となって、圧倒されたんです。
 長谷川さん 生ものだからね。盛り上がりまくって、あそこが最高潮だったからね。
 青山さん ガクブルでしたね。

 ◇声優として可能性を広げた

 --ライブを通じて感じた「ぼっち・ざ・ろっく!」の音楽の魅力は?

 青山さん 生音で勝負できるのが、強みですよね。ボーカルが強いです!
 長谷川さん 喜多ちゃんが歌っているので、大枠ではキャラソンに該当するのですが、キャラソンの枠から大きく外れている感じもします。ステージでも「ぼっち・ざ・ろっく!」の楽曲の色を改めて感じていました。楽曲から作品に入ってくださる方もたくさんいて、作品の間口を広げているんですよね。

 --ライブを経てキャラクターへの思いに変化はあった?

 青山さん なんであんなに猫背になるんだろう?と思っていたけど、ライブを経験して、分かるな……と気付きました。
 長谷川さん 私はギターをやっていないので、100%分かるわけではないのですが、喜多ちゃんとしてステージに立たせていただき、レコーディングでの歌とライブの歌では見せるものが違うとも感じました。Zeppのステージに立っているので、喜多ちゃんとしても成長が見えてもいいのか?という思いがありつつ、喜多ちゃんに寄り添いながら、やらせていただきました。

 --「ぼっち・ざ・ろっく!」の大ヒットを受けて感じていることは?

 青山さん もう、わけが分からないです。どこに行っても「ぼっち・ざ・ろっく!」の話をしていただきますし、すごいね!と言っていただけます。自分たちは何も変わっていないけど、反響を受けて、そこで自覚することが多くて、不思議な感覚です。
 長谷川さん 収録の時から作品として面白いのは分かっていましたし、自信はあったんですけど、ここまでとは……と想像以上の反響でした。
 青山さん 作品に連れてきてもらったんです。自分たちがなしえたと思ったことは一度もありません。

 -ー青山さんは放送開始前のインタビューで「代表作なんだ!という思いで臨んでいます」とも語っていました。

 青山さん 本当にそうなったんです。声優として可能性を広げていただいた作品です。
 長谷川さん 私も可能性を広げていただきました。
 青山さん 育美さんは、ライブもすごいしね。
 長谷川さん 結束バンドのボーカルという大きなものを背負い、プレッシャーもあります。喜多ちゃんの歌はアプローチが特殊で、自由に歌わせていただいているところもあります。喜多ちゃんはどんな曲でも歌いこなせるキャラクターですし、可愛い感じを100%表現するわけではないんです。いろいろな曲があって、難しくもあるのですが、すごく楽しかったです。

 ◇今後のライブにも期待

 --劇場総集編の前編が2024年春 後編は同年夏に公開されます。今後の展開で期待していることは?

 青山さん 期待と言われると……。彼女たちの未来をもっと表現できる場があったらうれしいです。劇場総集編もライブ映像の劇場公開も当たり前のことではありませんし、皆さんの反響、初めてこの作品に触れる方の反応を知りたいです。ライブを見に行こうかな? アニメをもう一回見てみようかな?と思っていただけるとうれしいです。それに、結束バンドのライブをもっと見たいです。
 長谷川さん 私も全く同じです。アニメが始まって1年たって、ライブ映像の上映ができ、さらに劇場総集編があるというのは、作品が今後も続いていくために、すごく重要なことだと思います。これを機に改めてもっと熱を持っていただければうれしいですし、作品を知らない人にも知っていただきたい気持ちもあります。私もライブをもっとやりたいです。結束バンドの可能性がどんどん広がっていったらうれしいですね。

 --今後、ライブができたとしてやってみたいことは?

 青山さん 楽器をやってくださいよ。
 長谷川さん よっぴの演奏を見たら、そんなこと簡単に言えないよ。
 青山さん ツアーもやりたい! 海外でもやりたい!
 長谷川さん 生配信をしていると、海外の方からのコメントも多いですしね。ワールドツアーも格好いいですね。
 青山さん 1曲くらい現地の言葉で歌ったり。
 長谷川さん それは難しい……。やめよう!
 青山さん 私も無理!

 --新曲も期待したいところです。

 長谷川さん 新曲もほしいです! 私も聴きたい!

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