高橋李依:テレビアニメ「スナックバス江」 下ネタは大丈夫? ここまですごいのは初めて!?

「スナックバス江」の一場面(c)フォビドゥン澁川/集英社・「スナックバス江」常連一同 
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「スナックバス江」の一場面(c)フォビドゥン澁川/集英社・「スナックバス江」常連一同 

 「週刊ヤングジャンプ」(集英社)で連載中のフォビドゥン澁川さんのマンガが原作のテレビアニメ「スナックバス江」で、声優の高橋李依さんがチーママの明美を演じることが話題になっている。北海道最大の繁華街・すすきのから5駅離れた北24条のスナックを舞台に、ママやチーママの明美、常連ら個性的な人々が“ムダ話”を繰り広げる様子を描いたマンガで、会話の内容は、下ネタも多い。高橋さんは、子供向けアニメから深夜アニメまでさまざまな作品で存在感を示している人気声優で、爽やかで明るく、真っすぐな印象を持っている人も多いはず。そんな高橋さんが場末のスナックで下ネタを繰り出す明美をどう演じるのか? そもそも大丈夫なの!? 高橋さんを直撃した。

ウナギノボリ

 ◇うれしい! ワクワク!!

 「スナックバス江」は、「週刊ヤングジャンプ」で2017年から連載されている。アニメは芦名みのるさんが監督を務め、脚本、シリーズ構成、美術監督も担当し、スタジオぷYUKAIが制作する。TOKYO MX、HTB北海道テレビ、BS朝日、AT-Xで1月12日から順次放送される。

 高橋さんは、オファーされる形で明美を演じることになった。

 「芦名監督から『スナックバス江』という作品が面白いんだ!と話を聞いておりまして、読んでいました。こういうギャグがあるんだ!みたいな(笑い)。まさかのアニメ化ですし、オファーという形でお声掛けいただいて、ファンの方も多い作品なので、頑張りたい!という気持ちがありました」

 「頑張りたい!」と語る高橋さんはやっぱり爽やかで、“場末”とは対極になるようにも感じる。下ネタは大丈夫なのだろうか?

 「既にデビュー3年目くらいの頃に言った機会がありまして、その辺から準備運動はしてきているんです。ただ、ここまですごいのは初めてです(笑い)。私としてはすごくやりたかったですし、事務所的にも大丈夫という判断のようですし……。作品に合わせて、いろいろな性格のキャラクターを演じられるのは声優の楽しさでもあるので、明美ちゃんを演じられてうれしいです。ワクワクしています!」

 高橋さんは「スナックバス江」の出演にあたり、実際にスナックに行ってみたという。

 「スナックは行ったことなくて。この作品に出演することが決まって、監督たちと一緒に作画の参考となったスナックにお邪魔させていただきました。ママたちがすごく面白く、にぎやかで、モノマネをやってくれたり、おもてなし精神がすごいスナックだったので、こんなに楽しくて、活気にあふれたところなんだ!とインプットしました。ただ、第1話の収録に行ったら、監督から『いや、あれはショーパブみたいなスナックだから。もっと違うんだ。ごめん、行ったところが参考にならなかった』と言われて、じゃあ、何を見せたの!?となったり(笑い)」

 ちなみに「お酒はすごく好き」なのだという。

 「居酒屋に行くことが多いですね。基本、生からのハイボールです。食事に合わせることもありますし、日本酒を飲む方と一緒だったら、おちょこでいただくこともあります。飲むと熱くなって、議論しちゃいますかね。けんかとかはしないですよ。仕事が大好きだから、議題は基本的に仕事のこと。お酒の席でも、相手を否定するような議論はしたくないし、楽しく飲みたい。みんなで褒め合って終わりたいですね」

 ◇会話を今生まれた言葉に

 高橋さんが演じる明美は、スナックを訪れる個性的な客をあしらいつつ、とんでもない発言をすることもある。

 「真っすぐで、自分の気持ちに正直。絵の印象が可愛らしいという、ギャップも面白いんですよね。ちゃんと女子をやっているところをベースにしつつ、意見を忌憚(きたん)なく言うところが個性だと思って、向き合っています。あるシーンでは、監督からのアドバイスで『高橋が飲み会の席で、話を終わらそうとする時のあれだよ』と言われ、ああ……あるな!って(笑い)。もしかしたら似ているかもしれない。ノリはちょっと分かるんです」

 会話劇が中心の作品ということもあり、アニメでどのように表現されるかも注目される。

 「マンガを勢いよく読んでいたこともあり、ハイテンションなギャグだと思っていたんですけど、『スナックは常時ハイテンションじゃない。この作品はスナックなんだ』とアフレコのテストの時に教えていただいたんです。足し算をするギャグではなく、引き算をして、スナックでの会話を成立させています。キャスト陣でこの感覚を共有して、みんなで頑張りました」

 スナックならではの“スナックギャグ”や“スナック感覚”が大切になっているという。

 「相手と会話することを一番大切にしています。言語化するのが難しいのですが……。台本を開くと、せりふが書いてあって、会話の流れが完成されていますよね?このせりふの次はこのせりふで……と流れが決まっているのですが、あえて先読みしすぎずに、ちゃんと今生まれた言葉にしていかないと、“スナックギャグ”に聞こえないんです。お芝居のテンポ感も、“スナック感覚”にチューニングしていく。スナックは、みんなが落ち着く場所で、ムーディーでゆっくりしています。実はお酒を作る所作などもしっかり監修されていて、スナックをちゃんと描く!というところはみんなで目指していますね。見終わったら通いたくなっていると思います」

 収録の中でせりふの下ネタも自然に言えているという。

 「会話が面白くて、例えば山田が『うーん』と言ったことに対して『うんこ?』と聞き返したり。アフレコでは会話を成立させることに注力しているので、単語に対しては平気になっていまして(笑い)。邪念を抱かずに心から掛け合えていますよ。明美ちゃんは『仕事でやってるだけだし!』と勇ましい感じもありますしね。その感覚のおかげか、スタジオではなんでも言えちゃうモードになってしまっているんですけど、外では言わないように気を付けないといけないですね」

 ◇おじさんたちがマジでうるさい(笑い)

 バス江役の斉藤貴美子さん、山田役の阿座上洋平さん、タツ兄役の落合福嗣さん、森田役の岩崎諒太さん、風間役の福島潤さんら豪華声優陣が出演する。

 「本編を収録した後、アフタートークというものがありまして。現場に残っている人たち全員が見守りながら、収録したエピソードを振り返っていく企画です。これは愛のある表現なんですが、周りのおじさんたちがマジでうるさい(笑い)。このアフレコアフタートークを聞いていただけると、現場のにぎやかさが伝わってくると思います。 ママに関しては、インパクトがあって、強い女みたいな第一印象があるかもしれませんが、基本マスコット感も強いんです。お茶目で可愛く、場の空気を和ませてくれる。たまに激しい表情もするんですけど、根底に優しさが詰まっていて、愛されるおばあちゃんですね。あんな唯一無二のキャラクターを表現していく貴美子さん、改めてさすがです!」

 高橋さんは“座長”として個性豊かな声優陣をまとめているのだろうか?

 「実は自分がトップクレジットされることに気付くのが遅くて(笑い)。バス江ママが主人公で座長だと思っていました。それに今作は、監督自身がテスト終わりにアフレコブースに顔を出して、指示出しをしてくださるので、監督が座長みたいな感覚もあります。明美ちゃんもきっと、ここはママのお店でしょう?みたいな、責任の所在はほどよく人任せにしていそうでもあって(笑い)。この作品ならではの空気感ですね」

 高橋さんは笑顔で「楽しいです!」と話す。高橋さんの言葉は爽やかではあるが、一体どうなるのか? 放送を楽しみにしていてほしい。

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