ドラゴンボールDAIMA
第11話 デンセツ
12月23日(月)放送分
吾峠呼世晴(ごとうげ・こよはる)さんの人気マンガが原作のアニメ「鬼滅の刃」。フジテレビ系で春から放送される新作テレビアニメ「柱稽古編」では、宿敵・鬼舞辻無惨(きぶつじ・むざん)との決戦に向けた“柱稽古”が描かれる。無惨は1000年以上前に初めて鬼になった存在で、唯一人間を鬼に変えることができる“ラスボス”だ。人間を食らい、同類である鬼も容赦なく殺してしまうような男で、無惨が配下の鬼を前に理不尽に振る舞う様子はファンの間で「パワハラ会議」とも言われ、話題になった。なぜ無惨はひどい“パワハラ上司”になってしまったのか、解説する。
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無惨のパワハラぶりをファンに印象づけたのは、「竈門炭治郎 立志編」の最終話となった第26話だった。那田蜘蛛(なたぐも)山の戦いで、無惨直属の精鋭である十二鬼月の下弦の伍・累(るい)が鬼殺隊に倒されたことを受け、下弦の鬼たちが無惨の元に集められた。無惨は下弦の鬼たちのふがいなさに激怒し、下弦の壱の魘夢(えんむ)を残して4人の鬼を惨殺。初めて登場したにもかかわらず即“退場”させられた下弦の弍を楠大典さん、下弦の参を保志総一朗さん、下弦の肆を植田佳奈さん、下弦の陸をKENNさんという豪華声優陣が演じていたこともあり、話題になった。
「刀鍛冶の里編」の第1話では、鬼の最高位にあたる上弦の鬼たちがパワハラ会議の餌食となった。「刀鍛冶の里編」の前作「遊郭編」で、上弦の陸の堕姫(だき)と妓夫太郎(ぎゅうたろう)の兄妹が鬼殺隊に倒されるという鬼にとっての大事件が起こる。無惨は上弦の鬼を無限城に招集し、「113年ぶりに上弦が殺されて私は不快の絶頂だ」と激怒。「私はお前たちに期待しない」「これからはもっと死に物狂いでやったほうがいい」と叱責した。
無惨は、新情報をつかんだと報告する上弦の伍の玉壺(ぎょっこ)に対しても、瞬時に首を斬り、「まだ確定していない情報を喜々として伝えようとするな」というパワハラぶりを発揮。その迫力に上弦の壱の黒死牟(こくしぼう)、上弦の弐の童磨(どうま)、上弦の参の猗窩座(あかざ)もこうべを垂れるばかりで、上弦の肆の半天狗(はんてんぐ)に至っては「ヒイイッ!」と震え上がっていた。
パワハラ会議などからも分かるように無惨は、常にイライラし、何かに怒っている印象だ。このイライラの理由は、「刀鍛冶の里編」の最終話となった第11話で描かれた無惨の過去にあるようだ。
無惨は約1000年前の平安時代、重い病をわずらっていた。医者が作った薬を飲んでも病気は一向に直らず、イラ立つ無惨は医者を殺してしまう。しかし、その後、医者が処方する薬が効いていたことが判明。無惨は、強じんな肉体と引き換えに、太陽の光を浴びられない体になってしまう。太陽を克服するべく、青色の彼岸花を使った薬を求めるも、その花の生息地や栽培方法を知っているのは無惨が殺した医者のみだった。
太陽が浴びられない体になり、昼間の行動を制限されるのは、無惨にとって「屈辱であり、怒りが募った」と語っており、“本当の不死”を手に入れるため、青い彼岸花と太陽を克服できる体質の者を探すことを最優先に生きることになった。自身の同類(=鬼)を増やしたのも、そのためだったようだ。しかし、青い彼岸花も太陽を克服できる者も見つからなかった。つまり、無惨は1000年間、屈辱と怒りを募らせ続けていたのだ。そもそも医者を殺さなければよかったのでは?というツッコミどころはあるものの、1000年もイライラしていれば、パワハラ上司になってしまうのかもしれない。
そんな中で、「刀鍛冶の里編」の最終話では、鬼である竈門禰豆子が太陽の光を克服した。無惨にとっては大いなる朗報である。人間の子供になりすまして暮らす無惨は、興奮のあまり養母、メイドを殺害。あまりにうれしかったのか、刀鍛冶の里で鬼殺隊と戦った半天狗に対し、「よくやった半天狗」と超レアなねぎらいの言葉を発した。
無惨は「あの娘を食って取り込めば私も太陽を克服できる」と禰豆子を狙うような発言をしている。念願をかなえる糸口を見つけた無惨が今後、どのような動きを見せるのか。部下へのパワハラは多少は弱まるのか。「柱稽古編」の展開が注目される。
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