ドラゴンボールDAIMA
第6話 イナヅマ
11月18日(月)放送分
人気アニメ「機動戦士ガンダムSEED」シリーズの完全新作「機動戦士ガンダムSEED FREEDOM」。2006年に制作が発表され、その後は長らく続報が途絶えていたが、発表から約18年を経て、ついに1月26日に公開された。まさに待望の新作ということもあり、2月8日付けで興行収入が約21億2000万円を記録するなど大ヒットしている。主人公のキラ・ヤマト役の保志総一朗さんは、新作が公開され「これを待っていたんだな!と感じています」と語る。2002年のテレビアニメのスタートから20年以上にわたり、キラを演じつづけてきた保志さんに、同シリーズへの思いを聞いた。
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「機動戦士ガンダムSEED」は2002年10月~2003年9月、続編「機動戦士ガンダムSEED DESTINY」は2004年10月~2005年10月に放送された。これまでの「ガンダム」シリーズのファンに加え、多くの女性層を獲得し、“21世紀のファーストガンダム”とも呼ばれている。
「SEED FREEDOM」は公開まで“ネタバレ”が禁止されていた。保志さんは公開前のイベントで同作について語る時、言葉を選びながら、素晴らしさを伝えようとしていたのが印象的だった。「苦しかったです。何かを言うと、そこからいろいろ想像する方もいるでしょうし。『よかった』と言っても、推測されることがありそうで、難しかったです」と笑顔で語る。
劇場版の発表から約18年を経て公開されたこともあり、特別な思いがあった。
「長年待ち続けた作品ですし、出演者としての思いがありますし、『SEED』のファンとして楽しみにしているところもありました。ファンとしての気持ちは皆さんと同じです。言葉では表せないような思いがたくさんあります。正直、公開されるまでの数週間、ドキドキがすごくありました。長年の思いがあるから、公開される寂しさもあったんです。公開されると、劇場版はある種の完結を迎えるわけですし、うれしいんだけど、寂しい。待っている期間の楽しさってあるじゃないですか。それがなくなってしまう寂しさがあり、もちろん寂しさよりも喜びが大きいんですけどね。今の心境としては、作品に関わってきた視点とは違う、落ち着いた視点で作品を楽しみたいと思っています」
劇場版が公開されると、SNSで関連ワードがトレンド入りするなど大きな反響を呼んだ。
「SNSでごく一部の意見しか目にはしていませんが、大きな反響を感じていますし、満足していただけたという実感があります。正直、少し怖い部分もあったんです。キラとラクスの物語に焦点を当てていますが、『SEED』の全体の物語がどう動くのか?などそれぞれに求めるものがあるでしょうし、どういうふうに刺さるのだろうか……というところは未知数だったんです。僕はキラの視点で演じていますし、大満足なのですが、皆さんはどうなのかな?という不安がありました。それぞれのキャラクターが輝いていて、2時間によく収まったな……とも思うのですが」
保志さんが話すように「SEED」シリーズは群像劇としての魅力もある。「SEED FREEDOM」は各キャラクターの魅力が凝縮されている。保志さんが演じるキラは「SEED DESTINY」では悟りの境地に至ったようなところもあったが、「SEED FREEDOM」では“人間らしさ”が見えるシーンもある。キラの変化をどのように感じているのだろうか?
「僕としても『DESTINY』のキラは完成されたように感じているところがあります。シンやアスランが人間くさい部分を見せ、葛藤している中、キラだけ超人めいているようにも見えます。今回は、キラの視点で内面が描かれていて、台本を読んだ段階でびっくりしたところもありました。『SEED DESTINY』から2年たって、成長しているところもありますが、キラの持っていた弱さも見えます。どうにもならないつらさ、悩み、葛藤があり、キラもただの超人ではないところを感じていました。弱さを見せることで、本来持っている魅力も見えてきます。みんなが思うほど、出来上がってないところに、びっくりしたけど、うれしい部分でもありました。『SEED』の時はキラと一緒に悩み、リンクしながら手探りでできたところもあったのですが、『SEED DESTINY』では先に行かれたような感覚もありました。今回は一緒に悩んで、ぶつかることができ、より身近な存在というのが感じられたことがうれしかったんです」
キラは超人めいているが、悩むこともある。保志さんの演技からその絶妙なバランスを感じる。
「自分の中でいろんなことを経験し、乗り越え、成長したキラなので、昔みたいに何も分からずに悩むというよりは、乗り越えたものがあるからこその葛藤になっているはずです。監督から『もっと感情を出しちゃっていい』というディレクションがありました。『SEED DESTINY』を経験したこともあって、僕の中で無意識に抑えているところがあり、少し大人なキラになっていたところがあったんです。最初は少し苦労しました。自分の中の気持ちのすり合わせが必要でした」
収録はアスラン・ザラ役の石田彰さんらと一緒にできた。劇場版のイベントで、保志さん、石田さんら声優陣がトークする姿を見ていると、いい意味でリラックスしていて優しい空気を感じたことがあった。
石田さんは、インタビューで「そういった柔らかい雰囲気を感じられたのだとしたら、20年の時を経ているとはいえ、シリーズを通して同じ釜の飯を食った的な気安さがあったからだと言えるのかもしれません。でも一番大きな理由は一瞬でその場の空気を染め上げる保志君の人間力のおかげだろうというのが個人的な推測です」とも語っていた。保志さんはどう感じているのだろうか?
「穏やかなのは、石田さんの空気ですよ! 石田さんがいると落ち着きますし、アスランと重なるところがあって、頼りになりますし、安心感があります。アフレコでもそういうところがありました」
「SEED FREEDOM」では、キラがアスランに対して素直な気持ちをぶつける名場面がある。保志さんが「石田さんだから、受け止めてくれると分かっていますし、安心してぶつかれました。アスランとのやり取りはうれしかったです」と話すように、「安心感」があるからこそ、名演は生まれた。
「SEED DESTINY」の放送終了後もゲームなどさまざまな場面でキラを演じる機会はあった。ただ、一人で収録することが多かったといい、声優陣が再集結しての収録は格別だったという。
「ありがたいことなのですが、『SEED DESTINY』が終わってからも、毎年のようにさまざまな形でキラを演じさせていただく機会がありました。基本は一人でキラを演じ続けていて、テレビアニメと同じせりふを収録することもあるのですが、今回は初めてのせりふで、掛け合う相手がいました。戻ってきたな!という感覚がありました。みんなと一緒に掛け合って作ってきたことを思い出し、悩んだところもあったのですが、迷いなくできたところもあります」
保志さんは数々の作品に出演している人気声優ではあるが、代表作と言われれば、「SEED」となる人も多いはず。それくらい「SEED」、キラは大きなインパクトを残した。最後に、保志さんにとって「SEED」とはどんな存在なのか?を聞いた。
「僕と言えば『SEED』を思い浮かべる方も多いでしょうし、いろいろな意味で大きくなりすぎているところもあると思います。一つ一つの作品が大事なのですが、思い入れはすごくあります。正直に言うと『SEED DESTINY』で満足していたんです。劇場版はなさそうだな……と思った時期もありました。でも、新作でキラとラクスの物語に、ある種のけじめがついたことがすごくよかったですし、説明が難しいのですが、新作によって自分の中の『SEED』という存在が、より完成されたようにも感じています。これで終わりではないし、『SEED』が自分の中で再スタートし、ここからが新たな『SEED』だ……と物語に新たな思いを馳せることができます。これを待っていたんだな!と感じています」
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