名探偵コナン
#1146「汽笛の聞こえる古書店4」
12月21日(土)放送分
「週刊少年マガジン」(講談社)で連載中のマンガが原作のテレビアニメ「シャングリラ・フロンティア」。原作は小説投稿サイト「小説家になろう」で人気のライトノベルのコミカライズで、クソゲーを愛好するゲーマーの陽務楽郎が、プレーヤー数3000万人を誇る神ゲー「シャングリラ・フロンティア」に挑戦する姿が描かれる。テレビアニメは、今年1月から第2クールに突入し、サンラクたちとユニークモンスター“七つの最強種”の一角、墓守のウェザエモンとの激闘が描かれている。ウェザエモン戦のクライマックスに向けて、サンラク/陽務楽郎役の内田雄馬さん、サンラクと共に戦うアーサー・ペンシルゴン/天音永遠役の日笠陽子さん、オイカッツォ/魚臣慧役の小市眞琴さんに収録の裏側、見どころを聞いた。
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内田さん “成長”というよりは、まだまだサンラクの見せていない力が引き出されていくような感覚です。元々持っていたものをフルに生かすというか。ウェザエモンは相当強くて、いろいろな引き出しを開かないと勝てない。サンラクがそういう相手にたどり着いたという感じがします。リュカオーン(七つの最強種の一角)との戦いでもその感覚はあったのですが、サンラクがさらに新しい引き出しを出してくるような感じがしています。
小市さん 私はオイカッツォがすごく好きなんです。「シャンフロ」の世界では可愛らしい見た目なんですけど、“中の人”は男の子なので、顔芸かと思うほどすごく表情が豊かで。プロゲーマーのKeiとしてめちゃくちゃ格好いい一面もあって、その振り幅が魅力だなと思います。
小市さん 2人でペンシルゴンに対して、ニヤニヤしながら突っかかっていく感じとか、演じていても楽しかったです。
内田さん オイカッツォは面白いキャラクターですよね。サンラクとオイカッツォがそろうと、マジでたちが悪いなと思います。2人はゲームの遊び方を知っている感じがして、同じように遊べるのが面白いところなのかなと。「シャンフロ」とは別の「ユナイト・ラウンズ」というゲームでも2人の“悪友感”が描かれているのですが、どんどん回を重ねるごとに収録でも「もっと煽る感じで」みたいなディレクションが入ってきているので、よりお互いに仕掛け合いというか。
小市さん たしかに、煽り合いをずっとやっている気がします。
内田さん 楽しんで、笑顔で煽り合うという(笑い)。その変なたちの悪さが面白いです。
小市さん そこでクールにペンシルゴンが一言入れたりとか。
日笠さん クソガキどもよ、あんたたちは!(笑い)。
内田さん なんて言葉を!(笑い)。
日笠さん ペンシルゴン&カッツォ対サンラクになることもたまにあるんだけどね。でも、サンラクとペンシルゴンが結託してカッツォを煽るようなことはあまりないかもしれない。
内田さん そうですね。そういう意味では、ペンシルゴンは自分の美学が強いというか。オイカッツォは王道派で、いろいろな人の攻略を見て、ベストだと思う攻略法を追っかけられるゲーマーぽい思考の人だなと思うんです。でも、ペンシルゴンとサンラクは「己の快楽はここ!」「己の気持ちいいことはこれだ」というのがはっきりしすぎている。それに振り回されているのがオイカッツォだと思うんです。だから、オイカッツォがサンラク、ペンシルゴンとくっつくことはあると思うけど、サンラクとペンシルゴンがくっつくことはあまりないのかもしれないですね。
日笠さん 私は、収録の初期の頃は、何かを企んでいるとか、なんなら殺意が漏れているみたいなキャラ作りをしていったんです。ちょっと少年のような、悪巧み感というか、イタズラっぽさを入れようと思っていたんです。でも、音響監督の藤田(亜紀子)さんから「逆にもっと女性的にしたい」と言われて、最初は藤田さんと私が思うペンシルゴン像がちょっとだけずれていて、そこを擦り合わせるために結構話しました。
日笠さん 少し語尾に息を持たせるとか、少し柔らかいニュアンス、音を使ってみたり、まず技術的なところから入ってみて、そこから感情を追っていくみたいなキャラ作りをしていきました。だから、自分の中では第一印象からかなり変わったキャラクターです。最初は、原作の戦っているイメージが強くて、そっちに引っ張られすぎていたんだと思います。そういう意味では、戦っているシーンでは、「もっと女性的に」というディレクションはあまりなかったんです。だから、オンとオフのバランス感を考えて、ペンシルゴンというキャラをアニメーションに落とし込んでいったという感じです。
日笠さん 特にセツナの下りはそうですね。さっき雄馬くんが言ったように、ペンシルゴンは自分の快楽に忠実なんですけど、自分の中でひっかかる何かがあった時に、本心が出てくるのかなと思います。ロマンチストな一面をサンラクやカッツォにイジられるシーンがありましたが、私もイジられるほうが気が楽でした。なんだか気恥ずかしいから。
内田さん ペンシルゴンに対して、最初はもっとミステリアスな雰囲気を感じていたんですけど、「楽しい」ということに関してはしっかり表情を出す人なんだなとアニメを見ていてすごく思ったんです。だから、可愛く見えてきたというか。ペンシルゴンの人間味みたいなものが、アニメでより感じられました。
内田さん これはみんな感じていることだと思うのですが、アクションの激しさです。収録も激しかったので。
小市さん 激しかったですね。
内田さん ウェザエモン役の速水奨さんも含めた4人でのアフレコで、情報量も多いし、戦いの密度も濃いし、展開も多い。動いているキャラに対して息を入れるので、喉も大変なんです。喉も大変なら(画面を追う)目も大変なわけです。あらゆることがぎゅーっとウェザエモン戦には詰まっています。
日笠さん 収録を思い出すと、ちょっと怖いね。
内田さん ヒヤッ……!となります。
小市さん 例えば、ペンシルゴンがしゃべっている後ろで、ずっとカッツォが右に行ったり左に行ったりしているシーンがあって、「やばい! ここ全部“うわー!”とか“ぎゃー”を入れなきゃいけない」と思いながらやった記憶があります。
内田さん そういうシーンで、声を入れるパターンと入れないパターンがあるんですけど、「シャンフロ」は基本的に入れていくスタイルが多いので「あー!」となる(笑い)。
日笠さん そんな中で、小市眞琴のすごいところは、テストも“本気”でやるところ。
小市さん テストは使われないことも多いですが、もしかしたらテストから採用されるかも、と。
日笠さん テストが使われることはあるんですけど、ほかのキャラと声がカブっていたら、もう使えないんだから(笑い)。でも、そういうところが、超カッツォぽくて、超好き。
小市さん 全てを全力で!
日笠さん 超好き。私もやるタイプだから。
内田さん いや、やったほうがいい。素晴らしいです。
日笠さん 本番はさらに超えていこうとするからね。
小市さん そうですね。それで、より喉がジュン!と焼き切れるという(笑い)。オーバーヒートしますね。
小市さん 緊縛のロデオは本当にきつかったです。実際に体を揺らしたり、傾けながら収録しました。
内田さん 出し切っていたよね。そのタイミングだと、ペンシルゴンもだいぶ声を張るようになって。ウェザエモン戦の第1フェーズは、ペンシルゴンは後ろで脳みそを使っていたんですけど、第2フェーズに入って、騎驎が登場してからは、結構戦っている。
日笠さん そうだね。後衛だったのが、バン!と前に行くような。だから、それぞれ回ごとに“喉ちぎれ”お当番があるから。
内田さん 体力がいるアフレコでしたね。
日笠さん ウェザエモン戦の前まで、サンラクは一人で旅していたけど、自分にいざ置き換えた時に「一人じゃなくてよかったな」って思いました。みんなと一緒に収録できなかったら、乗り越えられなかった気がする。
小市さん 心強さがありました。
内田さん マジで心強かった。
日笠さん そうだよね。(音響監督の)藤田さんが本番前に「楽しんでいきましょう」と言ってくれるんですけど、こっちは「楽しんでいる場合じゃないっしょーー!!」みたいな(笑い)。
内田さん 気持ちは「うわー! 行くしかない!」みたいな。
小市さん やりきるしかない。
日笠さん 同じタイミングで3人とも気合がバン!と入るのを感じていたから、すごい絆ができたなって。
内田さん 「シャンフロ」は、スポーツ作品と同じくらい熱量が高い作品ですね。
小市さん 「収録終わりにこんなに汗をかくのか!」というくらい汗をかいていました。びっしょびしょで。
内田さん ウェザエモン戦は、これまでの戦いと比べても非常に長い戦いとなっています。それだけし烈な戦いで、みんな全部を出し尽くして戦っていますので、皆様には最後までぜひご覧いただきたいです。何よりも「遊び尽くした者が勝つ」「楽しみ尽くした者が勝つ」という戦いかなと思うので、ぜひ皆さんも、サンラクたちと一緒に「シャンフロ」を、ウェザエモン戦を楽しみ尽くしてくれたらいいなと思っています。
小市さん 私たちも死力を尽くしてやらせていただきました。これまで放送された回でも、キャラクターの動きが本当にすごくて、アップの表情もバチバチにキマっていて、こんなに動くのにこんなに崩れず、しっかりと放送されているということに、作り手の皆さんの愛と情熱を感じています。きっとこの先のウェザエモン戦もかなりハードな戦いになるのですが、映像もすごいことになっていくんだろうなと、今から私も楽しみです。引き続き、楽しんでご覧ください。
日笠さん 「シャンフロ」はすごくスタッフさんの気合を感じる作品で、皆さんがそれぞれの仕事をきちんとやろうというのをすごく感じて、いい現場だなと思っています。私たちはキャラクターを全身で、100%の力で演じる。スタッフの皆さんは、画(え)を100%の力で描いてくださって、監督たち、音響監督さんたちが100%の力で私たちに向かい合ってくださる。ウェザエモン戦というのは、サンラク、ペンシルゴン、オイカッツォの3人の“サン・ペン・オイ”が協力して一つの敵と戦う……
内田さん サン・ペン・オイ。今、初めて聞きました(笑い)。
日笠さん そのサン・ペン・オイが、「シャンフロ」の謎に向かっていき、今後どうなっていくのか。私たち演じている側も、収録が楽しかったし、絆を感じました。背中を預けられたみたいな。この感覚って、きっとサン・ペン・オイも感じていたんだと思うんですよね。
内田さん サン・ペン・オイを広めようとしているんですか?(笑い)。
日笠さん (笑い)。そうした感情が、きっとウェザエモン戦の後のストーリーにもつながる気がしています。視聴者の皆さんも一緒に、この熱量であったり、私たちが表現する感情の機微であったりを一緒に感じてもらえたらうれしいなと思います。
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