ダンダダン
第12話「呪いの家へレッツゴー」
12月19日(木)放送分
人気アニメ「機動戦士ガンダムSEED」シリーズの完全新作「機動戦士ガンダムSEED FREEDOM」。1月26日に公開され、2月13日付けで興行収入が26億8000万円を突破するなど大ヒットしている。完全新作となる劇場版は、2006年に制作が発表され、その後は長らく続報が途絶えていたが、発表から約18年を経て、福田己津央監督らテレビアニメのスタッフが再集結し、公開を迎えた。アニメを手掛けたバンダイナムコフィルムワークスの仲寿和プロデューサーに制作の裏側を聞いた。
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「機動戦士ガンダムSEED」は2002年10月~2003年9月、続編「機動戦士ガンダムSEED DESTINY」は2004年10月~2005年10月に放送された。これまでのガンダムシリーズのファンに加え、多くの女性層を獲得し、“21世紀のファーストガンダム”とも呼ばれている。
「機動戦士ガンダムSEEDシリーズ」の劇場版が制作されたのは2006年だった。その後は長らく続報が途絶えていた。2021年5月に「機動戦士ガンダムSEED」の20周年を記念した新プロジェクト「GUNDAM SEED PROJECT ignited(イグナイテッド)」が始動し、劇場版が再始動することが発表された。仲プロデューサーは2006年当時、サンライズ(現バンダイナムコフィルムワークス)のデジタル処理や3DCGを中心に作成しているSUNRISE D.I.D.に所属していた。
「発表当時、劇場版は3DCGでMSをやると言っていて、作っているのを横目で見ていたんです。僕が劇場版の現場に入ったのは2021年の秋頃です。2017年くらいからシナリオが再始動していて、20周年が近付き、このタイミングしかない!となっていたようです。僕が現場に参加することになった時点では、シナリオがあり、コンテ、設定の発注がスタートしていました」
「SEED FREEDOM」のMS(モビルスーツ)を含むメカの多くは3DCGで表現されている。「80~85%くらいは3DCGで15~20%が作画」という。
「どこまで3Dでやるのか? スタッフをどうするか?というすり合わせが現場レベルで大変だったところもあります。作画で表現しているのは、例えばギャンシュトロームがやってきて、ライジングフリーダムを切り刻み、穴だらけになるシーンです。ライジングがボロボロに壊れるシーンは3Dでは難しいところもあり、作画にしました。クライマックスの戦闘シーンも作画です。艦隊戦などは基本的に3Dです」
キャラクターデザインの平井久司さん、メカニカルアニメーションディレクターの重田智さんらスタッフが再集結した。さらに、新たなスタッフも参加することで、新たな表現を目指した。
「3DCGをこれほど使うのはSEEDシリーズでは初めてなので、戦闘シーンに携わったのは大半が新しい人です。作画の戦闘シーンも当時は参加していなかった人が多くのカットを担っています。『劇場版Gのレコンギスタ』に参加していただいた澁川大祐さん、小松英司さん、『水星の魔女』で活躍されていた鈴木勘太さん、ベテランの方ではありますが、当時は参加していなかった大張正己さんらにも参加していただいています。SEEDの作風に寄り添いつつ、それぞれの色が出ています。『SEED』の戦闘シーンは格好よく……と求められているものがありますし、ファンが見たいものと違ってはいけない。重田さんをはじめとし、作画、3DCGのスタッフが、ファンのイメージに近付けるようにしたのが、一番頑張ったところだと思います」
「SEED」といえば、MSの派手なアクションのイメージもあるが、福田監督にインタビューした際に「『SEED』っぽいと言われるのは大体、後半戦のことですよ。スタート当初の『SEED』のMSの動きは、リアル系を意識しています。重いリアル系の動きからスタートして、どんどんスピードが上がることで、パワーが上がり、強くなっていることを表現する演出でした」とも話していた。
「『SEED DESTINY』の最後の方の戦闘のイメージが強く、それが“SEEDらしさ”だと思っていたのですが、『SEED』の最初は違うんですよね。『SEED FREEDOM』の最初の戦闘は、第1話の動き、タイミングを意識しつつ、“SEEDらしさ”もあります。後半になると“SEEDらしさ”のある動きになっていきます。スタッフがそこを共有して、どういうふうに表現するのか?と模索するのが難しかったところではあります」
MSだけでなくキャラクターの魅力もある。「SEED FREEDOM」は、ファンが「これが見たかった!」と感じるようなキャラクターの活躍が描かれている。キャラクターも“SEEDらしさ”がさく裂している。
「ファンの方が、キャラクターの扱いをどう感じるかな?と思ったところもありました。例えば、アスランが妄想するシーンなどがそうです。公開されてみると、楽しんでいただけているようで、福田監督は改めてすごいと思いました。キャラクターの行動を楽しめるように落とし込められています。『SEED』のキャラクターは、分かりやすく好まれる要素だけで構築されているわけではありません。ただ、それが魅力にもなっています。せりふにしても状況などの説明に終始するのではなく、気持ちをぶつけている。そこをしっかり描いているところが、幅広い世代に楽しんでいただいている理由なのかもしれません」
「SEED FREEDOM」は、キャラクターやMSの魅力が約2時間に凝縮されている。特に後半は、怒涛の展開で、圧倒された人も多いはずだ。
「起承転結が分かりやすく、前半を丁寧に描きつつ、後半が駆け足になりすぎていません。時間、場所が飛ぶところもあるのですが、分かりにくいわけではなく、本当にすごい構成です。後半は特に監督が大変だったと思います」
「SEED FREEDOM」は、テレビシリーズの放送から時を経て完成した。最後に改めて思いを聞いた。
「僕としては18年は長かったと思っていました。『Z』のテレビシリーズの放送と劇場版の公開もそれくらいの期間でしたよね。長い間、お待たせしてしまい、それが悪い方に出るんじゃないかな?とも思ったこともあったのですが、時代が変わり、社会におけるアニメの立ち位置も変わってきて、待っていただいた方がこんなに盛り上げてくださり、新たな発見もありました。想像以上の盛り上がりで、皆様に感謝しています」
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