人気アニメ「機動戦士ガンダムSEED」シリーズの完全新作劇場版「機動戦士ガンダムSEED FREEDOM」のスタッフトーク上映会第2弾が4月9日、新宿ピカデリー(東京都新宿区)で開催され、アニメを手掛けるバンダイナムコフィルムワークスの仲寿和プロデューサーと3DCG制作デスクの藤田進夢さんが登場した。「SEED FREEDOM」のMS(モビルスーツ)は、CGを中心に表現されている。第1弾はCGモデルについて語られ、第2弾は「CGアニメーション編」と題して、ライジングフリーダムガンダムの“幻”の変形シーンなどの秘話が明かされた。
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「SEED FREEDOM」のCGは、絵コンテを基に制作し、福田己津央監督とメカニカルアニメーションディレクターの重田智さんのチェックを経て、完成した。中でも苦労したのが、ライジングフリーダムガンダムの変形シーンで、藤田さんによると「13回くらい作り直した」という。
ライジングフリーダムガンダムは、ムラサメで培った可変技術を流用してオーブが設計した機体で、MA形態に変形する。イベントでは修正前の“幻”の変形シーンを公開。藤田さんは「監督から、もっと動きの重さを強調したい、もっと変形をしっかり見せたいという話がありました。ライジングをちゃんと見せて、どういった機体なのかを印象付けたい。監督からは『トップガン マーヴェリック』を見て、『CGってこうだね!』という話もありました。Zガンダムの変形を参考に試行錯誤しました。重田さんが描かれたものを拾って、完成映像になりました」と明かした。
重田さんの修正の指示も公開され、藤田さんは「重田さんの技術はすごい。再現してくれたスタッフに感謝です」と話した。
劇場版は、2006年に制作が発表されたものの、その後は長らく続報が途絶えていた。発表から約18年の時を経て公開された。藤田さんは「CGでは難しいことも挑戦しよう!と試行錯誤しました。CGでは難しい……とは言いたくなかった。手間は増えますが、いいものにするために頑張りました」と思いを語った。
重田さんと一緒に制作する中で刺激を受けることも多かったようで「カットの修正だけではなく、ポーズのイメージの図解もいただいたりして、若手のクリエーターも勉強になりました。レベルアップしました。重田さんの優しさに助けられました」と感慨深げ。
「いろいろなネタを仕込んだ」といい「プラントのコロニー作ったが一カットしか使わなかった」「クサナギの同型艦のイズモ級も一カットだけ登場している」「ラミネート装甲排熱はテレビシリーズの表現をブラッシュアップした。サブリメイションさん(CG制作会社)に担当していただいた」などの裏話も飛び出した。
「SEED」シリーズの「機動戦士ガンダムSEED」は2002年10月~2003年9月、続編「機動戦士ガンダムSEED DESTINY」は2004年10月~2005年10月に放送された。「SEED FREEDOM」は「SEED DESTINY」の続編で、福田己津央監督らテレビアニメのスタッフが再集結した。1月26日に公開され、興行収入が43億2000万円を突破するなどヒットしている。
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