コスプレは自宅で気軽に楽しめる趣味であり、アニメやゲーム、マンガなどの人気のバロメーターとしても注目を集めている。コスプレ文化の研究家でライター兼カメラマンのソムタム田井が、イベントに取材、参加して見つけたハイレベルなコスプレーヤーをピックアップ。衣装、ウイッグ、メーク、体づくりなど、キャラクターになりきる上でのこだわりについて聞く。
今回は、2024年2月11日に幕張メッセ(千葉市美浜区)で開催された「ワンダーフェスティバル2024[冬]」で撮影、インタビューした「ヴァンパイア」シリーズのモリガン・アーンスランドに扮(ふん)するぐぐるさんと、フェリシアに扮するすぅさんを紹介する。
コスプレイベントといえば、その時期にヒットしている作品はもちろん、ちょっと懐かしいタイトルのコスプレで遊びにくるレイヤーも多く、新旧人気コンテンツのキャラクターが一堂に会する様子を間近で楽しめるところも、参加する上での醍醐味(だいごみ)の一つ。
中には、そのタイトルが流行していた当時はなかった技術や、最新の素材などを使って衣装を自作し、思い入れのあるキャラのコスプレに再挑戦したという参加者もいて、いずれもコスプレのクオリティーは高く、大勢のカメラマンが撮影のために長蛇の列を作っていたのが印象的だった。
ぐぐるさんとすぅさんは衣装の造形に加え、キャラになりきるためにメークやポージングも研究してきたという。
「モリガンといえば、なんといっても翼が特徴的なキャラクターなので、それを生かしたポーズのパターンをいろいろと考えてきました。髪色が明るめなので、それになじむメークにしたこともこだわったポイントです」(ぐぐるさん)
「10年以上前にもやったことがあるコスプレなんですけど、今の技術ならよりクオリティーの高い衣装を用意できると思い、再挑戦してみました。もともとのキャラデザインを大事にしつつ、そのうえで手や耳などのパーツはリアルな猫ちゃんを意識して制作しました。特に猫足ブーツは力作で、まずは厚底ブーツにスチレンボードで土台を作り、そこにファーを貼って。そうした地道な作業を続け、2週間かけて用意したものになります」(すぅさん)
取材・文:ソムタム田井