解説:朝ドラ“メガネっ娘”の系譜 過去には吉岡里帆や松本穂香がブレーク 「虎に翼」ではハ・ヨンスが

NHK連続テレビ小説「虎に翼」でハ・ヨンスさん演じる崔香淑 (C)NHK
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NHK連続テレビ小説「虎に翼」でハ・ヨンスさん演じる崔香淑 (C)NHK

 伊藤沙莉さん主演のNHK連続テレビ小説(朝ドラ)「虎に翼」(総合、月~土曜午前8時ほか)。日本初の女性弁護士で、後に裁判官を務めた三淵嘉子の人生をモデルにしたオリジナルストーリーにおいて、ヒロインと共に法を学ぶ仲間の女子学生が注目を集めているが、そのうちの一人にハ・ヨンスさん演じる崔香淑がいる。メガネがトレードマークの留学生で、劇中の活躍はまだまだ控えめながら、気になっている視聴者もいるはずだ。そんな「虎に翼」の崔香淑へと連なる、近年の朝ドラ“メガネっ娘”を振り返ってみたい。

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 ◇「あさが来た」の“のぶちゃん”に「ひよっこ」の澄子

 今をときめく人気俳優の一人として多くの映像作品に起用されるだけでなく、女性ファッション誌でも目にすることが多い吉岡里帆さんのブレークのきっかけとなったのも、朝ドラ“メガネっ娘”だ。作品は、2015年度後期の「あさが来た」。ヒロイン・あさ(波瑠さん)の娘・千代(小芝風花さん)の親友の“のぶちゃん”として人気を博した。

 そんな“のぶちゃん”に続いて、メガネをかけたキャラクターということで、朝ドラファンに強い印象を与えたのが、2017年度前期の「ひよっこ」で松本穂香さんが演じた青天目澄子(なばため・すみこ)。澄子は、同作のヒロイン・みね子(有村架純さん)と時を同じくして福島から上京し、ラジオ工場と女子寮で共に時間を過ごす仲間として、「東京編」の前半を彩った。

 “のぶちゃん”こと吉岡さん同様に、澄子役の松本さんも、朝ドラ“メガネっ娘”を通じて、大きく知名度を上げたことは間違いないだろう。

 ◇おっとり女子や文学少女、“ツン”な秘書に優等生 

 2019年度前期に放送された“100作目の朝ドラ”「なつぞら」では、元「AKB48」の渡辺麻友さんが、“おっとりメガネ女子”の三村茜を演じ、アイドル時代とは違う顔を見せて、当時話題になった。

 「なつぞら」の翌年の放送となった2020年度前期「エール」では、すでに期待の若手という位置づけであった森七菜さんが、大きなメガネがトレードマークの文学少女“梅ちゃん”に扮(ふん)したが、お笑いトリオ「ハナコ」の岡部大さん演じる“五郎ちゃん”と無事に結婚した際には、視聴者から祝福の声が上がったほどの、愛されぶりだった。

 なお「エール」では、レコード会社で働くメガネ姿の“ツン”な秘書・杉山あかね(中村加弥乃さん)が、ひそかな人気を集めたことも。

 まだまだ記憶に新しいのが、2021年度後期に放送された「カムカムエヴリバディ」の“小夜ちゃん”だ。3代目ヒロイン・ひなた(川栄さん、子供時代は新津ちせさん)の同級生で、成長した姿は新川優愛さんが演じた。子役の竹野谷咲さんからキャラクターをそのまま受け継いだ優等生の“メガネっ娘”で、SNSでは「メガネかけてる新川優愛ちゃん可愛いすぎる!」「新川優愛さんのメガネっ娘バージョンに萌(も)えた」といった声も上がっていた。

 ◇「虎に翼」の香淑はどんなキャラ

 「虎に翼」の“メガネっ娘”崔香淑は、どんなキャラクターなのか。改めて説明しておくと、朝鮮半島からの留学生で、法律を学んだ兄の勧めで明律大学女子部に進学した、というバックグラウンドを持つ。

 日本語は堪能だが、驚いたときなどはつい国の言葉が出ることも。女子部では、ヒロインの寅子(伊藤さん)たちともすぐに打ち解け、よね(土居志央梨さん)、涼子(桜井ユキさん)、梅子(平岩紙さん)と共に行動することも多く、第3週「女は三界に家なし?」(4月15~19日)のラストでは、卒業まで残った5人のうちの一人として、本科と呼ばれる法学部に進む姿が描かれた。

 香淑役のハ・ヨンスさんは1990年10月10日生まれ、韓国釜山出身。2013年に映画「恋愛の温度」でデビューし、韓国でドラマや映画に多数出演。フジテレビ系“月9”ドラマ「リッチマン、プアウーマン」の韓国版リメーク「リッチマン」ではヒロイン役を務めた。

 「ポケットモンスター」のキャラクター・ゼニガメに似た愛嬌(あいきょう)のあるルックスから「ゼニガメ顔」とも言われている。現在は日本に活動の場を移していて、「虎に翼」で朝ドラ初出演。「虎に翼」でも、今後きっとどこかでスポットが当たるであろう香淑と共に、引き続き注目したい。

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