森田成一:「私の繭期」 エンタメの道を歩み始めた高校時代 アニメ「デリコズ・ナーサリー」インタビュー

「デリコズ・ナーサリー」の一場面(C)末満健一/デリコズ・ナーサリー製作委員会
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「デリコズ・ナーサリー」の一場面(C)末満健一/デリコズ・ナーサリー製作委員会

 人気演劇「TRUMPシリーズ」の完全新作テレビアニメ「デリコズ・ナーサリー」が8月にTOKYO MXほかで放送をスタートした。「TRUMPシリーズ」は、劇作家の末満健一さんによるオリジナル演劇で、2009年に第1作「TRUMP」が上演され、吸血種と人間種が共生しながらも反目する社会で、伝説の吸血種“TRUMP”の不死伝説に翻弄(ほんろう)されていく人々の血と命を巡る1万年以上にも及ぶ物語が描かれてきた。「TRUMPシリーズ」では、吸血種の“繭期”(人間で言う思春期)が重要なキーワードの一つとなっている。「デリコズ・ナーサリー」でダリ・デリコを演じる森田成一さんに「私の繭期」について語ってもらった。

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 ◇「あの時期がなければ、今僕はここにいない」

 森田さんは「今考えると、中高生くらいの時は、完全な繭期でしたね」と振り返る。

 「『けつが青いな』としか思われないことばっかりやっていたと思うし、そういうものの考え方をしていましたね。とんがっていたし、わけの分からない考え方もしていました。ただ、今振り返ってみると、あれが自分の素地になっているところもある。若いうちに考えたことは、人間形成の中で重要な部分になると思います。そこから荒い部分が削り落とされて、だんだん丸くなって、今になるんですけど、元々の根っこはやっぱりそこにありますよね。その当時のことを細かく具体的にと言われると、多分書けないですね(笑い)」

 森田さんは、高校時代、吹奏楽部に所属しており、それがエンターテインメントの世界に入るきっかけになったという。

 「僕は、オーケストラの時はパーカッションを担当していたのですが、うちの学校はマーチングバンドもやっていて、その時はドラムメジャーという指揮をする担当でした。マーチングバンドは、楽器を演奏しながら動いて、いろいろな形を作っていくのですが、その動きの設計も担当していて、そこが僕の一番の根っこですね。音楽の要素も、演劇的な要素もある複合芸術で、今後もそうした複合芸術を作り出せないかなと思って、エンターテインメントの道を歩み始めました。あの時期がなかったら今僕はここに絶対いない。役者なんて目指していなかったでしょうね」

 「デリコズ・ナーサリー」は、高貴な貴族の吸血種たちが我が子の育児に奮闘する裏で、TRUMPにまつわる怪しい陰謀が渦巻く……というストーリー。名門中の名門とされる特級貴族のデリコ家の当主であるダリ・デリコを取り巻く因縁の物語が描かれる。

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