名探偵コナン
#1146「汽笛の聞こえる古書店4」
12月21日(土)放送分
長月達平さん著、大塚真一郎さんイラスト、MF文庫J(KADOKAWA)より刊行されている人気小説が原作のテレビアニメ「Re:ゼロから始める異世界生活(リゼロ)」の第3期が、10月2日からTOKYO MXほか全国21局で放送される。第2期で描かれた“聖域”での試練を経て、第3期では、エミリア、ナツキ・スバルたちが、水門都市プリステラで再び過酷な運命に立ち向かうことになる。2016年にスタートしたテレビアニメ第1期から同作に出演するナツキ・スバル役の小林裕介さん、エミリア役の高橋李依さんに第3期に懸ける想い、収録の裏側を聞いた。
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高橋さん 私は、エミリアの試練で、幼いエミリアとして、フォルトナ母様、ジュースと一緒の時間を過ごさせてもらったのが、特に思い出に残っています。OVA(オリジナル・ビデオ・アニメ)の「Re:ゼロから始める異世界生活 氷結の絆」で描かれたエミリアの“抜けた記憶”も、第2期のこの話につながっていたんだなと。エミリアをかなり深掘りしてくれたエピソードの一つだったこともあって、今後もこれを糧にしてエミリアを演じていきたいと思うような、頼もしい、心の支えになるシーンだなと感じています。
高橋さん そのエピソードの後で、もう一つの試練があって、フォルトナ母様とジュースとエミリアの3人でピクニックをしているシーンがあるんですけど、そのエミリアはもうちょっと成長していて、細かな演じ分けがありました。アニメでは、成長した今のエミリアを先に演じてはいるのですが、「こういう過程だったら今のエミリアになるよな」と、繊細に丁寧に固めていって、今のエミリアへの説得力も増せたらいいなという気持ちで務めさせてもらいました。
小林さん 僕は、第2期は、オットーに殴られて、彼と協力していくスタート地点になったシーンはとても印象的です。やはりスバルだけが“死に戻り”という能力で全てを把握していて、それを誰にも相談できない状況が続いていた中で、全てを話さなくてもついてきてくれる人が現れた。第1期では、その役割をレムが担ってくれていたんですけど、レムが眠ってしまった結果、「これ以上失いたくない」という想いがスバルの中にはあったと思うんです。そんな中で、すごい情熱を持って向かってきてくれたオットーはとても心強かったし、そこから一気にどんでん返しを起こしていくスタート地点になった。あの話数はとても大きかったです。
ーーそれは第3期にもつながっていきますよね。
小林さん そうですね。第3期は、第2期で培った絆がようやく実って、みんなで立ち向かっていくという構成になっている。一番最初に絆と呼べるものを結んだのは、もしかしたらオットーだったのかもしれないなと思っています。オットーは、ヒロインだと思っていたら、主人公みたいなムーブをして。第1期の頃は誰が想像しただろうかと(笑)。
高橋さん 格好よかったよね。
高橋さん 試練に失敗し続けるエミリアを励まそうと、スバルが墓所の壁にたくさん書き込んだイ文字をエミリアが目にした場面は、印象に残っています。人のお墓の壁に書いたと言うと、エキドナさんに大変申し訳ないんですけど(笑)、スバルがイ文字で応援のサプライズを仕掛けている日に、エミリアは「朝まで一緒にいて」とお願いをしちゃったというすれ違いがあって、ケンカしてしまう。演じている当時は、エミリアとして「どうして約束破ったの」と彼女の主張をアウトプットさせてもらっていたんですけど、それがああいった形で回収されて。
ーースバルとエミリアのケンカが描かれた第40話のサブタイトルは「オットー・スーウェン/信じる理由」でした。
高橋さん そのサブタイトルもあって、「信じる」にあたって全部を言葉で言わなくても大丈夫、というような変化は生まれたんじゃないかなと感じています。今までのエミリアだったら「言ってくれなきゃわからないよ、スバル」というセリフもあったと思うんですけど、今回のエピソードを経て、言葉じゃなくて、その人ごと信じられるようになったというか。
高橋さん そうですね。これまで信頼関係を当たり前のように築けてきたタイプではなかった二人が、信頼関係を当たり前のように築けるようになるって、どれだけ大変な行程だったかと。生まれも育ちも違う二人が、言葉じゃなくて「信じられる」と思える。あれほど真っすぐで不器用な二人が信じられるって、本当にめでたいことだなって。一視聴者として、大変だったけど、ここまで来たなって。たくさんぶつかってきたからこそだと思います。
小林さん 僕も墓所での言い合いのシーンは印象に残っています。第1期では、あまり相手のことを考えずに行動した結果、すごい衝突が起きてしまったから、今回は、無理やりではなく、どうやったら分かってもらえるだろうと、「ちゃんと説得をしよう」という想いがあった。だからこそ、言い合いが成立したのかなと思っています。あと、スバルは一足先に試練を乗り越えて、父母との別れを済ませていたので、上からの言い方をすると、スバルが成長していたおかげでエミリアを説得できたっていうのはすごく思います。
高橋さん 私は、「エミリア、こんないい人を手放しちゃダメだよ」って。第1期の時も、スバルは「ゆっくり、じっくり好きになってくれたらいい」と言っていて、それってすごくないですか? 恋がよく分かっていないエミリアをどれだけ尊重してくれているか。とはいえ、「好き」とは伝え続けるし、特別扱いしたいという。「特別」という言葉をマイナスに捉えていたエミリアにきちんと伝わる言葉選びを毎回探してくれている。私は、エミリア目線として、恋心はまだ全然わからないなと正直感じているんですけど、きっと彼女も今の関係が心地いいと思うし、そのまませかさないでいてくれるスバルを、私はすごく大事に思っちゃいます。エミリアの近くにいていいのはスバルだけ!みたいな、ちょっと過激派になっちゃいそうです(笑)。
小林さん 「よかったな」という気持ちはもちろんあります。第2期の最終話で、スバルがエミリアの騎士として任命されるところは、僕としては感無量でした。「エミリアの特別でありたい」という気持ちがずっとある中で、騎士というのは唯一無二のものなので。エミリアとしては、これまでは危ないからと言ってきたけど、でもやっぱりそばにいてほしいという想いを騎士にするという形で見せてくれた。
高橋さん 今まではスバルが何をするか分からなくて、エミリアとしては不安な気持ちがいっぱいあったと思うんですけど、「きっとスバルなら何とかしてくれる」というのが今芽生えてる感情で、そこがやっぱりシンプルに言うと「信頼」ですよね。すごい変化だなと思います。
高橋さん 毎回、原作とどう向き合うか?というところは、役者さんそれぞれにあって。私個人で言うと、第2期は先を知っていた方がいい部分も多かったので、先行して原作を読んでいました。第3期は、毎回台本をもらったら、そのシーンの原作を読むという形を取らせてもらっています。長月先生の文章の表現の奥深さみたいなものが、アフレコ台本を読んで感じた想いの背中を押してくれるというか。第3期は、それぞれの陣営や、人と人が個々人で戦う場面もあるので、自分の任されてるシーンを次へつないでいく感覚でもあって。キャスト同士が集中力のギアをお互いにつないでいってる感じだと思いました。
小林さん 僕も同じように台本いただいた範囲内で原作を読むようにしているんですけど、セリフ回しがちょっと変わったなとすごく感じていて。エミリアに対しても、ベアトリスに対しても、1年の空白期間でどんなことがあったのかを何となく匂わせてくれるような言葉になっていました。特にベア子はスバルにベッタベタになっているし、エミリアに対しても対等に話をしているなと。そういうやり取りができるのはすごく心地いいです。エミリア陣営が一体となって臨んでいこう、というのを節々で感じられるので、すごく心強いです。今までは個々で頑張ってどこか孤独だった部分もあるので、チーム感がようやく出てきた感じがします。
高橋さん たしかにそうですね。
高橋さん 第2期の試練を乗り越えた後のエミリアを、私もずっと演じたくてウズウズしていたんです。エミリアは、地に足がめり込むくらい付いてしまったような感覚といいますか(笑)。エミリアたん、たくましすぎます! 第3期では、エミリアの選んでいく選択肢も変わってきているはずなので、新たなたくましさを得たエミリアの活躍にご期待いただければと思います。
小林さん スバルは成長したとは言いつつも、ほかの王選候補者の騎士と比べると、やはりまだまだ未熟なところが多くて、それを本人もすごく痛感していて。ただ、そこに何とか並べるように変わらずあがいて、ちゃんと結果も残していっているんですよね。結果を出すためのアプローチの仕方、彼らしさは唯一無二だと思うし、僕自身、演じていて、とても格好いいなと感じる瞬間が多くて。だから、第3期でまたスバルを好きになってくれる人たちが増えるんじゃないのかなと。このまま格好いい騎士になってほしいですね。
小林さん スバルが、エミリア陣営の中で一番全てをさらけ出せているのが、ベアトリスなんですよね。契約を超えて、全てを許容してくれる存在がいるおかげで、スバルはいい意味でむちゃをできるようになるし、頼れるところは頼ると割り切ることもできる。第3期では、ベアトリスが一番スバルの背中を押してくれているのかなと感じます。ベアトリスに関しては、第1話はもちろん、第2、3話にかけても、泣けると思います。僕も涙ながらに演じました。
高橋さん そういう関係とは違いますね。エミリアとしては、全部を言葉で言ってもらわなくて大丈夫になっているところがあると思うので、「何か秘密があっても、理由があるんでしょう」「ベアトリスがお話聞いてくれているなら安心ね」と、深追いしてないエミリアがいそうなイメージもあります。「それでいい」というか、「それがいい」というか。
小林さん めり込んでいるね。
高橋さん 本当にめり込んでいるんです!
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