落合福嗣:「新テニスの王子様」 「デカ過ぎんだろ…」シュナイダー “迫力と包容力”表現

「新テニスの王子様 U-17 WORLD CUP SEMIFINAL」で落合福嗣さんが演じるダンクマール・シュナイダー(C)許斐 剛/集英社・NAS・新テニスの王子様プロジェクト
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「新テニスの王子様 U-17 WORLD CUP SEMIFINAL」で落合福嗣さんが演じるダンクマール・シュナイダー(C)許斐 剛/集英社・NAS・新テニスの王子様プロジェクト

 許斐剛(このみ・たけし)さんの人気テニスマンガ「新テニスの王子様」が原作のテレビアニメ「新テニスの王子様 U-17 WORLD CUP」の続編「新テニスの王子様 U-17 WORLD CUP SEMIFINAL」が、10月にテレビ東京ほかで放送をスタートした。U-17W杯の日本対ドイツのセミファイナルが描かれる同作で、ドイツ代表のプロテニスプレーヤー、ダンクマール・シュナイダーを演じるのが、声優の落合福嗣さんだ。シュナイダーは、試合中に超巨大化し、原作でも「デカ過ぎんだろ…」と衝撃を与えたキャラクターだ。落合さんに演技のこだわり、収録の裏側を聞いた。

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 ◇テニスとの出会いが「テニプリ」だった

 「テニスの王子様」は、「週刊少年ジャンプ」(集英社)で1999~2008年に連載されたマンガ。テニスの天才少年・越前リョーマが青春学園のテニス部で頭角を現し、ライバル校との戦いを通じて成長していく姿が描かれた。2009年から「ジャンプSQ.」(同)で新シリーズ「新テニスの王子様」が連載中。

 テレビアニメ「テニスの王子様」が2001年10月~2005年3月、「新テニスの王子様」が2012年に放送され、落合さんは「ちょうど僕が小学生の時にアニメが始まったんです」と振り返る。落合さんにとって、「テニプリ」との出会いが、テニスとの出会いだったという。

 「僕、人より少しだけ野球が上手なお父さんがいるので、野球は分かるんですけど、テニスはルールも分かっていない状態で、『テニスの王子様』を見始めて、『テニスってこんなすさまじいスポーツなのか。野球よりすごいんじゃないか』と衝撃を受けました。だから、後々、実際のテニスの試合をテレビで見た時に、『あれ、全然ボールが曲がんないじゃん』『ラケットが吹っ飛ばないじゃないか』と小学生ながらに思いましたね(笑)」

 オーディションの末、アニメでシュナイダーを演じることが決まった時は、「本当に? うれしい!」と喜びが大きかったという。セミファイナルでは、シュナイダーはベルティ・B・ボルクとペアを組み、日本のデューク渡邊&仁王雅治ペアとダブルスで対戦する。

 落合さんはシュナイダーについて「体がすごい大きいんですよ。あれで17歳!?」と語り、収録前は超巨大化するシュナイダーを演じる上で不安もあったという。

 「シュナイダーが大きくなるのが、あくまでも大きく見えるというイメージなのか、実際物理的に大きくなっているのか?と。それによってだいぶ意味合いが変わってくるので、収録前に絶対に監督に聞こうと思って。すると、『物理的に大きくなっています』と言われて、じゃあラケットもボールも一緒に大きくなってるんだ、『デカ過ぎんだろ……』と思いましたね」

 落合さんは「大きくなるということは、言葉の一音一音の間が広くなるのかなと。自分が発する言葉の音の響きがすごく広くなるんだろうなと考えたので、意識して演じました。怪獣がしゃべっているような」とこだわりを語る。

 ◇リアリティーを大切に 今につながる野球経験

 落合さんは、プロテニスプレーヤーであるシュナイダーを演じる上で、リアリティーも大切にした。

 「実際のテニスの試合をたくさん見て、打った時の息遣いを研究しました。インパクトで球がラケットに当たった時に声が出るのか、それとも当たった後、球を押し返す時に力みが出るのか。実際の試合を見ていると、負けている時は、球が当たった時に声が出ていたんです。一方、勝っていて、相手にしっかり打ち返せる時は、球を受けて、押し返す時に声が出てるんじゃないかと。その違いを意識しました」

 シュナイダーが17歳ということもあり、自身の17歳の頃も思い出しながら演じたという。17歳の頃の落合さんは、どんな少年だったのだろう。

 「17歳の頃は、野球部に入っていたのですが、声を枯らさないように大きい声を出す練習ばかりしていました。そもそも、僕は幼稚園の時に父と一緒に『ターミネーター』を見たのをきっかけに声優を目指し始めたので、『野球はやらない』と思っていたんです。でも、とあるレジェンド野球選手さんから『福嗣くんは野球やらないの?』『将来的に何かで役に立つかもしれないから野球やっといたら』とアドバイスをもらって、やってみようと思って。ただ、野球部では、大きい声を出さないとコーチや監督に怒られるので、いかに自分の喉を壊さずに、大きい声が出ていると思われるようなしゃべり方をするか?ということばかり考えていて。それが今、このお仕事をする上ですごく役に立っているんです」

 落合さんは、この野球経験が、声優として演技でリアリティーを追求する上で役に立っているとも感じているという。

 「運動をしていた時に、体勢によって使う筋肉も、息遣いも違うし、同じ動作をしていても状況によって全然出る声や息が違うんだなと感じていました。だから、スポーツものの作品などを演じる時は、なるべく実際のものを見るようにしていて、今回もずっとテニスを見ていました。僕は、自分が経験したことじゃないとできないので」

 ◇「絶対俺たちは勝つんだ!」 シュナイダーの包容力が見どころ

 「テニプリ」の試合シーンでは、シュナイダーとペアを組むベルティ役の井藤智哉さんと共に「勝つぞ!」とお互いを鼓舞しながら収録に臨んだという。

 「原作を読んでいるので、結果は分かっているんですけど、彼らは知らない未来ですし、やっぱり未来は分からないので、『絶対俺たちは勝つんだ!』『勝つぞ、勝つぞ!』と、ずっと井藤くんに言いながらやりました」

 シュナイダー&ベルティ対デューク渡邊&仁王の戦いの見どころは、「シュナイダーの迫力と包容力」と語る。

 「やっぱりシュナイダーは体が大きいので、その迫力と、あとは包容力がすごいんです。ベルティをお腹で受け止めるシーンがあるのですが、その包容力たるや! 収録では、ベルティをお腹で受け止める時は息遣いがあったほうがいいのかなと最初は思っていたのですが、やはり息遣いがないほうが包容力があるのかなと。『お前のことはしっかり俺が受け止めるから、安心してテニスに集中しなさい!』みたいな包容力と、あとお父さん味もあるんです。そこに注目していただきたいですね」

 最後に落合さんは「ぜひドイツ代表を応援してください。皆様の応援次第では、結果はどうなるかまだ分からないので。頑張って勝ちます!」と笑顔で語っていた。

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