2024年版 世界31カ国における中堅企業のサステナビリティ経営に関する意識調査

ESG/サステナビリティ要件が国際的な事業拡大において潜在的な障壁となる可能性
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ESG/サステナビリティ要件が国際的な事業拡大において潜在的な障壁となる可能性

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The journey to a sustainable future

2024年11月25日

https://www.grantthornton.jp/

報道関係者各位

プレスリリース

2024年11月25日

太陽グラントソントン

2024年版世界31カ国における中堅企業のサステナビリティ経営に関する意識調査

(The journey to a sustainable future)

・中堅企業はサステナビリティをブランドレピュテーションや市場競争力を高める重要な要因として認識

・一方で、サステナビリティ施策を実施するうえではコストが最大の障壁に。多くの中堅企業が人的・時間的リソースの工面に苦慮

・調査対象国平均では7割超の中堅企業が、管轄区域の要求に沿ったサステナビリティ情報の収集・報告するにあたり、規制上の負担が中堅企業の国際的な事業拡大において障壁となる可能性を実感

太陽グラントソントンは、グラントソントン加盟国において実施する世界同時調査の一環として、世界31カ国の中堅企業の経営者に対して持続可能な企業経営に関して尋ねる意識調査を実施し、その結果を公表した。

調査背景:世界の中堅企業を取り巻くサステナビリティ経営

サステナビリティは、企業の規模に関わらず「あるのが望ましいもの」ではなく、「なくてはならないもの」になりつつある今、中堅企業は、市場競争、顧客の要求、投資家の圧力に押され、さらにはますます厳しくなる規制や情報開示基準を満たす必要に迫られている。一方で、多くの中堅企業にとって、これは未知の領域であり、従うべきロードマップがないのが現状である。本調査結果をもとに、中堅企業のサステナビリティ経営への道のりを探り、中堅企業の施策や実行に移すうえでの障壁を明らかにする。

ビジネスオポチュニティとしてのサステナビリティ

世界の中堅企業は、サステナビリティがもたらす商機を目の当たりにしている。一般消費者は、強い信頼性を持つブランドをますます支持するようになり、投資家は、サステナビリティがもたらす長期的価値をますます意識するようになっている。本調査によると、中堅企業がサステナビリティを重視する最も重要な要因は、調査対象国平均ではブランドレピュテーション(19%)で、日本では市場競争(23%)をあげる声が最も多かった。

図1:ESG/サステナビリティ施策へ投資および注力する最大の要因

【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202411250525-O1-oc9972Au

サステナビリティ経営を目指すうえでの障壁と懸念

グローバルビジネスエコシステムにおける中核としての役割を担う中堅企業の存在を考えると、中堅企業がサステナビリティ経営にあたり遭遇する障害を理解することが重要である。中堅企業がサステナビリティ施策を策定するにあたっての最大の障壁は何か尋ねたところ、日本および調査対象国平均ともに最も多かったのはコストであり(日本:20%、調査対象国平均:15%)、次いで規制や基準の複雑さであった(日本:13%、調査対象国平均:13%)。

図2:ESG/サステナビリティ施策を実施するうえでの最大の障壁

【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202411250525-O2-D43z4R0f

一方で、策定された施策を実施するうえで最も懸念している点について調査したところ、日本および調査対象国平均ともに、人的・時間的リソースが最大の懸念であると回答し、(日本:38%、調査対象国平均:53%)次いで要件変更の頻度をあげる声が顕著であった(日本:36%、調査対象国平均:52%)。サステナビリティに関する規制の枠組みは世界的に急速に進化し、ESG開示に関する法的責任も高まるなか、多くの中堅企業が追加的な懸念を抱えていることが浮き彫りになった。

図3:ESG/サステナビリティ施策を実施するうえでの最大の懸念

【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202411250525-O3-CHAqi72e

サステナビリティ経営に向けた中堅企業の取り組みの現状と今後の計画

世界の中堅企業の大半が持続可能性に向けた第一歩を踏み出している。調査対象国平均では、中堅企業の92%が過去12ヶ月間に少なくとも1つの施策を実施し、62%が3つ以上の施策を実施しているとの結果がでている。一方で、中堅企業の39%がサステナビリティ目標を設定しているが、これは大企業と比べて低い割合である*。過去12カ月で実施したESG/サステナビリティ経営に向けて講じた施策や活動について尋ねたところ、調査対象国平均では、ESG/サステナビリティ戦略の策定(51%)が最も多く、次いでESG/サステナビリティ戦略の評価と情報収集、(47%)、ESG/サステナビリティ報告書の作成(40%)であった。対照的に日本の中堅企業では、いずれの施策もまだ実施していないとの回答が最も多く(31%)、次いで多かったのはESG/サステナビリティ戦略の策定(28%)、(ネットゼロなどの)ESG/サステナビリティ目標の設定(27%)であった。

図4: ESG/サステナビリティ経営に関して講じた施策や活動(複数回答可)

【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202411250525-O4-60I9fir5

さらに今後の計画について尋ねてみると、調対象国平均では93%、日本では69%の中堅企業が、今後12ヶ月間のうちに少なくとも1つの施策を実施する予定であると回答した。すでに計画を実行に移している企業のうち、調対象国平均では65%が、今後12ヶ月間サステナビリティ戦略の立案を継続する予定であると回答していることから、初期フェーズにあたる取り組みであっても、完了までに時間を要することがうかがえる。

今後12カ月に戦略を実施する予定があると答えた企業は調査対象国平均で48%と約半数にのぼったものの、報告を開始する計画があると答えた企業は40%に満たなかった。サステナビリティ報告への取り組みが不足していることは、世界のすべての地域で共通していることが分かった。これは、世界の中堅企業がブランドレピュテーションの維持・向上に関心を持ち、顧客やステークホルダーにとって目に見える魅力的な行動を取っていることを反映しているとも言えるであろう。また、サステナビリティ報告への取り組みの不足については、サステナビリティ規制が複雑で、通常の監査よりもはるかに多くの時間とリソースを投資する必要があることから、多くの企業が先延ばしにせざるを得ないことも反映しているとも考えられる。サステナビリティ報告は、企業やブランドのレピュテーションにとって極めて重要である。サステナビリティの成果を目に見える形にすることで、リスクを軽減することができる。また、中堅企業にとっては、競争上の優位性を持つ分野での信頼性を確立する機会でもある。

サステナビリティと海外市場での事業展開

海外市場において自国と異なる管轄区域や規制に対応することを考慮したときに、ESG/サステナビリティ要件が国際的な事業拡大において潜在的な障壁となる可能性はどの程度あると感じているかを調査しているところ、「多いにあると思う」または「多少あると思う」と回答した企業は、調査対象国では75%、日本では40%にのぼった。地域ごとでは、北米の中堅企業がこの意見に同意する傾向が最も高く、ほぼ10社のうち9社(87%)が、サステナビリティ要件が障壁になると考えている。 調査対象国平均では、銀行(89%)や金融サービス(86%)など、グローバル化が進み、国境を越えた取引を大量に行うにあたって複数の法域の規制に抵触する可能性が高い業種ほど、サステナビリティ要件が事業拡大における障壁と感じている傾向が強かった。しかしながら、中堅企業は大企業に比べて機敏であるため、迅速な適応が必要な場合には有利である。中堅企業は、持続可能性を国際的な事業展開の障害ではなく、差別化の機会と捉えるべきである。

図5: 海外市場において、自国と異なる管轄区域や規制に対応することを考慮したときに、ESG/サステナビリティ要件が国際的な事業拡大において潜在的な障壁となる可能性

【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202411250525-O5-74Gi5Yc0

今回の調査結果について、太陽グラントソントン グループ パートナー公認会計士 竹村光広は次のように述べている。

「サステナビリティへの取り組みの目指すところは、ビジネスの長期的な持続可能性を確保するために、社会や環境に関連するリスクと機会を把握・評価し、適切な対策を講じることです。故に、大企業がリスク管理の実践や報告に積極的に取り組むのは非常に合理的です。一方で、十分な社内リソースを持たない中堅企業がサステナビリティへの取り組みに消極的であることは理解できます。しかし近年、サステナビリティに取り組み始める中堅企業が増加しています。その動機はさまざまで、業界トップ企業の動向に追随するケース、取引先の大企業からの要請、または欧州規制への対応などが挙げられます。本調査の結果によると、ESG/サステナビリティ経営に関して講じた施策や活動に取り組んでいない日本の中堅企業の割合は31%と、調査対象国の8%と比較すると高い数値示しています。しかし、現在金融庁の金融審議会で議論されているサステナビリティ情報開示の義務化が実現すれば、この割合はさらに減少するでしょう」

2024年版世界31カ国における中堅企業のサステナビリティ経営に関する意識調査

(The journey to a sustainable future)- 概要

【表:https://kyodonewsprwire.jp/prwfile/release/M100480/202411250525/_prw_PT1fl_cSkVX12A.png

太陽グラントソントン

所在地: 東京都港区元赤坂 1 2 7 赤坂Kタワー 18 F

代表: 梶川融 (公認会計士)

グループ会社: 太陽有限責任監査法人、太陽 グラントソントン税理士法人 、太陽 グラントソントン ・ アドバイザーズ株式会社 、太陽 グラントソントン株式会社 、太陽 グラントソントン社会保険労務士法人 、太陽グラントソントン・アカウンティングサービス株式会社

URL: https://www.grantthornton.jp/

<太陽グラントソントンが提供する事業領域>

太陽グラントソントン は、 Grant Thornton の加盟事務所として世界水準の会計コンサルティング業務を提供します。監査・保証業務、IPO サービス、内部統制、M Aトランザクションサービス、 IFRSアドバイザリーサービス、国際/国内税務、移転価格税制コンサルティング、事業承継、財団法人支援、外資系企業に対するコーポレートサービス、労働法務コンサルティング、海外進出支援、財務・業務管理システム導入・運用コンサルティング

Grant Thornton

監査・保証業務、税務関連業務、アドバイザリーサービスを提供している相互に独立した会計事務所およびコンサルティング会社から構成される世界有数の国際組織。世界150 拠点、73,000 人以上の従業員を有します。日本では太陽グラントソントンに所属する6組織が、海外ジャパンデスクやグラントソントンメンバーファームと連携し、経済のグローバル化によって国際化するクライアントのニーズにも柔軟、且つ迅速に、高品質なサービスを提供しています。

本部:英国ロンドン Global CEO:Peter Bodin

* The tough truth behind corporate net zero sustainability targets - BBC

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