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インドネシアの大学の研究成果を、多分野連携で地域の防災活動に活かす重要性を強調
2025年3月26日
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公益財団法人日本グローバル・インフラストラクチャー研究財団(所在地:東京都港区、理事長︓中山幹康、略称:日本GIF)は、2025年3月8日(土)宮城県仙台市の仙台国際センターで行われた「世界防災フォーラム2025」にて、東北大学災害科学国際研究所(IRIDeS)主催によるセッション「インドネシアにおける災害復興で現地の学術研究機関が果たす媒介機能の活用に向けて」に参加しました。セッションでは、当財団上席客員研究員の佐々木大輔准教授が司会を務め、同じく理事長の中山幹康がインドネシア・西ジャワ島で行われた調査結果を発表しました。なお、この研究は、日本学術振興会(JSPS)の科学研究費助成事業の助成を受けたものです(体系的課題番号:JP21H03680)。
開催概要
本セッションではまず、司会の佐々木大輔准教授が、研究プロジェクトの背景と目的を紹介し、防災(DRR)における大学の役割の重要性を強調しました。また、2015年採択の「仙台防災枠組」が、学術機関の関与を促進することを目的としている点にも言及しました。その後、インドネシアの防災に関する異なる側面を取り上げた4つの発表が行われ、続いてパネルディスカッションが実施されました。中山幹康理事長は、当財団が取り組む防災インフラに関する調査研究活動の一環として発表を行い、パネルディスカッションにも登壇しました。
発表内容
1. 大学の防災政策提言における役割:アチェ州の事例/ヒジル・ソフィアン(シャクアラ大学教授、インドネシア)
2023年にインドネシアの大学教員400人を対象に行われた調査結果を共有し、学際的協力と関係者間の連携強化の必要性を指摘。大学が政策提言や研修を通じて、防災に積極的に関与する必要性を示唆
2. インドネシアの大学教員の防災に関する経験と視点:西ジャワ州の事例/中山幹康(日本GIF理事長)
ジャワ島西部の3地域(バンテン州、ジャカルタ首都特別州、西ジャワ州)で実施された調査結果を発表。地域差にかかわらず、インドネシアの教員は防災への強い関心と、地域社会に積極的に貢献する意思があることを示唆。大学が、研究成果を地域防災活動に活かすことの重要性を強調
3. 女性主導のコミュニティービジネスと災害復興:東北とインドネシアの事例/石渡幹夫(東京大学大学院新領域創成科学研究科 客員教授)
2011年の東日本大震災とインドネシアでの災害復興における、女性主導のコミュニティービジネス(食品加工や裁縫等の事業)が、被災地域における生計手段として機能した事例を紹介。持続可能な支援策として、能力開発、技術研修、大学と地域企業の連携強化を推奨
4. 2018年スラウェシ地震・津波におけるタドゥラコ大学の役割/地引泰人(東北大学IRIDeS 客員研究員)
2018年のスラウェシ地震・津波後の復興における、タドゥラコ大学の役割について発表。大学の主要な機能として、地域社会との連携とNGOとの協力、復興研究への貢献、防災教育の実施の3点を挙げ、大規模ではない大学の資源の限界を指摘。地域間の公平な資源配分の必要性を強調
パネルディスカッション
モデレーター:佐々木大輔(東北大学IRIDeS 准教授、日本GIF上席客員研究員)
パネリスト:
ヒジル・ソフィアン(シャクアラ大学教授)
石渡幹夫(東京大学大学院新領域創成科学研究科 客員教授)
地引泰人(東北大学IRIDeS 客員研究員)
中山幹康(日本GIF理事長)
問題提起:
1.地域学術機関の防災における中間機能を活用する際の最大の課題は何か?
2.インドネシアの地域学術機関の中間機能に特有の特徴は何か?
質疑応答
参加者から、地域主導の防災活動の可能性についての質問が寄せられました。これに対しパネリストは、地域社会が第一対応者であるため、大学は研究・研修を通じて彼らを支援するべきであると強調しました。
結論
本セッションでは、大学、政府機関、NGO、地域社会の協力が不可欠であることが強調されました。大学はカリキュラムへの防災教育の組み込み、学際的研究の強化、政策決定者との連携を深め、研究成果を実際の防災活動に活かすことが求められます。
セッション概要
主 催: 東北大学 災害科学国際研究所(IRIDeS)
日 時: 2025年3月8日(土)10時~11時
タイトル: 世界防災フォーラム2025セッション
「インドネシアにおける災害復興で現地の学術研究機関が果たす媒介機能の活用に向けて」
開催場所: 仙台国際センター(宮城県仙台市)
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