トリツカレ男:いしいしんじの小説が劇場版アニメ化 監督は高橋渉 シンエイ動画制作 特報にミュージカルシーン

劇場版アニメ「トリツカレ男」のティザービジュアル(C)2001 いしいしんじ/新潮社 (C)2025映画「トリツカレ男」製作委員会
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劇場版アニメ「トリツカレ男」のティザービジュアル(C)2001 いしいしんじ/新潮社 (C)2025映画「トリツカレ男」製作委員会

 いしいしんじさんの小説「トリツカレ男」(新潮社)が劇場版アニメ化され、2025年秋に公開されることが分かった。ミュージカルアニメとして制作され、「映画クレヨンしんちゃん ガチンコ!逆襲のロボと一ちゃん」などの高橋渉さんが監督を務め、三浦直之さんが脚本、荒川眞嗣さんがキャラクターデザインを担当する。シンエイ動画がアニメを制作する。

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 「トリツカレ男」は、2001年に刊行され、2006年に新潮社から文庫が発売された。何かに夢中になると他のことは一切見えなくなり、街の人たちから“トリツカレ男”と呼ばれる青年・ジュゼッペが、ある日、風船売りの少女・ペチカに恋をする……というラブストーリー。心に悲しみを抱えるペチカのため、ジュゼッペが奮闘する姿が描かれる。これまでに4度舞台化されるなど人気を集めている。

 主人公・ジュゼッペが歌うシーンが描かれた特報がYouTubeで公開された。どんなものでも“夢中”になってしまうジュゼッペが、腹筋をしている姿や、潮干狩り、サングラス収集、カメラに夢中になっているシーン、風船売りのペチカと出会うシーンも描かれている。ジュゼッペとペチカが描かれたティザービジュアルも公開された。「トゥララ・きみに夢中」というコピーが添えられている。

 原作者のいしいさんは「浅草のせまい一室で、誰にも知られず書き連ねたことばのかたまりが、色を、かたちを、音を、動きを与えられ、こうして世に出てゆく。絵コンテ、アフレコなどの制作過程を途中でのぞかせてもらい、スタッフの方々のトリツカレぶりに深く感銘をうけた。動かないはずのものに、みな一心に、あらたな命を吹きこんでいた。アニメ愛をつづった手塚治虫のマンガ『フィルムは生きている』のタイトルを借りるなら、まさしく『ものがたりは生きている』と思った」とコメントを寄せている。

 高橋監督は「エンターテインメントをやりましょう!とプロデューサーから原作小説を渡されてはや4年が過ぎました。その間、世の中は悲しく、つらい出来事がたくさん起こり、今も続いています。この映画は奇妙な男ジュゼッペと風船売りのペチカの愛の物語です。誰かが誰かを思い、助けることは素晴らしいことだと大きくうたう映画です。個性あふれるスタッフ、キャストの力で作り上げることができました。こんなにもまっすぐなお話を皆様にお届けできることをうれしくおもいます」と話している。

「トリツカレ男」特報

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