天使のたまご:押井守監督の“伝説のOVA” 4Kリマスター版の予告公開 入手困難だった書籍が復刻

「天使のたまご」の一場面(c)押井守・天野喜孝・徳間書店・徳間ジャパンコミュニケーションズ
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「天使のたまご」の一場面(c)押井守・天野喜孝・徳間書店・徳間ジャパンコミュニケーションズ

 1985年に発表された押井守監督の“伝説のOVA(オリジナル・ビデオ・アニメ)”「天使のたまご」の4Kリマスター版の予告編がYouTubeで公開された。押井監督本人による監修の基、35ミリのフィルム原版からスキャニング、4Kリマスター化し、音響面では5.1チャンネルサラウンド、ドルビーアトモスに再構築した。リマスター映像を基にした予告編で、とある都市に浮かぶ太陽を見つめたたずむ“少年”を背景に「あなたは誰(だあれ)?」という“少女”の象徴的なセリフで幕を開ける。水に沈んだ都市、静けさに包まれた廃虚など幻想的な世界が描かれている。
 4Kリマスター版は11月14日からドルビーシネマ限定で先行公開され、11月21日から全国で順次公開される。入手困難となっていた書籍「THE ART OF 天使のたまご」が復刊され、増補改訂復刻版として10月10日に発売されることも発表された。

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 同作に影響を受けたという岩井俊二監督の「1985年。敗戦から40年、気がつけば世界第二位の経済大国となっていたニッポン。僕らは音楽やコミックやアニメの無限の可能性に陶酔し、それ越しにこの世界や平凡な日常を眺めていた。この映画は決して楽観主義的な映画ではないが、あの時代特有の未来を信じる想いが化石のように封印されている。“天使のたまご”というタイトルは未来に向けて放たれたタイムカプセルの隠喩でもあるのだろう。あれからさらに40年。このタイムカプセルが4Kで蘇るという。今の若い子たちは何を想うのか?そこに興味は尽きない」とコメントを寄せた。

 「天使のたまご」は、押井監督の初めてのオリジナル作品で、天野喜孝さんが原案、アートディレクションを担当。限りなくモノトーンに近い色彩、ごくわずかのせりふ、異例の長回し、約400カットという通常のアニメ約3分の1という少ないカット数といった禁欲的なスタイルで制作された。1985年にOVAとして発売され、発売記念として期間限定で劇場でも上映された。

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