ワンピース エッグヘッド編
第1152話 父と母の想い!ボニーの解放の拳
12月7日(日)放送分
「週刊少年ジャンプ」(集英社)で連載された堀越耕平さんのマンガが原作のテレビアニメ「僕のヒーローアカデミア」の最終章となる“FINAL SEASON”が、読売テレビ・日本テレビ系で毎週土曜午後5時半に放送されている。約9年にわたり放送されてきたヒーロー、敵<ヴィラン>の物語がクライマックスを迎える。2016年に放送を開始したテレビアニメ第1期から、雄英高校ヒーロー科1年A組の麗日お茶子を演じてきた佐倉綾音さんに“FINAL SEASON”の収録の裏側、作品に懸ける思いを聞いた。
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佐倉さんは“FINAL SEASON”までたどり着き、「複雑な心境」だと語る。
「テレビアニメの第1期からもうすぐ10年というところなのですが、お茶子たちにとっては1年くらいの話で、私たちが役と一緒に抱いてきた感情をさらに凝縮した人生をキャラクターたちは歩んでいるので、それを考えるとかなり途方もない気持ちになります。いよいよ終わってしまうのかという気持ちと、早くみんなにラクになってほしいという気持ちと、すごくいろいろな感覚が入り交じって複雑な心境です」
前シーズンの第7期の第158話「少女のエゴ」では、お茶子がずっと対峙(たいじ)してきた敵<ヴィラン>のトガヒミコの最期が描かれた。トガが命を懸けてお茶子を救う展開に心を揺さぶられたファンも少なくなかっただろう。
「『少女のエゴ』は、何回見ても新鮮な気持ちで苦しくなります。一緒に収録ができたので、かなり試行錯誤をしながら、スタッフさんとキャストと何が一番トガちゃんのラストとして最善かと、丁寧に探りながら収録をした印象です」
佐倉さんは、8月に開催されたイベント「『僕のヒーローアカデミア』HERO×VILLAIN FES.<ヒーロー×敵<ヴィラン>フェス>」でトガヒミコ役の福圓美里さんと「少女のエゴ」の生アフレコを披露した際も、感極まって涙し、感情の整理がついていない様子だった。その後、“FINAL SEASON”の収録が始まる際も、「お茶子が消化できていないので、私自身も消化できないまま」だったという。
佐倉さん自身、もやもやを抱えながらも収録に臨んだ“FINAL SEASON”。11月22日に放送された第8話(通算167話)「緑谷出久:ライジング」では、ヒーローと敵<ヴィラン>の戦いがついに終わりを迎えた。緑谷出久(デク)の元にA組の仲間が駆け付け、多くの人々の「頑張れ」に背中を押され、デクが最後の戦いに向かう姿は、SNSでも大きな話題になった。この「頑張れ」という言葉は、第1期でお茶子がデクに掛けた「『デク』って…『頑張れ!!』って感じで なんか好きだ私」ともリンクする。
「『ヒロアカ』が原作でずっと展開してきて、私たちはアニメーションで関わらせていただいてきましたが、『緑谷出久:ライジング』では、劇場版のキャラクターたちも出てきてくれて、一緒に『頑張れ』と言ってくれて。私たちがアニメーションで頑張ってきたところも踏まえて、『ヒロアカ』のデクの人生の一つなんだと分かったことが、いち声優としてとてもうれしかったです。『頑張れ』ってとてもシンプルな言葉なのですが、それが最後の力になり、それがデクが雄英に一歩踏み出した時の最初の言葉でもあるのが、本当にたまらなくて。人間って、考えたらキリがないほど深くて複雑な生き物だけど、最後の最後に残るのは、実はすごくシンプルなことなのかもしれない。そういうことも描かれている気がして、胸がいっぱいになりました」
「頑張れ」という言葉は、時と場合によっては言われた相手が重荷になることもあるが、佐倉さんは「強制や押し付けのニュアンスではなく、願いだからこそ、とても優しく強く響くのかな」と思いを語る。
ヒーローと敵<ヴィラン>の戦いが終わり、“FINAL SEASON”の終盤は物語のエピローグとなる。第10話(通算169話)「笑顔が好きな女の子」では、お茶子がトガとの対決や自身の過去について思い悩む姿が描かれ、佐倉さんは「お茶子が全然心の整理がついていないこのシーンが待ち受けていたので、ずっともやもやしていたんです」と語る。
同話では、デクがお茶子の異変に気付き、二人で話をすることになった。収録にはどのような思いで臨んだのだろうか。
「私自身も全然気持ちの整理がつかないままアフレコ現場に行きました。周りのキャストさんに『どう演じるのか気になっているんだよね』と言われても、『私もちょっと分からないんです』という状態で、念入りに準備をしたらあとは出たとこ勝負……という感覚でした。私は、アフレコ前は用意周到に準備をするタイプなのですが、自分の中で用意した感情が全部しっくりこなかったんです。そのままマイク前に立って、トガちゃんとの記憶を思い出しながら、掘り起こしながら収録をしたら、やっぱりぐっちゃぐちゃのままアフレコが終わって。どんな音になっているのか、自分の中でもまだ想像がつかない段階です。放送が楽しみでもあり怖いです」
同話の収録を終えてからも、複雑な心境は続いている。
「デクが一緒に背負ってくれようと手を差し伸べてくれて、とてもすてきなシーンなのですが、だからといって過去がゼロになるわけではないし、思いが全て払拭されるわけではないので。ずっと心の中のヒミコちゃんと一緒にお茶子はこの先も生きていくんだなという感覚はずっと心に残っています」
約9年間、「僕のヒーローアカデミア」、お茶子に向き合い続けてきた佐倉さん。自身さんにとっての“Plus Ultra(プルスウルトラ)”を聞いた。
「ほかの現場だと、尺を気にしたり、声色を気にしたり、キャラクターの枠内で演じることをテクニカルに決められている部分が多い中で、『ヒロアカ』に関しては、何よりも心、感情が重視されています。多少声がひっくり返っても、音が割れても、声が汚くなっても、そこに心が感じられたらそれでいいと。もしかしたらほかの現場では許されないのかもしれないけど、尺も気にせずに演じさせてもらって、『役を生きる』って本来こういうことなんだということを改めて感じさせてもらえる現場でした。作品的にもそういう考え方がとても似合う作品だと思うので、毎回毎回ありがたい現場だなと思っていました。役者としてとても大切なものを思い出させてもらえたし、成長させてもらえたような気がしています」
そうした収録現場だからこそ、思ってもみないような表現が引き出される瞬間も多かったという。
「日々を生きていると、自分の予想だにしない音ってそこまで出る機会がないんです。でも、『ヒロアカ』は、声色とか声質とかきれいな音なんて考えてられないくらいがむしゃらに命のやり取りをしている。私はのうのうと日常を生きることもすごく好きだし、すてきだと思うのですが、どちらかというと、そういう命のやりとりをしている時のほうが楽しかったし、ラクに呼吸ができる感覚がありました。とても楽しかったですし、生きている感じがしました」
共に生きたお茶子は、佐倉さんにとってどんな存在になっているのだろう。
「私が担わせてもらったのは、お茶子の声帯と心の部分だけです。見た目はアニメーターさんが担ってくださっていて、心と体の動きは監督や演出さんが担ってくださっていて、声優という役者が担う部分は、実は末端かもしれない。それでも、役者が命を賭して声を付けてもまだまだ足りないかもしれないと、ずっと思ってしまうくらいキャラクターの人生の大きさ、強度がすごく高いのが『ヒロアカ』のすてきなところだと思います。お茶子も何人、何十人、何百人がかりでも『まだまだ上がある』と思えるくらい、とてもいい生き様を持っているキャラクターだったので、並走できたというのはおこがましいですが、一緒の景色を見せてもらえてありがたかったなという思いがとても強いです」
佐倉さんは、「僕のヒーローアカデミア」の魅力の一つを「シンプルな言葉」だと語る。
「とにかく堀越先生のたくさんの仕掛けがとても秀逸な作品なのですが、難しい言葉ってそんなにたくさん出てこないんですよね。特に、一番大事なことを言う時には、そんなに難しい言葉は使っていなくて。生きていると、どんどん単純な言葉に飽きて、難しい言葉に傾倒して、それが格好いいと思ったり、すてきだと感じたりすることが多い中で、とてもシンプルな言葉で心を殴られるような感じがあって、カルチャーショックに近い。まだまだこんなシンプルな表現で、こんなに人の心を動かすことができたんだと。そういったものに度肝を抜かれる瞬間がたくさんあったように思います。だからこそ、世代問わず、たくさんの方に楽しんでいただけるのだろうなと思います」
「ヒロアカ」に「たくさん寄り添ってもらったし、たくさん絶望の淵から落とされたし、たくさん救い上げてもらったし、たくさん勇気をもらった」という佐倉さん。「そんな中でやっぱり最後に残るのは、救いだったと思わせてくれるのが、堀越先生の『ヒロアカ』の魅力だと思います」と語る。
佐倉さんは、以前インタビューで「ヒロアカ」の収録は「戦う現場」「挑む現場」だと語ったことがある。声優陣がまさに命を懸けて戦い、挑み続けた「僕のヒーローアカデミア」。ヒーローたちの物語を最後まで見届けたい。
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2025年12月12日 20:00時点
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