名探偵コナン
#1195「館ミステリー 渦巻館(前編)」
3月28日(土)放送分
人気声優・神谷浩史さんの誕生日の1月28日、11枚目のミニアルバム「Share Music」が発売された。2009年に初のミニアルバム「ハレノヒ」でアーティストデビューした神谷さんは、アーティスト活動は約17年にもおよぶ。「Share Music」では自身初となるクリスマスソング「きみとこの夜」に挑戦した。いつかクリスマスソングを……という思いがあったのだろうか? 神谷さんは「僕が提案したわけではないんです」と話し始めた。
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自身が提案していないのは消極的な理由というわけではない。約17年、アーティスト活動を続ける中で変化があり、至った考えがあった。
「僕の方からこういうものを歌いたいと提案することは、実はこの何枚かはやっていません。10年目までは自分でコンセプト考えたり、提案したりして、進んでいこうと考えていましたが、それ以降は基本的にプロデューサーや音楽ディレクターに提案していただけるものをどうやってパフォーマンスするのかという考えにシフトしています。『ハレノヒ』から始まって『ハレゾラ』『ハレイロ』と“ハレ”が付いた作品をリリースさせていただいてきました。『ハレロク』までは“ハレ”が付いたタイトルを自分で提案していました。10枚目だったら、“ハレ”が“10”で晴天、あっぱれだなというところまで考えて、そこまで続けられたらいいなという思いがありました。10年目まではそうやって活動してきたけど、それ以降は考えがシフトしていったんです。『Share Music』というタイトルも音楽ディレクターから提案されました。『Share』の中に“HARE(ハレ)”も入っているし、音楽もいろいろな人とシェアできたり、つながりでできているという説明を受け、進めていくことになりました」
「Share Music」は、神谷さんのアーティスト、声優としてのこれまでの活動の“つながり”を感じる作品にもなっている。
「『Share Music』というコンセプトにも含まれていますが、音楽はいろいろな人のつながりでできています。配信などさまざまな形で音楽が聴かれている中で、僕はCDのブックレットに目を通すのが好きで、CDを買うんですね。この人が作詞なんだ、作曲はこの人なんだ、この人がギターで入ってるんだ……とそういうのを見るのがすごく楽しいんですよ。そこからつながりも見えてきます。例えば、収録曲の『無限パラドックス』だったら吉野裕行さんがコーラスに入ってるんだと気付く。本当は取材で吉野さんが歌ってくれてます、早見沙織さんも歌ってくれているんですとアピールしなきゃいけないポイントなんですけど、なんとなく聴いたり、ブックレットを見た時に、吉野さんじゃないか?早見さんじゃない?と思ってくれるのも僕としてはうれしいんです」
早見沙織さんは“つながり”によって参加することになった。神谷さんと同じく早見さんは声優、アーティストとして超一流だ。神谷さんは大きな刺激を受けた。
「Kiramune(神谷さんが所属するレーベル)のメンバーがゲストアーティストとして参加するのは分かりやすいし、関係が見えやすいですが、そうじゃないところで誰かお願いできますか?と提案したところ、早見沙織さんのお名前が挙がったんです。早見沙織さんとは音楽ディレクターが共通なんです。早見沙織さんに頼めたらそれは最高だけど、お忙しいのは分かっている。まさか本当に早見沙織さんに歌ってもらえるとは思ってなかったから、これはマジか?と本当にうれしかったです。彼女はアーティストとしてもパフォーマーとしても超一流です。僕との力の差は歴然なのは分かっているので、一緒に歌えることになった以上、頑張らなければいけません。この年齢になって、そういう状況で歌えることが幸せです」
約17年にもおよぶアーティスト活動の中で大切にしていることがある。
「刹那的にやってきたところもあります。2009年11月29日にNHKホールでキラフェス2009をやらせていただき、それは一過性のもので、ライブを一回やって終わりだと思っていたんです。そこからは、これで終わりかもしれないと刹那的にやってきたのですが、その瞬間を乗り切ってきました。僕の考えではあるのですが、声優は瞬発力と集中力が強い人たちなんですよ。渡された台本を、刹那的に成立させる能力が高い。そういう感覚で、ライブやCD制作をしてきて、それがこう積み重なっていたのですが、そのやり方には限界がきてしまうんです。もちろん一生懸命やってきました。パフォーマンスをやって、前のめりに倒れて、それで終わってもいいと思っていました。実際に、ライブが終わって体調を崩したこともありました。それは、美しいし、姿勢としては素晴らしいと称賛されるけど、それはすごくないと思うようになったんです。だって、周りに迷惑をかけますから。倒れずに、安定したパフォーマンスが毎回できる方がいいよね」
音楽と向き合う姿勢に変化があった。
「計画的に、これが何回できるかを考えて、プラスアルファもできるようにする。さらに、それを超えていく。フルスイングして、当たれば飛ぶかもしれないけど、実は単に力んで振っているだけなのかもしれない。適切な力加減でも遠くに飛ばすことができるはず。フルスイングができるからこそ、適切な力加減が分かると思うんです。さらに、限界値を伸ばすこともやらなくてはいけない。当たり前のことなんですけどね。手を抜いているの?と思われるかもしれませんが、それは全然違います。手を抜くこととは、本質として違うんです。継続は力なりと言いますが、本当に継続しているからこそ得られる力もあります。力がない人は継続できないという逆説的な考えもあると思っています」
活動を継続して、ファンと一緒に歩んでいく。神谷さんは、長く楽しんでもらうことを考えている。
「だから健康でありたいですね。パフォーマンスの日くらいは調子いいと思えるようにしたいです。そのために一日一日を大切に過ごしていきたいです」
「Share Music」が発売される1月28日には、51歳の誕生日を迎える。進化を続ける神谷さんは、若々しくも見える。
「神谷家はそういう血筋みたいです(笑)。実家に帰って、両親を見て思うんですよ。両親がおじいちゃん、おばあちゃんの年齢になっているけど、見えないんですよね」
神谷さんは、刹那的に走り抜けるのではなく、長く続けるための選択を重ねてきた。その歩みの先に生まれた「Share Music」は、音楽が人と人をつなぐものであることを改めて伝えてくれている。(阿仁間満/MANTANWEB)
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