みみめめMIMI:ユカは声優のタカオユキだった! 初アルバムは「迷宮に迷い込んだイメージ」

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 「ブレイブアンドソウル」などの人気アニメのオープニングテーマを手がけて人気のユニット、みみめめMIMIが初のアルバム「迷宮センチメンタル」を13日にリリースした。声優のタカオユキさんとしても活動する、メンバーのユカさんに話を聞きました。

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 −−6月22日に赤坂BLITZで開催した初ライブで、みみめめMIMIのユカさんと声優のタカオユキさんが、同一人物だったということを明かしたわけですが、そもそもどうして内緒にしていたのですか?

 私たちみみめめMIMIは、視聴覚音楽というコンセプトの下に、イラストと音楽を同時に届けるユニットです。私の音楽とイラストレーターの“ちゃもーい”が描くイラストを100%楽しんでもらうには、余計な情報はない方がいいと思ったんです。それに、最初から声優のタカオユキが歌っていると発表していたら、素直に音楽を聴いてもらえないこともあるだろうと思ったし。でも、こうして(発表することで)直接音楽を届けることができて、とてもうれしかったんです。今までは第0章で、ここから私たちの第1章が始まるんだという気持ち、新しく生まれ変わったような新鮮な気持ちでいっぱいです。

 −−発表してファンの方からは、どんな反応がありましたか?

 正直言うと、少し不安もあったんです。聴いてくれているみなさんが、みみめめMIMIのユカ=声優のタカオユキであることを、受け入れてくれるのかって。でも終わってみると、みんなの反応がすごく温かくて、むしろ「今まで以上に応援したい」という意見をたくさんいただきました。曲の感想を直接伝えられるからうれしいと言ってくださる声もあって。すごくうれしくて、ありがたくて、より一層頑張ろうという気持ちになりました。

 −−そんな、みみめめMIMIの初アルバム「迷宮センチメンタル」がリリースされましたが、タイトルはどんなイメージで付けましたか?

 今の自分たちにふさわしいタイトルを付けたいと思い、悩んだ末にポッと出て来ました。そもそも私が曲を書き始めたのは中学生のときで、とあるセンチメンタルな思いをしたときに、誰に聴かせるわけでもなく作っていたのが始まりでした。デビューして1年経ちますが、いまだに自信が持てない部分がたくさんあるし、今もまだそうしたセンチメンタルの中でもがいています。センチメンタルの迷宮に迷い込んでいるというイメージで付けました。

 傷ついたりちょっと切なくなったりする気持ちって、知らなければその方がハッピーに暮らせるんじゃないかと思うかもしれませんが、そういう経験をすることが原動力になって、次をもっと頑張ろうと思えることもたくさんあります。私自身がそうです。このアルバムが、みなさんの中のセンチメンタルとリンクして、明日への原動力になってくれたらうれしいです。

 −−全曲の作詞作曲と歌はユカさん。アレンジャーやサウンドプロデューサーには、前山田健一(ヒャダイン)さんやクラムボンのミトさんなどが参加し、切なくて心がキュッとなる曲が満載された作品ですね。中でもラストに収録のバラード曲「SAY−YOU」は、声優のタカオユキとしても活動しているユカ自身のことを歌っています。

 デビューしてからの1年を振り返って、シンガー・ソングライターのユカが、自分の中にいる声優のタカオユキに宛てる気持ちで書きました。こういった二面性みたいなものは、私の場合は少し特殊ですが、誰にでもあると思うんです。なので、みなさん自身のことと重ねて聴いていただけたらうれしいです。ここから一つになって歩き出すんだという前向きな気持ちを書いたので、この1年応援してきてくれたみなさんにもぜひ聴いてほしいです。

 −−アルバムを聴いて、ユカさんの歌い方はすごく特徴があって、耳に残る声だなと思いました。

 よく舌足らずって言われます(笑い)。実は高校生のとき、いろいろな音楽のオーディションを受けまくって100回くらい落ちているんです。当時は、自分の声や歌い方に特徴がないからだと思っていたので、今よくそういうふうに言っていただけるので、少し不思議な気持ちですね。でも振り返ると、当時は太くてハリのある声の歌手に憧れて背伸びをして、きっと自分らしくなかったのかもしれません。変に作るのではなく、余計なもの削っていって最後に残ったものがオリジナルになるんだって、今、改めて実感しています。

 −−ユカさんご自身は、いったいどんな人なのでしょうか。ご自分のことを何かに例えると?

 ピアノの「シ」の音です(笑)。

 −−そのココロは?

 シの音って、白鍵のドと黒鍵のラにはさまれていて、ちょっと迷っている感があると言うか……。ドにも行けずラにも戻れず、区切りの悪い感じがあると思って、それが私っぽいかなって。私は、何事に対しても常に満足ができないし、自分の悪い部分を見つけてはセンチメンタルな気持ちになるし。常にもっと変わりたいとか夢をかなえたいとか、そういう思いの中をさまよいながら日々を歩んでいるので……。

 −−迷ったとき、どのように答えを導き出していますか?

 選択肢があるときは、勇気がいる方とか、ドキドキする方を選ぶようにしていますね。そもそも、ちゃもーいとみみめめMIMIを組んだときも、面白そうだと直感して、ドキドキワクワクしたからなんです。だからみなさんにも、もっともっとドキドキワクワクできるものを提供していきたいです!

 <プロフィル>

 シンガー・ソングライターのユカさんと、イラストレーターのちゃもーいさんで結成。耳と目を刺激する“視聴覚音楽”をコンセプトに活動。2013年8月にシングル「センチメンタルラブ」でデビュー。これまでにアニメ「君のいる町」「ブレイブアンドソウル」などアニメ主題歌をはじめ、でんぱ組.incが主演した映画「白魔女学園」主題歌「瞬間リアリティ」などを手がけている。ユカさんは、同時に声優のタカオユキとしても活動。「ブレイドアンドソウル」のアルカ役をはじめ、「君のいる町」「夜桜四重奏~ハナノウタ~」「ノラガミ」などに出演。ゲーム「ガールフレンド(仮)」の小倉愛役も担当している。

 (インタビュー・文・撮影:榑林史章)

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