幕張メッセ(千葉市美浜区)で開催中の日本最大のゲーム展示会「東京ゲームショウ2014」で、バーチャルリアリティー(VR)を楽しめるヘッドマウントディスプレー(HMD)が大きな注目を集めている。前日は米オキュラスVRの「Oculus Rift(オキュラス・リフト)」を体験して新感覚に驚いたが、今回はソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)の「Project Morpheus(プロジェクト・モーフィアス)」をじっくりプレーしてみた。
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オキュラス・リフトは、PCとゲームコントローラーによる操作だが、プロジェクト・モーフィアスは、プレイステーション(PS)カメラを接続したPS4を使う。ソリに乗ってスピードを競うウィンタースポーツ「リュージュ」のゲームの操作は、用意されたソファに寝転び、頭を左右に動かすだけといたってシンプル。リュージュで公道を走る……と内容もシンプルだが、その臨場感に驚かされる。目前に迫ってくる対向車は本物のようで、恐怖感すら覚えた。レーシングゲームでカーブを曲がる際に、ついつい体まで左右に動かしてしまう……という経験がある人もいるかもしれないが、実際に体を動かして操作できるのが新鮮だ。
「ザ・キャッスル」は中世ヨーロッパ風の世界を舞台に、剣やボウガンで戦うアクションだ。振って操作するリモコン形コントローラー・PSムーブを使って剣を振り回したり、ボウガンを撃ったりできるほか、敵を殴ることもできる。コントローラーを振り回して、敵を殴ったり、切ったりするのは快感で、二刀流に挑戦してみると「ソードアート・オンライン」のキリトのようなアニメキャラクターになった気分も味わえた。
アニメ「マクロス」シリーズなどの河森正治監督が手がけた映像も楽しめる。アニメ「AKB0048」のキャラクターが空中で歌って踊ったり、「創聖のアクエリオン」の巨大人型ロボットが空中戦を繰り広げる映像だ。HMDをかぶると、足元には夜景、頭上には空が広がり、空中を浮かんでいるような体験ができる。キャラクターやバトルの様子は、さまざまな角度から見ることができ、自分がアニメの世界に迷い込んだような錯覚に陥る。ちなみに空中に浮いている視点なので、高所恐怖症の人は下を向かない方がいいかもしれない。それくらいの臨場感があるわけだが……。
プロジェクト・モーフィアスの使用感や装着感はオキュラス・リフトと正直差がないように感じた。長時間装着していると、少し疲れてしまったのも共通している。いずれも個人差があるのかもしれないし、使っていけば体が慣れるのではと感じた点も同様だ。
ただ、PCを使うオキュラス・リフトに対し、プロジェクト・モーフィアスがゲーム機であるPS4の周辺機器という点は大きな違いだ。“ゲーム機”としてのPCの需要が減少している日本では、PS4を使ったプロジェクト・モーフィアスの方が普及するかもしれないし、一方でPC向けのオキュラス・リフトには、ゲーム分野にとどまらない多方面での活用がしやすいともいえそうだ。
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