ニコニコ動画で人気の歌い手5人組ユニット「ROOT FIVE」が、2枚目のフルアルバム「ROOTERS」を25日にリリースした。“応援”をテーマに、あの手この手で聴く人を楽しませ応援する、彼ららしいアイデアと熱い思いが詰まったアルバムに仕上がっている。アルバムについて5人に聞いた。
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−−2枚目のフルアルバム「ROOTERS」は約2年ぶりのアルバムですが、リリースにあたってどんな感想をお持ちですか。
蛇足さん:コンセプトアルバム「Summer Days」を途中に出していたので、2年ぶりと言われてびっくりしました。
みーちゃん:久しぶりという感じはしませんが……個人的には、のどの手術をする直前にレコーディングしたアルバムなので、そういう意味では思い入れが深いです。
koma’nさん:最初のアルバムの時は、とにかく方向性も分からずに、曲を増やすことに意識がいっていた気もしますが、今回はさまざまな経験を通して気づいた、足りなかった部分や、より良くしていきたいと思った部分が出せたアルバムになったと思っています。
ぽこたさん:1枚目のフルアルバムをリリースした際には、自分たちのイントロダクション的な意味合いが強かったので、5人で何ができるかをたくさん考えた思い出があります。2年たって、当時模索していたものは気づかないうちに見つけていたのかなと思いました。
けったろさん:リリースは絶えずしてきたので、特別な気持ちがあるというわけではありませんが、少しずつ成長してきている証しが詰まったアルバムです。たくさんの人に聴いてもらいたいなと思っております!
−−タイトル「ROOTERS」には“応援する人”という意味があるとのことですが。
ぽこたさん:メンバーそれぞれが個性的なので、一言に「応援する」といってもそれぞれのやり方があります。今回は5人それぞれが、どういう気持ちを伝えたいかをテーマに制作しました。
けったろさん:聴く人はそれぞれが別の悩みや不安を持っていて、それぞれに一つの答えを導くことは難しくても、背中の押し方は工夫できると思っています。なので5人それぞれの個性を生かし、別々の背中の押し方を意識して作りました。
koma’nさん:リード曲の「ハルカカナタ」はもちろんのこと、ベクトルは違えども、いろいろな応援ソングが詰まっています! 前向きな楽曲が多く、卒業や就職のこの時期にぴったりだと思います!
−−メンバー個々でプロデュースした楽曲も収録しています。それぞれどんな楽曲になりましたか?
koma’nさん:僕がプロデュースした「Love Ninja」は、“Love~シリーズ”のパロディー路線ということで、「ちょっぴりヘンテコなアイドル」をテーマにして作りました。キャッチーなメロディーと言葉遊びで、一度聴いただけで「おっ?」と思える曲になったかなーと思います。
みーちゃん:僕の「流転の歌」は、もともと「ダークなワルツ」というイメージがあって。結果、そのイメージとは少し違うものになったものの、今までのROOT FIVEにはない曲調で、いい化学変化を起こすことができたと思います。コーラスはほとんど僕がやっていて、怪しい雰囲気を出すようにしてみました!
蛇足さん:「MARIA−マリア−の残響」は、とにかく“マリア!”と言いたかった曲です。キー設定が高かったようでメンバーからは「高いよ!」と怒られました。
ぽこたさん:僕がプロデュースした「ワンチャンス!!」は、ライブで思い切りお客さんと掛け合いしたくて制作しました。こちらがアクションを仕掛けなくても、曲を聴いて自然に会場が一体となって、合いの手を入れてもらえたらいいなと思って作りました。
けったろさん:「Imaginations」は、普段僕が好んで聴いたり、自分のバンド「TOTAL OBJECTION」で制作している雰囲気のものを、メンバーに歌ってもらいました。5人というハーモニーで、新鮮でいいものに仕上がったと思っています。
−−koma’nさんのプロデュース曲「Love Ninja」のミュージックビデオを、けったろさんが監督したそうですが。
けったろさん:事前準備のコンテ書きや打ち合わせを特に入念に行いました。自分のイメージを口で伝えるのが難しかったですね。監督やスタッフさんの協力で、とても素晴らしいものになったと思います!
みーちゃん:今までにない撮影でしたが、けったろの意図はなんとなく分かったので、面白カッコいいみたいなところを目指しました!
koma’nさん:竹馬に乗るシーンがあったのですが、意外と難しくて、ずーっと練習してました。でも、結局スタッフに支えてもらいながら撮ったので、練習の意味はなかったです(苦笑)。
ぽこたさん:あぐらをかいたまま、背筋を伸ばし続けているのは意外と大変でしたね。
蛇足さん:外で、とにかく寒かったです。本当に(苦笑)。
−−1枚目のアルバム収録曲「M」のアンサーソング「S」はどんな曲に?
koma’nさん:情熱的なイメージだったので、まずラテン系のアレンジにしようと思いました。なおかつ「M」の特色だった歌謡曲感は残しつつ、ラテンのリズムであおっていく、気持ちのいい歌になったかなあと思います。
−−ちなみにメンバーで一番「S」なのは?
ぽこたさん:僕です! いつもメンバーにむちゃぶりをして、怒られています。
蛇足さん:ぽこたは、表向きにはいえないSなエピソードがたくさんあります(笑い)!
けったろさん:いつもうれしそうに過去のSな恋愛話をしているよね(笑い)。
−−リード曲の「ハルカカナタ」は、(蛇足さんを除く)メンバーで自分が歌うパートの作詞をしたとのこと。それぞれどんなふうに作詞をしていきましたか?
koma’nさん:結局は自分の人生だし、生きていく意味はもちろんのこと、得意不得意はそれぞれ違うので、早くそれに気づいて得意な部分を磨き上げて、自分の一番光る世界を見つけようという意味を込めました。あとは悲しいこと考えるよりも、惰性で生きていたほうが楽しいよ、と(笑い)。
みーちゃん:少ない文字数制限で、自分なりの歌詞を作るというのは結構難しいことだなと思っていたんですが、それぞれ個性が出てると思いますね。
ぽこたさん:相手に向けて伝えるという意思だけではなく、前後のメンバーが何を思っているのかを考えながら作りました。
けったろさん:いつも思っていることなので、割とすらすらと言葉は出てきました。他のメンバーは遠回しな言い方が多い印象ですが、僕は正直に書きました!
−−「ハルカカナタ」のMVでは学ラン姿で応援団に扮(ふん)していますが、撮影時のエピソードを教えてください。
koma’nさん:とにかく夜の撮影が寒かったです。撮影の合間は、割とずっと寝てました(笑い)。
ぽこたさん:冬の撮影でしたので、薄着でつらかったです。普段からトレーニングしているのですが、日常的にしない動きが多かったのでなかなか大変でした。
けったろさん:真っ青な長ラン(学ラン)なんて二度と着れないであろうすごい衣装だったと思います。手袋があったのは、寒い外での撮影の時に助かりました!
みーちゃん:主人公のゴロウ(少年)が、ブランコをこいでるのを応援する撮影の時、実は手袋をし忘れてしまって(笑い)。
蛇足さん:最年長なので、ずっと学ランとの違和感と戦っていました。最後は慣れましたが(苦笑)。
−−応援がテーマということで、応援したい相手はいますか?
koma’nさん:自分。すぐにだらけるので、もっとやる気を出してください!
みーちゃん:のどの手術をした時に、応援してくれた皆さんがくれたストレートなメッセージがとても励みになったので、その人たちにお返しがしたいですね!
ぽこたさん:僕たちのマネジャーさんです。すごく頑張っていただいているので……応援というか、感謝です。いつもありがとうございます!
蛇足さん:周りを気にしすぎるタイプの人に、そんなに気にしすぎることはないよってそっと教えてあげたいですね。
けったろさん:悩んでいるファンの皆様。生きている間は、常に悩みとの戦いだと思っています。前を向いていれば答えはきっとすぐそばにありますよ、と声を大にして言いたい。そんな気持ちが伝わったらうれしいです!
<プロフィル>
人気動画共有サイト「ニコニコ動画」の人気カテゴリ「歌ってみた」で人気を誇る蛇足さん、ぽこたさん、みーちゃん、けったろさん、koma’nさんの5人で結成、2011年12月にシングル「MERRY GO ROUND」でデビュー。13年にリリースした1枚目のアルバム「ROOT FIVE」は、オリコンアルバム週間ランキングで自己最高位の7位を記録。5人の合計動画再生回数は3500万回以上を記録し、5人のツイッターフォロワー数は合計で90万人を超える。各自ドラマやミュージカルにも出演するなど、個性的な歌唱力とキャラクターでインターネットとリアルの両軸で活動する「ハイブリッドアーティスト」として活躍中。
(インタビュー・文:榑林史章)
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