テレビ試写室:「アイムホーム」 “自信なさげ”で家庭的なキムタクが新鮮

テレビ朝日提供
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 ドラマからドキュメンタリー、バラエティー、アニメまで、さまざまなジャンルのテレビ番組を、放送前に確認した記者がレビューをつづる「テレビ試写室」。今回は人気グループ「SMAP」の木村拓哉さんがテレビ朝日系連続ドラマ初主演を務める「アイムホーム」だ。16日午後9時に放送される。

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 石坂啓さんが青年マンガ誌「ビッグコミックオリジナル」(小学館)で1997~98年に連載し、「第3回文化庁メディア芸術祭」(99年)のマンガ部門大賞を受賞したマンガが原作。事故で直近5年間の記憶を失い、妻や子供の顔が仮面に見えてしまう主人公・家路久(いえじ・ひさし)が、手元に残された10本の鍵を手がかりに“空白の日々”を探っていく……。

 木村さんが演じるのは証券会社のエリート営業マンだった家路久。爆発事故に巻き込まれ、3カ月間の昏睡状態から意識を取り戻すが、高次脳機能障害を負ってしまう。記憶があいまいで職場の記憶もなく、花形部署から窓際部署へと異動させられ、女性社員から「ポンコツ」呼ばわりされ、間違えて前妻の家に帰宅してしまったり、息子の誕生日も忘れていたり……さらには今の妻と4歳の息子の顔が仮面をかぶっているように見えてしまう。

 どこか落ち着かない、不安そうな表情、自信のなさそうな表情を見せる木村さんの演技は、これまであまり見たことがなかった。キッチンに立って料理を作ったり、アイロンを掛けたりする“アットホーム”な木村さんも新鮮だ。序盤は苦悩や不安、戸惑いなどが先行するが、“家族”のためになりふり構わない泥臭い姿を見せるシーンもあり、次第に前を向いていく姿は木村さんらしさも出ていて気持ちがいい。

 木村さん演じる久の妻・家路恵を演じるのは、第1子妊娠を発表したばかりの上戸彩さん。木村さんとは初共演だが、夫婦役に違和感はない。4歳の息子をきちんとしつける母親ぶりを見せると同時に、夫のおかしな様子に戸惑い、距離を感じる妻を好演しており、これから木村さんとどんな関係になっていくのか期待大だ。

 上戸さんのほかにも、久の元妻役の水野美紀さん、主治医役の及川光博さん、上司役の西田敏行さんと実力ある俳優陣がそろい、初回には香川照之さんもゲストで登場する。初回の終盤で意味深なセリフを発する人物もいて、脇を固めるキャストたちがどのように物語に絡んでいくのか期待が膨らむ。

 また、今作は“ミステリーホームドラマ”とうたわれているが、コミカルな要素や、ハートフルな展開もあり、あまりシリアスになりすぎることなく、気楽に楽しめる作品といえそう。木村さんが5年前に流行したあるグループのダンスを披露するシーンには思わず笑ってしまう。なぜ妻と子供が仮面に見えるのか? なぜ前妻と別れたのか? 記憶は戻るのか?……いくつもの謎が浮かび、第2話の放送が待ち遠しくなった。

 「アイムホーム」は毎週木曜午後9時。16日の初回は15分拡大で放送される。

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