注目映画紹介:「天才バカヴォン~蘇るフランダースの犬~」 ネロとパトラッシュがバカボン一家とドタバタバトル

「天才バカヴォン~蘇るフランダースの犬~」のワンシーン(C)天才バカヴォン製作委員会
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「天才バカヴォン~蘇るフランダースの犬~」のワンシーン(C)天才バカヴォン製作委員会

 故・赤塚不二夫さんの傑作ギャグマンガ「天才バカボン」の初の長編劇場版アニメ「天才バカヴォン~蘇るフランダースの犬~」(FROGMAN監督)が23日から公開される。赤塚さんの生誕80周年記念作で、人気フラッシュアニメ「秘密結社 鷹の爪」シリーズで知られるFROGMAN監督が独自解釈し、「天才バカボン」と名作アニメ「フランダースの犬」との異色コラボが実現した。

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 暗黒組織「インテリペリ」は、気象から株価の変動まで世の中のすべてを予測できる究極のコンピューター「オメガ」を起動させようと、世界中のあらゆるデータをインプットするが、最後に残ったデータはなんと「バカボンのパパの本名」だった。バカボンのパパは、本名を聞き出そうとするインテリペリの工作員たちを大ぼけ連発で撃退。インテリペリの総帥・ダンテは、人間に恨みを抱いたまま、なんと地獄へ落ちていたネロとパトラッシュをよみがえらせ、刺客としてバカボンの元に送り込む……という内容。定職にも就かず自由を謳歌(おうか)するバカボンのパパに、良妻賢母を絵に描いたようなママ、天真爛漫(らんまん)なバカボン、なぜか大天才のハジメちゃんというバカボン一家に加え、レレレのおじさん、本官、ウナギイヌといったおなじみのキャラクターも登場する。

 名作パロディーの名手でもあるFROGMAN監督は、アニメの名場面として必ず挙げられる「フランダースの犬」のラストシーンを見事にうっちゃり、ネロとパトラッシュを凶暴化させるだけでなく、ダークなネロに大ぼけをかませるなどやりたい放題。ダンテ、ネロとバカボン一家のドタバタバトルは、バカボン史上最も壮大でナンセンスな結末へと向かいつつも、見終わったあとには心がほっこりするようなハートフルな仕上がりになっている。象徴的なのが犬山イヌコさんが声を担当したバカボンの性格で、人を疑うことを知らない純粋さ、抱きしめたくなる愛らしさがある。また瀧本美織さんが演じたネロの冷めた感じ、振り回されながらも献身さを貫いた内閣情報局の神田君の悲壮感に胸がキュンとなる瞬間もあった。新宿バルト9ほかで23日から公開。

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