1980年代に流行したゲームキャラクターたちが登場する米映画「ピクセル」(クリス・コロンバス監督)が12日に公開される。映画は、「ハリー・ポッター」や「ナイトミュージアム」シリーズのコロンバス監督が手掛けるSFエンターテインメント作で、「パックマン」「ドンキーコング」「スペースインベーダー」といったゲームキャラクターに姿を変えた宇宙人が地球に襲来し、人類と戦いを繰り広げる。日本語吹き替え版では、タレントの柳沢慎吾さんが主人公のサム・ブレナーの声で実写の米映画の吹き替えに初挑戦しているほか、渡辺直美さん、神谷明さんらが声を担当している。
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1982年、NASAが宇宙に向けて「友好」のメッセージを発信したが、受信した宇宙人は内容を誤解して人類からの挑戦状と解釈し、2015年、地球への侵略を開始する。メッセージに含まれていたパックマンやスペースインベーダー、ドンキーコングはじめ、ゲームキャラクターに姿を変えた宇宙人たちは、すべてをピクセル化させ、ブロック状に破壊。そんな状況の中、米国大統領は82年当時のビデオゲームのチャンピオンらを集め対抗することを決意する……というストーリー。
パックマンやドンキーコング、ほかにもギャラガ、ディグダグなど、実に数多くの懐かしゲームキャラクターが登場し、設定としては悪役側になってしまっているのは残念ではあるが、奇抜な物語と最新のCG技術で再現されたキャラクターたちに驚かされ、所狭しと暴れまくる姿は圧巻だ。2Dでも迫力は味わえると思うが、ここはぜひ3Dで楽しむことを勧めたい。ピクセルで描かれた2次元キャラが、ハイクオリティーなCGで3次元に描き直された姿は、どこか愛嬌(あいきょう)があって可愛らしく、街やビルがピクセル化していく演出には思わず息をのむほど美しい。映像技術と完成度はかなり高いが、宇宙人が昔のテレビ映像を利用して宣戦布告したりするなど、おバカな要素が詰め込まれていて、要所要所で笑わせてくれる。展開がシンプルで、主人公たちに都合がよすぎるような部分もあるが、テンポ感と奇想天外なアイデアが抜群で、細かいことは気にせず楽しみたい。コメディー要素が多く、当時のゲームをあまり知らなくても十分、楽しめる。丸の内ピカデリー(東京都千代田区)ほか全国で公開。(遠藤政樹/フリーライター)
<プロフィル>
えんどう・まさき=アニメやマンガ、音楽にゲームなど、ジャンルを問わず活動するフリーの編集者・ライター。イラストレーターやフォトショップはもちろん、インタビュー、撮影もオーケーと、どこへでも行き、なんでもこなす、吉川晃司さんをこよなく愛する自称“業界の便利屋”。
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