ダンダダン
第8話「なんかモヤモヤするじゃんよ」
11月21日(木)放送分
“視聴覚ユニット”の「みみめめMIMI」が、アニメ「アニサン劇場」オープニングテーマとなったシングル「天手古舞」を17日にリリースした。カップリング曲にはニコニコ動画で活躍する「まふまふ」さんをゲストに迎えた「相対性レプリカ featuring まふまふ」を収録。ライブで盛り上がること必至の2曲について、ボーカルのタカオユキさんに話を聞いた。
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――「天手古舞」は、途中でお祭りっぽくなって面白い作りの曲になっていますね。作ったきっかけは?
CDリリースイベントや握手会があるたびに「みみめめメイト」(みみめめMIMIのファンのこと)の皆さんから、こういうことがあったよと日々のことを聞いたり、友達から仕事の話を聞いたりすることが多くて。今までのように自分のことを歌うのではなく、みんなの日常を切り取った曲を作りたいと思ったのがきっかけです。恋に学校に仕事にと、てんてこまいの日々を送っている女の子を主人公にして、みんなが日々悩んだりてんやわんやしている様子を、明るくポップに歌い飛ばせる曲にしようと思いました。
――「てんてこまい」という言葉は知っていても、漢字で「天手古舞」と書くとは知りませんでした。
友達とのLINEのやりとりの中で「忙しくて天手古舞しているんだ」というコメントが届いて、「天手古舞」って可愛いじゃん! と思ってタイトルに使いました。曲を作るにあたって「天手古舞」の語源を調べたら、小太鼓が慌ただしく鳴っている様子が「天手古」で、そこから転じて「天手古舞」という言葉が生まれたそうです。太鼓といえばお祭りですから、お祭りをテーマに日常のてんやわんやを歌って、天手古舞したっていいじゃないかという、明るい曲にしたいと思いました。和太鼓やホイッスルなどいろんな楽器の音が入っているので、サウンド的にもてんてこまい感を出せたものになったと思います。
――和のテイストとポップさが融合した、今までのみみめめMIMIになかったタイプの曲ですね。
サウンドも今までになかったし、今までで一番キーが高くて言葉もすごく詰め込んでいるので、歌っている自分自身がてんてこまいになります(笑い)。和のテイストを取り入れることや、途中で雰囲気ががらりと変わるところなどのアレンジは、キーボーディストの野間康介さんに編曲していただきました。今回は自分でもホイッスルを吹いたり、ピアノの速弾きにも挑戦しています。野間さんからは、ピアノのアレンジや弾き方のアドバイスなどもいただいたので、“野間師匠”と呼んでおります!
自分で作曲したものの、とにかくキーが高くて。最初は裏声で歌う予定だったところを、パンチを出したいからと本番では地声で歌うことになってしまって。出るか出ないかギリギリのキーだったんですけど、何とか頑張って気合で出しました。文字通りてんてこまいしながらでしたけど、レコーディングの間にレベルアップを実感できたので、すごく達成感がありました。
――歌詞には主人公が天手古舞になっている様子が描かれていますが、これはファンの方などからの話を基にしているんですか?
そのつもりだったのですが、スタッフさんがいうには「まさにタカオユキだね」って。自分ではそれほどだとは思っていなかったのですが、周りから見ると私って、普段からてんてこまいしているみたいで、気づけば私自身のことも表した曲になっていました。
――実際にてんてこまいしたエピソードは?
飛行機に乗るとき、航空券をピッと(タッチ)するところで気づかずにSUICAをピッとやってしまって、一人で「通れないー!」と大騒ぎしていたりとか。家を出るとき鍵を挿しっぱなしで外出してしまい、帰ったらどうぞ入ってくださいといわんばかりに鍵が挿さっていたり。あと、携帯をよくなくすんですけど、この間は地下鉄でなくしてしまって。東京メトロに問い合わせたら、落とし物で届いていました。日本が平和な国で本当によかったと思うエピソードばかりですね(笑い)。
――そしてカップリングの「相対性レプリカ featuring まふまふ」は、ニコニコ動画で歌い手やボカロPとして活動されている「まふまふ」さんが参加。どういう経緯だったんでしょうか。
まふまふさんが私の曲を歌ったものをネットに上げてくれていて、それを聴いたファンの方から声が似ているといっていただいたり、ネットでもそういう書き込みがたくさんあったんです。それで、一緒に歌ったら面白いんじゃないかということで、コラボすることになりました。
まふまふさんは男性なのですが、あんなに高い声が出せて中性的な雰囲気があって。実際にまふまふさんの歌声を聴いて、すてきだなって思いました。何とも不思議な気持ちではあるのですが、どれくらい似ているかは、実際に聴いて確かめてほしいですね。
――エレキギターをメインにしたソリッドなロックサウンドですが、これも今までのみみめめMIMIにはなかった雰囲気ですね。
まふまふさんが作曲と編曲をしたデモを聴いて、その時点ですごくカッコよくてワクワクしました。いつもは私のピアノがメインなので、このコラボによってみみめめMIMIの新しい扉を開いた気がします。
作詞は2人の共作になっていて、交換日記をするような感覚で、お互いに送り合いながらパズルのピースを埋めていった感じです。まふまふさんの言葉に導かれるようにして、私の中からも普段は使わない言葉がどんどん引き出されていきました。中盤にせりふのパートもあるのですが、まふまふさんの生み出した世界観があったからこそ引き出された言葉で語っています。コラボレーションというのはまさしくこういうことなんだなと、新しい経験をさせていただきました。
――「相対性レプリカ」というタイトルはどういうイメージですか?
まふまふさんが付けてくださったタイトルなのですが……。自分自身の中に守りたい自分と、切り開いていきたい自分との二面性があって。自分自身と鏡の中の自分が、相対しているようなイメージだと解釈しています。
「天手古舞」は明るい気持ちを前に出しましたが、「相対性レプリカ」の方は、戦っているイメージで歌いました。ガラスやプラスチックって壊れやすい繊細なイメージですが、とがっていたりとか強いイメージもあると思って。それを頭で想像しながらだったので、激しくシャウトしているようなところもたくさんありますね。
――今回は完全限定生産で、イベント会場限定盤には「オリジナル手ぬぐい」が付いています。amazon期間限定盤には、みみめめMIMI主催イベント「視聴覚アカデミーVol.3」のライブ映像を収録したDVDが特典として付くということですが。
「天手古舞」のテーマがお祭りですから、ここは洋風のタオルではなく手ぬぐいだろうと(笑い)。「天手古舞」のサビは、手ぬぐいを回して盛り上がれるように作ってあるので、ぜひおそろいの手ぬぐいをゲットしてください。amazon盤に関しては、ライブ映像を収録するのは初めてなので、恥ずかしいような見てほしいような、照れくさい気持ちです。でもこれを見て、たくさんの方にライブへ足を運んでほしいです。実際のライブは映像よりもっと楽しいので、ぜひ遊びに来てください。一緒に手ぬぐいを回しましょう!
<プロフィル>
声優でシンガー・ソングライターのタカオユキさんとイラストレーターのちゃもーいさんからなる、耳と目を刺激する視聴覚ユニット。2013年8月にアニメ「君のいる町」オープニングテーマ「センチメンタルラブ」でデビュー。これまでに5枚のシングルとアルバム「迷宮センチメンタル」をリリース。12月5日に東京・赤坂BLITZで開催の「LIVE GIRLPOP Vol.5 ~Emotion~」、2016年1月17日に東京・豊洲PITで開催の「LIVE A2 2016‐アニぱら音楽館×A‐POP PLUS‐」、2016年2月13日に大阪・グランキューブ大阪で開催の「ANIMAX MUSIX 2016 OSAKA」に出演する。
(取材・文・撮影/榑林史章)
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