「SMAP」の木村拓哉さん主演ドラマの劇場版第2作「HERO」(鈴木雅之監督)や劇場版アニメ「おおかみこどもの雨と雪」(2012年作)などで知られる細田守監督の3年ぶりの新作「バケモノの子」などに加え、女優の有村架純さんが主演した「ビリギャル」(土井裕泰監督)の予想を上回るヒットに沸いた2015年の日本の映画界。2016年は昨年を上回るヒット作が生まれるのか。16年に公開される邦画の中から、大作や話題作、人気マンガの実写版からアニメまで国内のオススメ作品をピックアップし紹介する。
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16年も年明け早々から話題作は目白押し。1月9日には竹野内豊さん主演の「人生の約束」(石橋冠監督)、「NEWS」の加藤シゲアキさんの小説デビュー作を行定勲監督が映像化した「ピンクとグレー」が公開。また松山ケンイチさんと北川景子さん共演の「の・ようなもの のようなもの」(杉山泰一監督、16日公開)、第26回山本周五郎賞を受賞した小野不由美さんの小説「残穢」が原作のホラー「残穢(ざんえ)-住んではいけない部屋-」(中村義洋監督、30日公開)も見逃せないところだが、なんといっても注目は「さらば あぶない刑事(デカ)」(村川透監督、30日公開)だ。
舘ひろしさんと柴田恭兵さん演じる破天荒な刑事コンビが活躍するドラマ「あぶ刑事」シリーズ30年目の完結編となる作品で、05年公開の「まだまだあぶない刑事」以来、約10年ぶり7作目の劇場版となる。舘さんと柴田さんのほか、仲村トオルさんや浅野温子さんらおなじみのキャストが集結。物語は、定年退職を間近にした舘さん演じる“タカ”こと鷹山敏樹と、柴田さんふんする“ユージ”こと大下勇次が、横浜に忍び寄る世界の闇市場を牛耳る中南米マフィアとの戦いが描かれる。
2月公開では宮藤官九郎さんが監督・脚本を務める「TOO YOUNG TO DIE! 若くして死ぬ」、タレントのビートたけしさんが“自作外”では12年ぶりに主演する「女が眠る時」(ウェイン・ワン監督)などがオススメ。「TOO YOUNG TO~」は、「TOKIO」の長瀬智也さんが主演し、神木隆之介さんも出演。事故で地獄へ落ちてしまった高校生の大助(神木さん)が、地獄農業高校の軽音部顧問でロックバンド・地獄図(ヘルズ)を率いる赤鬼・キラーK(長瀬さん)と出会い、生還を目指し奮闘する………というストーリーで、同6日に封切られる。
一方、同27日公開の「女が眠る時」は、妻とバカンスを過ごすため美しい海辺にたたずむリゾートホテルへとやってきた小説家が、滞在初日にプールサイドで目撃した異様な存在感を放つ年の離れた男女のことが脳裏から離れなくなり、その執着心はストーカー行為へと発展。“狂気”をのぞき見ることになる……というサスペンス。たけしさんが、若くて美しい女性を連れた謎めいた初老の男性・佐原、忽那汐里さんが佐原の年の離れた恋人・美樹を演じ、佐原と美樹のカップルに執着する小説家・清水健二役で西島秀俊さんも出演する。
3月に入ると5日に人気アイドルの橋本環奈さんが主演する「セーラー服と機関銃 -卒業-」が公開される。橋本さんは薬師丸ひろ子さんや長澤まさみさんが演じた星泉(ほし・いずみ)役で、作品には欠かせない“乱射シーン”もあるといい、主題歌でソロデビューも決まっている。また同12日公開の「エヴェレスト 神々の山嶺(いただき)」(平山秀幸監督)は、「V6」の岡田准一さんと阿部寛さんが共演し、日本映画史上初となるエベレスト標高5200メートル以上での撮影も話題の大作。なお岡田さんは、百田尚樹さんのベストセラー小説を映画化する「海賊とよばれた男」(山崎貴監督)の公開が12月に控え、16年の邦画シーンをリードする存在となりそうだ。
毎回、賛否両論が巻き起こるマンガ原作の実写映画だが、そういった意味でも見逃せないのが、“人型ゴキブリ”と昆虫の能力を持った人間たちが、未来の火星を舞台に激しい戦いを繰り広げる貴家悠さん作、橘賢一さん画の人気マンガを三池崇史監督が実写化する「テラフォーマーズ」だ。主演は「悪の教典」(12年作)などで三池監督とタッグを組んできた伊藤英明さんで、武井咲さん、山田孝之さん、小栗旬さん、山下智久さん、篠田麻里子さん、菊地凛子さんら豪華キャストが集結。4月29日に公開されることが決定している。
また、かるたを題材にした末次由紀さんの人気マンガが原作の「ちはやふる」(小泉徳宏監督)も大きな反響がありそうだ。主演は広瀬すずさんで、劇中で主人公・綾瀬千早になりきるためエクステをつけたロングヘア姿を披露している。原作マンガは、10年に「このマンガがすごい!オンナ編」で1位を獲得。累計発行部数は1300万部以上を誇り、11、13年と2度にわたってアニメ化もされた。共演は野村周平さん、真剣佑さん、上白石萌音さん、矢本悠馬さん、森永悠希さんら。映画は2部作で「上の句」が3月19日、「下の句」が4月29日に公開される。
「ちはやふる 上の句」と同日(3月19日)公開となるのが、三部けいさんのミステリーマンガが原作となる「僕だけがいない街」(平川雄一朗監督)。母が殺された事件の容疑者となった主人公が、特殊な能力で過去に戻り、小学生時代に起きた連続誘拐事件の謎に挑む……というストーリー。主演は藤原竜也さんで、ヒロイン役を有村架純さんが務める。
そのほか、小栗旬さん主演で14年10月期に放送されたフジテレビの“月9”ドラマの劇場版「信長協奏曲(コンツェルト)」も原作は石井あゆみさんの人気マンガで、1月23日公開。優しげな見た目とは裏腹に中身はドSのイケメンを山崎賢人さん、彼氏いない歴16年を二階堂ふみさんが演じる「オオカミ少女と黒王子」(廣木隆一監督)も八田鮎子さんの同名マンガを実写化した作品。公開は5月を予定し、「ストロボ・エッジ」「娚(おとこ)の一生」などを描けてきた廣木監督の手腕にも期待したい。
3月に入ると、「ドラえもん」の劇場版最新作「映画ドラえもん 新・のび太の日本誕生」(同5日公開)、「プリキュア」シリーズの20作目となる劇場版「映画プリキュアオールスターズ みんなで歌う♪奇跡の魔法!」(同19日公開)が登場。4月以降も京都アニメーション制作の「響け!ユーフォニアム」の劇場版「劇場版 響け!ユーフォニアム~北宇治高校吹奏楽部へようこそ~」、「亜人」の第2部「衝突」などの公開が控え、奥浩哉さんのSFマンガ「GANTZ(ガンツ)」のフル3DCGの劇場版アニメ「GANTZ(仮)」も年内公開と報じられており、こちらも注目だ。
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