僕のヒーローアカデミア:声優・岡本信彦が爆豪への思い語る 嫌われ役だが「愛らしいところも」

「僕のヒーローアカデミア」で爆豪勝己の声優を務める岡本信彦さん
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「僕のヒーローアカデミア」で爆豪勝己の声優を務める岡本信彦さん

 テレビアニメ「僕のヒーローアカデミア」で、主人公・緑谷出久(みどりや・いずく、通称・デク)の幼なじみでライバルの爆豪勝己(ばくごう・かつき)の声優を務める岡本信彦さん。爆豪は強力な能力を持つが、自尊心が強く、デクをいじめるなど個性的なキャラクターだ。“嫌われ役”ではあるが、どこか魅力的な爆豪について「最初はいやなヤツという印象だった。でも、愛らしいところもある」と語る岡本さんに作品やキャラクターへの思いを聞いた。

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 ◇小物っぽさを意識

 「僕のヒーローアカデミア」は、2014年7月から「週刊少年ジャンプ」(集英社)で連載中の堀越耕平さんのマンガが原作。人口の約8割が“個性”という超常能力を持つ世界を舞台に、“個性”を持たずに生まれてきてしまった少年が、最高のヒーローを目指す姿を描いている。マンガに精通する書店員らが「その年一番のマンガ」を選ぶ「マンガ大賞2015」にノミネートされるなど、連載開始直後から注目を集めていた。アニメはMBS・TBS系で日曜午後5時の“日5枠”で放送中。

 岡本さんは「(堀越さんの)『逢魔ヶ刻(おうまがどき)動物園』(オーマガ)も好きでしたし、『ジャンプ』で原作を読んでいました。とても好きな作品なので、どんな役でもやりたい! 関わりたい! と思っていました」と原作の大ファンだったという。「僕の声の高さでは、デクは無理だろう。現時点の自分の声を考えると、この役かな? と思っていたところに入れました!」と出演を喜ぶ。

 岡本さんが演じる爆豪は、強力な“個性”を持ち、デクを見下し、時にはきつく当たることもある。岡本さんは、爆豪について「連載では、デクの目線で読んでいたので、いやなヤツだなという印象でした。原作で、デクと爆豪の戦いを読んだ時は、デクを応援していましたね。あんまりいいイメージがなくて、何でデクにここまで当たるんだろ? と思っていた」と明かす。一方で、「最近、自分の中で爆豪の株がどんどん上がっています。連載で、僕が考えていた爆豪のよいところとマッチした展開があった。どんどん好感度が上がっている。いいキャラですよね」とも話す。

 また、爆豪について「嫌われそうですよね」と語り、「だから、子供っぽくやりたい。大人っぽくやると、完成した性格の悪さになる。若気の至りであってほしいので、小物っぽさを意識している。伸びしろがあるキャラクターになればと思って演じています」と明かす。

 ◇お芝居には正解がない

 岡本さんは「暗殺教室」「ダイヤのA」「とある魔術の禁書目録」など数々の人気アニメに出演している人気声優だ。活動の中で毎年、テーマを設定しているといい「2016年は“余白”です。例えば、みなまで言わない。『君のことが好きだよ』と言わないでも雰囲気だけで『好きだよ』ということが出るような演技ができれば」と話す。これまでのテーマについては「始めたころは“自然さ”を求めていました。次は“臨機応変”だった」と話し、「一つ一つ頑張っていけば年輪が増えていって、それが層になっていく。それが深みにつながると思っています」と語る。

 声優を続ける中で常に意識をしているのは「面白いことを見つける」ことで「何でこの職業を選んだかは、楽しいからなんですね。キャラクターの魅力を出せた! などを感じたり、楽しみながらやっています。お芝居には正解がない。将棋が好きなのですが、将棋だったら、この手が悪かったから……となるけど、お芝居はそうではないので」と、声優という仕事への思いを明かす。

 「連載であのシーンで爆豪が……」「爆豪の気持ちを考えると……」などとキャラクターや作品への愛を熱く語る岡本さん。今後の見どころを「第1、2話の爆豪は印象は最悪かもしれませんが、彼のことが分かるほど、ツンデレではないことに気がついていくと思います。愛らしいところもあるんです。ぜひ、そこを見てください!」と話していた。主人公・デクの活躍はもちろん、“愛すべき”キャラクターの爆豪の今後も注目される。

 <プロフィル>

 おかもと・のぶひこ 1986年10月24日生まれ。東京都出身。2009年の第3回声優アワードで新人男優賞、11年の第5回声優アワード」で助演男優賞を受賞。「sola」「青の祓魔師」「アラタカンガタリ~革神語~」「迷い猫オーバーラン!」などで主演を務めてきたほか、「ハイキュー!!」「バクマン。」「暗殺教室」「とある魔術の禁書目録」「ダイヤのA」などにも出演。

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