森川葵:アニメ好きで新番組は必ずチェック 声優として「魔法少女をやりたい」

声優に初挑戦した劇場版アニメ「鷹の爪8~吉田くんのX(バッテン)ファイル~」について語った森川葵さん
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声優に初挑戦した劇場版アニメ「鷹の爪8~吉田くんのX(バッテン)ファイル~」について語った森川葵さん

 劇場版アニメ「鷹の爪8~吉田くんのX(バッテン)ファイル~」(FROGMAN監督)が公開された。今作は同シリーズの10周年作品で、「月刊コロコロイチバン!」(小学館)で連載中の同名マンガをオリジナル脚本で初アニメ化。20世紀の島根県・吉田村を舞台に、秘密基地で遊んでいた地元の小学生・吉田くんと仲間たちのもとに、未来からタイムトラベルで世界連邦捜査局・X(エックス)捜査課のモレルダー&ナスカリー捜査官がやってきて、未来で怪事件を発生させているという「呪いのビデオ」の捜索を始めるが……という物語だ。吉田くんの同級生・里美役で声優に初挑戦した女優の森川葵さんに聞いた。

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 ◇自分の声が入った映像を見て「まだまだだな自分」

 完成した映像を見て、「まだまだだな自分」と感じたと話す森川さん。「最近は自分が何かの役をやっているという姿を見るのは、ちょっとずつ慣れてはきたんですけど、声だけというのはなかったので、全然だめだと思いました」と自身でダメ出しする。初挑戦となる声優業について「自分の表情では表せないし、全部声で表現しなければいけないから、そんなに力が私にあるのかなと思っちゃって、すごく心配でした」と不安でいっぱいだったという。

 森川さんが演じるのは気が強く、おませな女の子である里美。「録(と)る前に監督から、『里美という女の子はちょっと気が強くて、年のわりにはちょっと大人びている』という説明をされたので、若く元気にキャッキャッというよりは、落ち着きのある女の子というのを意識しました」と説明。そして「普段の感じに、プラスちょっと元気や明るさ、鋭さのようなものを足した感じです」と声作りについて明かす。

 アフレコで、森川さんは「(収録場所が)2人入って、あと機材が置いてあっていっぱいみたいな部屋で、(監督と)2人で入って録音したのですが、音の関係で空調もつけられず、暑い部屋で汗ダラダラになりながら録っていました」と話す。「自分は見えていないので分からないですけれど、多分表情とかは動いていたと思います(笑い)」と収録の際は思わず表情や動きをつけてしまっていたという。

 実際にアフレコを経験して、森川さんは「予想以上に難しい」と感じ、「意外と(アニメの)口の動きを見ていたら、なんて言っていたかはちょっと分かったりするものですが、一応動いてはいますが(実際の口の動きほど)正確になっていないので、自分がちょっともごもごってなってしまうと、思っている以上に聞き取りづらいなと」と驚いたという。そして、「本当に滑舌がすごくよくないと難しいなと思いました」と実感を込める。

 ◇兄の影響でアニメ好きに

 今作への出演が発表された際、「自分はアニメが好きなので、アニメの世界に入り込めるのはうれしいです」とコメントしていた森川さん。「アニメ大好きです!」と切り出し、「お兄ちゃんがアニメがすごく大好きだったので、その影響で自分も見始めて、そこからはまっていきました」とアニメ好きになったきっかけを明かす。当時は兄が見ていたこともあり、「『涼宮ハルヒ(の憂鬱)』や『らき すた』、あとは『(新世紀)エヴァンゲリオン』とか『ぼくらの』も好きでした」と笑顔を見せる。

 今でもアニメを「めっちゃ見ています!」と力強く言い、新番組が始まると「チェックしちゃいますし、気になったものは、とりあえず見ます」と話す。そして「今は『Re:ゼロから始める異世界生活』が、自分の中で最強だと思っています(笑い)」とはまっている作品を明かす。

 小学生の里美を演じている森川さんだが、自身の子供時代について、「小学校時代は休み時間は外に出ないで教室にこもってお絵描きしたり、トランプをやったり、どちらかというとイン(ドア)な感じでした」と振り返る。役柄などからもアウトドアな印象がありつつ、「今も休みの日とかは家にこもる派です」と明かす。さらに、森川さんは里美ぐらいのころの思い出を「夏休みに家でクーラーを効かせてダラダラしていた記憶しかないです」と笑う。

 ◇「うん」の微妙な違いを聞いて

 今作は笑いもあり、意外な感動もあるというストーリーだが、「ゆるいシュールな面白さというか、『鷹の爪』ならではの面白さはありつつ、本当にいい話も盛り込まれている」と森川さんは表現し、「シュールな笑いの中にきっとこういういい話が入ってくるから、さらに話のよさが倍増しているんじゃないかなというふうに思いました」と分析する。

 続けて、「大人から子供まで幅広い年齢の方に楽しんでいただける映画」と切り出し、「夏らしくホラー要素もありつつ、家族とか友達とのほっとするエピソードもあって、本当にいろんな要素が含まれた、笑えるしちょっと感動もしてしまうような映画。夏の疲れを吹き飛ばしたいときなどに、ちょっと見に行こうよ、と誰かを誘って一緒に見に行ってくれたら、笑顔になって帰ってもらえると思います」とメッセージを送る。

 特に気に入っているシーンは、「すごくピーという音が入っているところ」と話すも、「結構いろいろ言ったのですが、ほとんどピーで処理されていました(笑い)」とほほ笑みながら、「見せ場の一つです」とアピール。里美の注目ポイントには、「最後の方で何回も『うん』を言うシーンがあって、その微妙な違い」と言い、「見てもらえたらきっと分かります」と自信をのぞかせる。

 これからまた声優業にチャレンジしたいかという問いに「もちろん挑戦してみたいです」と目を輝かせ、「自分の好きな世界に入るというのはちょっと抵抗もありますけど、好きだからこそ、もうちょっと知ってみたいという気持ちもあります。また縁があれば何かできたらいいなと思います」と思いをはせる。やってみたい役は「魔法少女」と言い、「単に自分が好きなジャンルのアニメの話なんですけど(笑い)」と楽しそうに話す。

 さらに今後の初挑戦でやってみたいことは……。「ゆるくしゃべるラジオ」と言い、「もうちょこっと自分の気持ちがラジオを通して分かってもらえたりするのかなって」と理由を説明。続けて、「体が柔らかいのを生かしてバレリーナ役とか、この前、フルートを少し吹いたのですが、楽器にもチャレンジしてみたい」と思いをはせていた。映画は全国で公開中。

 <プロフィル>

 1995年6月17日生まれ、愛知県出身。2010年にティーン向けファッション誌「Seventeen」(集英社)の専属モデルオーディション「ミスセブンティーン」でグランプリを受賞。12年に女優デビューし、「スプラウト」(日本テレビ系)でドラマ初主演を果たす。主な出演作に、ドラマは「監獄学園-プリズンスクール-」(TBS系)、「いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう」(フジテレビ系)、「遺産相続弁護士 柿崎真一」(日本テレビ系)など。出演した映画は「転校生」(12年)、「チョコリエッタ」「通学シリーズ 通学途中」(共に15年)、「ドロメ」「TOO YOUNG TO DIE!若くして死ぬ」(共に16年)などがある。10月には出演した映画「金メダル男」の公開を控える。

 (インタビュー・文・撮影:遠藤政樹)

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